Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

館長 庵野秀明 特撮博物館展

(写真は全て大きくなります)

何故か様々なかかし達が、美術館までの道案内をしてくれている、
清澄白河から美術館までの通り。
紀伊国屋文左衛門についての碑もあったりする道を辿って、
駅からやや遠いなあとぼやきながら、目的地を目指す。
全く土地勘のない人間にとって、少々不安な道すがら、
何故かかかしがあちらこちらに立っている、田んぼでもない街中。

  



本日、娘ではなく私の目的地は当初から、東京都現代美術館
無理をしてでも見ておきたかった展示がそこにある。
館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技
エヴァの原点は、ウルトラマン巨神兵、とあるが、
私にとってエヴァはどうでもいい。エヴァンゲリオン世代には申し訳ないが。
やはりウルトラマン巨神兵は見過ごせない。
それに・・・解説にもあるように、
「現在、特撮は、デジタル技術の発展と共に形を変え、
その価値を見直す岐路に立たされていると言えます。
それとともに、特撮の語り部であり、貴重な財産であるミニチュアや小道具などは、
破棄され、あるいは散逸し、失われつつあります。」なのだ。



    

  


何しろリアルタイム「ウルトラ」世代。
ウルトラQウルトラマンウルトラセブンキャプテンウルトラ
帰ってきたウルトラマンウルトラマンタロウウルトラマンエース・・・。
とにかくウルトラで埋め尽くされた世代の人間にとって、
あの超アナログな職人芸で極めつけの演出三昧の特撮は、
CGやSFXでは表現できない「別世界」への入り口だった。
かーちゃんのやるせない思いを、少しでも娘に伝えておきたい。


    

    

  


作り手になり得なかった自分、物語の紡ぎ手ニモなり得なかった自分、
単なる鑑賞者、受け手側、受け身の存在でしかない自分ではあったけれど、
ウルトラマンを生み出した円谷プロスタジオジブリの展開した世界、
ゴジラモスラガメラキングギドラなどの怪獣映画、
『緯度ゼロ大作戦』で展開された未来の医学や世界感は、
ただの「女の子」の自分にとっても憧れの世界だった。


    

    

  


モーリス・センダックの絵本『かいじゅうたちのいるところ』ではないが、
たくさんの怪獣に囲まれ火山島で暮らす、
そんな荒唐無稽な夢を枕辺に見るような子ども時代を過ごした
TV・アニメ・特撮成長期世代の者にとって、どうしても観ておきたい、
娘にも見せておきたい展示だからこそ、はるばるとやって来たのだ。
期待に背かず素晴らしかったというか、展示が多すぎて目移りするというか、
若者向けの体力勝負の長丁場展示で疲れたの何のって・・・。
さすがに娘は後半に行くほど興奮し、二人で巨神兵のミニ映画を2回見て、
セットを目の前にした時には喜んだのなんのって・・・。
私は朝早くからここで丸1日過ごすべきだったと、体力不足に臍を噛んだものの
後悔先に立たず。残りわずかな時間、閉館まで見ることで間に合わせの鑑賞。


    

    

  



東京都近代美術館の特撮展は余りに時間が掛かりすぎた。
もっと早くから見るべきだった。いや違う。
特撮展に丸一日費やすべきだった。
それよりも、特撮展を見に来るのは若者だけではなく、
リアルタイムに特撮を見て育ったシニア世代も多勢くるというのに、
全く休憩する場所が無く、足が疲れたのなんのって。
・・・スペース的に作ることは可能だったと思うが、
体力の無い人間にはきつい場所だった。


  


夜は家人と待ち合わせて有楽町で回転寿司。有楽町で何で? 
安い中華で済ませようとしていたのにと、娘は不満顔。
東京の食事は高い。
安くて美味しい所は探しておかないと、馬鹿馬鹿しい程だ。
よそ者の私たちは、この町での適当な「店探し」の嗅覚は働かない。
大阪の勝手知ったる店がないのは、本当に心許ない。
家人の職場が銀座。
尚更、そんな所でディナーを頂くわけにはいかない。
そういう計算が働かないとーちゃんの行為(好意?)は、
経済観念のすれ違いを産んで? な晩餐。


ただ、とーちゃんも見に行って、良かったよ、是非是非と
勧めて更けていく帰宅の夜。関東滞在も今週限り。

特撮円谷組 ?ゴジラと、東宝特撮にかけた青春?

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特撮映画美術監督 井上泰幸

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