Festina Lente2

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夏至の日

今日が夏至の日だということをすっかり忘れていた。
天気もそれほど良くもなく、
太陽がすっきり見えている感じでもなく、
そういえば今日は昼が長いんだったなと思った時には、
とっくに日没が過ぎ・・・。
大体、お日様の顔見て帰宅なんて普段からありえないし。


今日が誕生日から丁度2ヶ月後だってことを忘れていた。
ということは、1ヶ月後が家人の誕生日。
今年は引っ越しに紛れてしまいそう。
向こうに行ったら中華街でお食事でもしたいな。
引っ越し先の近所ではそこぐらいしか知らない。
それとも元居た草加に戻るのかな?


1年で一番長い昼間、そんなことさえ意識せずに毎日仕事。
気が付けば毎日サービス残業の嵐。
何だかあれもこれもと思っているうち、
どんどん帰れなくなる毎日。
帰りたくないのか?
本当は帰るのが嫌なのか。


自分が使いやすい台所ではない家。
自分が眠りたいベッドではない家。
自分が使いたい部屋ではない家。
なかなか思い通りに手が入れられないのは、
本当の意味で? ある意味自分の家とは言いきれない家。


家を自分の思うとおりにデザインできるのは、引っ越しがチャンス。
でもこれが、自分のための引っ越しではなく、
必要な広さが保障される引っ越しでもなく、
守るべき暖炉の火もない、ささやかな台所が拠り所。

夏至の森 (創元推理文庫)

夏至の森 (創元推理文庫)

夏至祭 (長野まゆみEarly Works―少年万華鏡)

夏至祭 (長野まゆみEarly Works―少年万華鏡)

夏至の日。一段と影が長くなるこの日。
明るい家に家に帰れる気分がしない、そんな毎日。
ずっと心の奥に燃えているのは、太陽ではなくて、
夏至祭りの焚き火の炎。
ベルティンの祭り、恋人達が手を繋いで飛び越える焚き火。
白夜の夜、天使が降りて来る。


子どもの頃に読んだ童話の、火祭り、焚き火、夏至祭り。
そういうものがずっと心の奥の暗闇の中で燃えている。
あれはトペリウスの童話? それともストリンドベリ
今日は夏至だったって、だけど日常生活の中では、
祭りもなく、焚き火も無く、火も燃えず。
時は水無月、梅雨の頃。


家人がこっちにいるのもあと2週間余り。
気ぜわしさだけがくすぶる心の中。
何もしなくても疲れていく気持ち。
夏至祭りに燃やしてしまいたい、日常のあれこれ。
幻の焚き火は心の中。
なかなか熾火(おきび)になってはくれない。

ワインレッドの夏至―田村隆一詩集

ワインレッドの夏至―田村隆一詩集