Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

吉田神社節分祭

(写真は全て大きくなります)
昨日訪れた京阪出町柳同志社に向かう方向とは反対に歩くと、
京大への道になる。この日の目的は、京大博物館だったのだが、
初めてこの地を訪れた娘と共に、せっかくの節分ゆえ、
大学の農学部の奥に当たる吉田山の吉田神社に詣でることにした。
予想外の人出に圧倒されながら、初めての吉田神社節分祭。
真っ赤な大鳥居をくぐって緩やかに山登り。人波に押されるまま進む。


  

  


知らなかったのだが、福豆を買うと(一袋200円)籤が貰える。
景品が豪華で何と車から醤油や和菓子のセットなど、地元の名産品。
石の置物まで何とも賑やかな展示を見て、思わず家族分福豆購入。
周囲の人を真似て節分セットを購入。節分祭中の特別神符はもちろん、
古来から魔除けの梔色(くちなしいろ)の神札神符守り札などが入っている。


  

  

  


今年の干支の置物、絵馬、宝船、お祓いをする巫女様、鈴の音、
有名なデパートがお供えしている御神酒がずらりと並び、
「賽銭を投げないで下さい」のかまびすしい声、
押しくらまんじゅうの如き壮絶な参拝にはほとほと参った。
こんなに押せ押せの状態は、まるで通勤ラッシュのようでうんざり。
本宮に詣でた気分にはならなかった。


  

  

  


かの有名な『徒然草』の作者、吉田兼好もこの神社の神官の流れを汲む筈だが、
そんな雅な昔を偲ぶ雰囲気とはほど遠い喧噪に、火炉祭のために積み上げられた
古いお札の山を横目に、山の上に登って境内を見下ろし、そのまま
斎場所大元宮へ向かうことにした。何しろこちらはお参りするだけで、
全国津々浦々の神様にお目もじ叶う、天神地祇八百萬神をお祀りしている。
混み合う参道の出店の食べ物の匂いに少々辟易、
山手の裏道の気持ちの良い空気を求めて歩き参拝することに。


  

  


普段は中門からしか拝めないが、正月3日間と節分祭、
並びに毎月1日に限り、大元宮の本殿や東西諸神社など特別に参拝出来るのだとか。
なるほど、余り見たことのない壮麗な佇まい。
八百万の神々が鎮座するだけのことはある。


  

  

  

  


古いしきたりや神事、飾り付けには全く門外漢ではあるが、
見ているだけで民俗学や神話の世界に迷い込んだ感。
供え物、飾り付けの様子、信仰の形、何もかもが珍しく・・・。
この変わった形の注連縄は、厄塚。
社殿と繋がった注連縄により八百万の神との感応を願って
厄神や心に潜む鬼を塚に封じ込め1年の健康を願うのだそう。
吉田神社がこんなに節分信仰で成り立っていたなんて知らなかった。



  

  

  


地元に住んでいれば、疫神祭、追儺式(ついなしき)、火炉祭などを
間近に見ることも叶うのだろうが、そこまで贅沢は望めない。
日本全国あちらこちらにおわする神々、娘と柱の数を数えて、
神様の多い国少ない国、差があるねえなんて呟きながら
下山がてらお参りすることになったのは、菓祖神社。
菓子職人の石碑が境内をずらりと囲む。
お茶とお菓子のお振る舞いを頂きほっと一息ついた。


  

  

  


この日は晴れ女の面目躍如。非常に暖かく、冷え込む京都とは思えなかった。
明日は立春。その暦にふさわしい天気で、春の訪れを実感。
昼も過ぎて空腹を抱えながら、京大へ戻り、本日の目的、
京大総合博物館へ向かうことにした。
特別展「マリア十五玄義図の探究−三つのマリア像−」最終日。
そして、同時に特別展「ウフィツィ・ヴァーチャル・ミュージアム」を
どうしても娘に見て貰いたかったから。

吉田神道の四百年 神と葵の近世史 (講談社選書メチエ)

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吉田探訪誌―平安京を彩る神と仏の里

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