Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

土佐稲荷神社

昨日は娘の部活の発表会。普段は足を踏み入れることのない市内、
初めての場所で降り立つと、会場の裏手に大きな神社がある。
季節は折しも七五三。目指せ、土佐稲荷神社。
娘はとうに中学生だが、神社とあれば参らずにはいられない。
その土地その土地を守る神様に、挨拶をして通り過ぎるのも礼儀。
祈願したいことは沢山ある。悩みも相談も言葉に出さずとも、
二礼二拍手一礼の時間をここで取らずして、何の縁が結べよう。


  


地図で見る限り大きいお稲荷様だと思ったが、予想通り、
その「土佐」の名が土佐藩に由来するものだった。
江戸時代の蔵屋敷跡に、あの岩崎弥太郎が明治に三菱を創建した、
由緒ある場所であることが分かった。
ただのお稲荷様ではなかったのだ。


  


お祭りされているのは宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)、
穀物の女神様。豊穣と復活を司る有り難い神様だ。
たった一人の我が娘、思春期に入って何かと難しい我が娘との、
これからの関係如何なることか、娘の将来如何なるものや、
あれこれと思い悩むことは多い。
学業のための御守り、自分自身には病気平癒の御守りを求める。


  


本当は病気平癒の御守りを、
もっと必要としている上司が気がかりなのだが、
事態はもっと切迫しているから、如何ともし難い。
人事権を握るトップが揺らいでいる今、
自分の来年は風前の灯火とも言える。
そのストレスが、秋から重くのしかかってきているのを、
人にこぼしても詮無いことなのだが・・・。


  


伏見稲荷同様狐が沢山神社を守る。
何故か大きなウサギも。
七五三のお参りの家族が眩しい。
娘の7歳は家人の長期入院中で、着物を着せるどころか、
かーちゃんと二人で寂しいお参り。
それでも、お参りするにはしたのだが、彼女は覚えてはいまい。


  


薔薇の実を珍しそうに手にとって眺める娘。
君にとって、庭の薔薇が見になっているのは目に入らず、
こういう場所で「初めてこんなの見た」と喜んでいるのが、
かーちゃん複雑な心境なのだが。
側にあるものは見えない、人間の常。


  


神様はこの愚かしい人を、どんな風に受け止めてくれる?
都会の真ん中、一駅二駅地下鉄で戻れば心斎橋。
大阪の繁華街。なのに、この静寂精錬の気の溢れる神社で、
私たちは少しは清められただろうか。