Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

旧友宅を訪れて

中学時代からの友人が家人宅から1時間ほどの距離に住んでいるので、
久しぶりに会う約束をした。
彼女は実家が大阪なのでちょくちょく来るのだが、
私は関東方面にとんと出向くことがないまま時間が過ぎた。


思えば彼女と机を並べて勉強したのは、中1の時だけ。
転校してしまった私とせっせと文通して、それ以来今までもう40年。
人生半分以上、離れて過ごしていても友だち。
かつて予想したような人生とは異なる毎日を、2人とも送っている。
子どもの頃思い描いていたのとは遙かに遠い。



20年近く前、出張がてら立ち寄った彼女の家は、高台にある和風の家だった。
それが、10年前にバリアフリーにしたという。
前回訪れた時の面影はほとんどなく、モダンな屋敷に姿を変えていた。
子供たちも同様、幼児だったのお嬢さんは大学生。
時の流れの速さを感じる。



トンパ文字の額が掛かる居間で一緒に昼ご飯。
彼女の手作りの食事を頂くのは、あの出張の夜以来だ。
あれから流れた月日、私も母になり、彼女は趣味と実益を兼ねて仕事。
子どもの頃想像も付かなかった人生を歩んで、お互い年を取った。
でも、心の中にあるのは、思春期真っ盛りの夢一杯の頃の私たち。



こんな穏やかな時間があるのかと、不思議な感じ。
毎日が随分殺伐としていて、あちこち渡り歩くのに忙しく、
ちょっと忘れていた、人と逢って寛ぐ感覚。
娘よ、かーちゃんの暴走に付き合わせて日々出歩く、
そんな毎日で済まない。



楽しい会話の時間はあっという間に過ぎ、明るい内に帰途に着いた。
再開発が始まっている乗換駅、JR駅前を少しウロウロして時間を潰す。
若い頃には出来なかった時間の潰し方が出来るようになったのか。
いかにも街の酒屋さんで、割れせんなど鄙びた菓子を買い、
日も高いというのに看板のお勧めを一杯あおってみた。
毎日がふらふらとこんな風に自由に昼日中のお日様を眺めて暮らす、
そんな日々が来るのだろうか。


仕事に戻る日は迫っている。
今年は海外出張の見返りのお陰で、夏休みが長い気がする。
娘よ、かーちゃんはいつまで一緒にいられるかね。
人の家も見せておかねばなるまい。
崩壊しきったお化け屋敷さながらの、片付けられない病の家に暮らし、
整理整頓が付いた状態とはどのようなものか、他所様から学ぼうか。


本と埃以外、何があるかな。
そんな関西へ戻るのもあと僅か。
ああ、残り僅かの夏休み。

トンパ文字伝説

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パソコンで楽しむ 愛と友情のトンパ文字

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