『図書館戦争』の漫画にはまる
『図書館戦争』の漫画にはまっている。
娘がこの映画を見に行きたいというので、
親としてはもう少し内容を知っておこうと思っていた矢先、
職場の遥か後輩から漫画を貸して貰って読むことに。
思わず一気読み。
うーん、これは本が好きな人兼浪漫に憧れる若手向き。
思春期の少女向きだなあ。
恋に恋するお年頃、大好きな世界を守る。
それが本、本に代表される世界。
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検閲、取り締まり、言葉狩り、
政治や権力によって上手く丸め込まれないように、
どれだけ苦労して自由を確保しなければならないか。
そのためにどれだけの犠牲が必要だったか。
未来に、武力なしに言論の自由を守ることができるか。
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なかなか面白い組立て。
話題の図書館戦争を、漫画で描くとこうなるわけか…。
あまり知らなかった漫画家だけれど、これからしばらくのち、
一発屋じゃないけれどこれだけで食べていける・・・? なんて、
原作ありの漫画だけれど、妙に世知辛いことを考えてしまった。
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というのも、文字で読むよりも漫画に影響されてその世界に浸る、
そんな人が多いのも事実。漫画から本へ、本から漫画へ、
そして映画へ。三つ巴でなかなか楽しいではありませんか。
もっとも、映画の絵柄と漫画の絵柄は全然異なるので、
どの世界が自分の好みにいちばん近いか、にもよるけれど。
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ちなみに、私は原作派なので、
漫画にデフォルメされたわかりやすさに惑わされるのは、
あまり好きではない。
ラブラブ、不器用な恋、女の子同士の寮生活、
同期・同僚との繋がり。
社会人としての成長。訓練や実践、体を張る仕事。
親の理解、無理解、親子の葛藤。
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なかなか青春が抱える問題をちりばめて描かれている原作なので、
漫画の方もそれなりに読めるのが面白い。
文学の世界は、固い小説がジャケ買いの世界よろしく、
表紙で勝負、若い人に手に取ってもらうのが先、
内容とマッチしているかどうかは別として…。
そんな戦略も見え見えではあるが、一つの手段ではある。
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思えば、アニメになり、そこまで有名になったかどうかは別として、
地道に知名度を上げるのに、読み手を掘り起こすために、
さまざまなコラボで映画化にまで辿り着き、
それにまつわるキャラクター商品も込みで、
購買・発刊・印刷、販売、いろんな過程で仕事に携わる人を作り、
雇用を生み出しているわけだから、悪くはないか。
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そんな風に斜めに構えながらも、
娘の好きな本が理解できる気分に浸るのは、
親としても悪くないものなのでありました。
漫画好きなのは、親に似たからでしょう? と言われれば、
言い返せないか、そのおかげで本も読む子に育ったので…。
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そう、我が家においては、図書館に行くのは日常茶飯事。
図書館は第2の書斎。常に身近な存在。
子どもの頃、どこに図書館というものがあるのだろうと思いながら、
学校図書館しか知らずに高校生まで成長し、
長じて後、いきなり大きな図書館に出向けば気圧されて、
何も借りることもできず、館内をうろつくこともできない小心者、
そんな自分に終わってほしくないと、娘には願っている自分。
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そう、敷居が高かったかつての公共図書館。
でも今は違う。娘は物心ついた時から図書館を利用。
そして、そのまま、情報を得る場所として成長してほしい。
学校図書館だけでは物足りない。
そんな風に感じてくれるようにならないと。
レファレンスとは何か、調べもの学習の枠を超えてどんどん先に、
その先に進んでくれないと。
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進むためには、図書館は「検閲」という規制や統率の枠に歪められず、
運営される必要があるのだけれど、目下の問題は、
理解のない有権者が税金の無駄だと資金打ち切りにすることだろう。
ぺーばーれすの時代、紙の本など必要ないだろうという人もいるから。
でも、ケータイ難民が居るように、電子図書難民だってこれからもっと増える。
紙の本を失くす訳にはいかないんだよ。
出版されている全ての本が電子図書化されるはずもなし。
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図書館戦争はラブコメと表裏一体だけれど、実際の図書館における戦争は
もっと地味なところで悪戦苦闘している。
行政の予算、人員の確保、レファレンスの質、地方自治体における存在価値、
貸出マシンの増設で、図書館の人と接する時間が少なくなり、
私自身は図書館のカウンターは味気なくなる一方。
効率化の向こうには、機械、パソコンとやり取りするカウンター。
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だから?
…漫画を読みながら、自分の好みの図書館を夢想する、ひと時。
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