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音楽の魅力とサイエンス

(写真は全て大きくなります)
6月2日の記事の続き。昨日土曜日は盛り沢山の予定。
午前中は中央卸売市場探検ツアーに参加。主催は月刊島民のナカノシマ大学。
午後は吹田サイエンスカフェの主催で、場所の関係情お茶抜き。
音楽を学ぶサイエンスカフェにこれまた家族で参加。
その合間を縫って勉強会に顔を出していたので、
私は頭の切り替えが・・・。


  

  


こういう離れ業も大阪市内を移動するから出来ること。
自分の普段の本拠地からの移動時間を考えると、とても不可能。
そして、こうやって家族3人で自由に大阪を闊歩するのはこの日が最後。
(むろん、当日はそんなことなどつゆ知らず)
お目当てのB-tech Japan Osakaスタジオまで出かけることに。
何しろ、ベーゼンドルファーのグランドピアノのあるスタジオでの勉強会。
どんな話が聞けるか楽しみ。むろん、ピアノを習っていたのは遙か昔、
小中学生の頃ではあるものの、音楽の話題であれば・・・。


    

  


ピアニスト鈴木陶子氏の実演をまじえた音楽の話題。
(当日の鈴木氏のブログは こちら→
この方の話がまた上手で分かり易くて、講義を聴いている感じなのに堅苦しくない。
パワーポイントの使い方も絶妙で、プリントアウトした資料が欲しかった・・・。
基礎的な話から丁寧に音楽の歴史を辿り・・・、辿り過ぎて時間が足りなくなった。
昔、実家にあった『世界の音楽』(名曲ソノシート付き)シリーズで学んだ、
音楽や作曲家の想い出が蘇ってきて、何とも言えない気持ちに。
未だにあの本から得たそれ以上の知識を持ち合わせていない私。


  


音の響きが弾き方によって変化することを体感したり、
音楽にまつわる歴史やサイエンスの話題に触れたり、
自由に話せる音楽サロンという前触れにふさわしく、話はどんどん進む。
こうやって改めてお話を伺うと、音楽も歴史も科学も渾然一体。
過去に学んだことは無駄にならないなあと実感。
音を出す、音を分析する、音を作るって、物理だ・・・。
闇雲に練習して音を出せばいいっていう、野生の勘だけじゃ無理。


  

  

  

  


音楽は世界中を駆け巡り、音楽の効用、ハーモニーの在り方、記譜法、聖歌、錬金術
大航海時代、作曲家の生きた時代背景、社会的な地位、様々なものが巡り巡って、
一つの音楽やメロディ、楽器や交響曲に凝集していくのを駆け足で聞いた。
その中で、音楽は、ピアノは、どのようにして作られていったのか。
そして、その楽器を弾きこなす弾き手達は・・・。

    

    

    

  


ベーゼンドルファーの技術者の方から伺う話、理論的なことはさておき、
ああ、大阪音楽大学博物館にも似たような機械があって教えて貰ったっけ。
それがこれなんだなあと思い返しつつ。
ピアノを弾いている間、習っていた間、曲について考えたことはあっても、
ピアノの仕組みについて深く思うこともなく、調律にこだわることもなかった。
上手く音のでないピアノを弾きながら、ただ音が出るだけで満足していた時代。
それでも、あちこちで弾かせて貰うピアノのタッチが余りにも差があって、
戸惑うことは小学校低学年から既に経験していたはずなのに。


  

  

  

  


初めて間近に聞くベーゼンドルファーの響き。
この形の何がどのように響いて音を響かせるのか、その内部。
目にする手作りのチェンバロ、細かい細工。
美しい芸術品。ただただ楽器としてだけではなく、美意識を反映した、
一つの世界、小さな聖堂、そんな世界をしばし目にするひととき。


    

    

    

    

  


話題が話題だけに盛り上がり、コンサート情報も飛び交い、
スタジオの中は熱気むんむん。ピアノの仕組みから音を出すメカニズム、
それを目の当たりに見聞きすると、みんな小さな子どものようになって・・・。
大人の遠足三昧、午前と午後では随分世界に差はあれど、
どちらも頑固一徹こだわりのある職人の世界だなあと感じざるを得ない。
生活に密着した食の世界、一見対極にあるように見える芸術の世界。
でも、それを支えているのは「技術」「鍛錬」「工夫」の賜物。


  

  


日常の仕事一辺倒の世界からは、窺い知ることの出来ない世界を垣間見た。
そして、裏方の、技術者の、地道な世界を後にして、
6月2日、土曜日の最後の予定、それは、大植さん最後の指揮となるらしい、
大阪城での星空コンサートに出向くことに。頑張れ、私たち。

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