スノーホワイト
映画『スノーホワイト』を見る。面白くない。
莫大なお金を掛けて、この程度のストーリーかと。
リドリー・スコットも老いたな。
もしかして戦いのシーンを撮りたかったのかな。お決まりの。
戦場を撮るために、おとぎ話で戦うシーンを用意して、
ジャンヌ・ダルクのように女性が戦うシーンを盛り込む。
そういうつもりだったのかな。
女房を亡くしたやもめ男のキスで蘇る白雪姫。
なんてこと無い。やれやれ、おじさんの願望か。
『三銃士』を元にしたとはいえ、とんでもない出来の映画もあったな。
空飛ぶ飛行船を撮ってみたかっただけで、三銃士を使う必要無かっただろうと。
ハードボイルドプラスSF、名作が下敷きなのよと宣伝。
ちょっと売れてないけれど知名度のある役者、
(「ロード・オブ・ザ・リング」でデビューした彼)
役柄のイメージが決まっているから同じような使い方しかできない役者、
(細菌に感染して人間兵器になってしまった怖いおねーさんとか)
人寄せパンダにはちょうど都合いい役者を集めて、派手にドンパチ。
大衆娯楽ってこの程度でいいだろう、みたいな、
上から目線でバカにされているような、そんな映画だったなあれも。
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今回も似たり寄ったり。俺の感性に付いて来れない奴が悪い。
現代版解釈俺様流テイストで味付けすれば、こんな仕上がりだぜと、
札束でほほ殴られているような感じの出来栄え。
そりゃ、ファンというものの哀しい習性で、
監督や役者に思い入れがあればあるほど、駄作だろうなと思っていても、
まあ、とりあえず見るかと腰を上げるのを見越しての、制作、披露。
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グリム兄弟もディズニーも、生きていたらどう思ったかな、
今回の白雪姫の出来栄えは。
もう少しなにがしか、メッセージ性を高めるべきだったのでは、
どうせ作ってみるのならば、だが。
徹底してイメージの広がるままに遊び尽くしたというよりも、
枯渇したイメージを掻き立てたような、苦しい仕上がり。
そんなふうに感じてしまった『スノウホワイト』。
美しく生まれてきたこと自体は、罪が無いというのに、
美しく生まれついてしまったために、まがまがしいものの恨みを買い、
人生を損ねる若者の話。
それであれば、もう少し描きようがあったものを。
どうしても搾取するものと搾取されるものの対比で、
魔女と姫、魔法と人智の葛藤を描こうとするのか。
「グリム童話の名作「白雪姫」を題材に、
悪の女王と戦うヒロインの姿を描いたアクションアドベンチャー。」
だから、アドベンチャーやりたかったら「白雪姫」なんて呼称を使わず、
新しいヒロインを作る意気込みで、作品創れば。
ネーミングその他もろもろ状況設定、付加価値つけないと何もできない。
そういう姑息な制作姿勢にむかっ腹が立つ。
若かろうが海千山千だろうが女は怖い、それが撮りたかったわけ?
というわけで、男性はいつまでたっても蚊帳の外。
げに恐ろしきは女の欲望というわけですね。
姫もいつまでも若くはいられません。
おとぎ話には、その後は絶対描かれない。
幸せに暮らしましたとさ、で終わらないと。
リアリズムはご法度の、象徴性の高い世界。
それにしても、面白くない映画が多いなあ。
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