ライフ・オブ・パイ
哲学的な映画。ひと言で言うならば。
昨日の連休最終日、家人が赴任先へ戻る日の午後、
久しぶりに家族で映画。
家族で見るならばこれが良かろうと、家人が選んだ話題作。
前宣伝が余りにも凄かったので興味はあったが、
各方面からのネタばれもあり、どうかなとは危ぶんでいた。
『僕と1ルピーの神様』が一番いい例だが、
インドが絡むと話が何故か哲学的になる。
偏見のようだが、いつもそう思う。
『踊るマハラジャ』だって、楽しく踊っているばかりではなく、
それなりに問題点を抱えていた。
ご多分に漏れず、最初は分かり易く面白かったが、
(特に主人公の名前の説明、パイ=π)
漂流が始まった時から、死と生が如何に向き合うかの世界、
生きていくためには何が必要なのか、
その苦しさ、醜さ、懊悩、それを小さな舟の上で展開する。
心の闇を映し出す大海原の昼と夜の美しさ、
あり得ないような恐ろしい島の存在。
(シンドバッドの冒険、アラビアンナイトを連想させる)
そして辿り着いた真実を、人々は受け容れない。
それは心の中の世界であって、心的現実の世界。
他人には分かろう筈もない。
虎と漂流するということは、何を意味することなのか。
さすがに娘は後半になって、居眠りをしていた。
私でさえも眠気を覚えた。
それを眠らせないための輝かしい映像の工夫の数々かとさえ。
ちなみに、我が家では3人揃っている時3D映画は見ない。
この映画に関してはそれで見た方がいいと言われているけれど、
見ることが出来ない場合もあるからね。
若者にはこの映画、無理じゃないかな。
というか、一般的には人生の危機(的な状況)を何度か経験していないと、
思い当たる節がないので、そうかなーぐらいで終わってしまうのでは。
深読みするには楽しい作品だが、あっさり見るには勿体ない、
だからといって万人受けする作品とも思えない、
漂流映画だと割り切った方がいいのかとさえ。
そんな家族の時間を過ごした後、家人は単身赴任先へ戻っていった。
とーちゃん、楽しい連休ありがとう。
1ヶ月後、私の転勤の有無も決まっているだろう。
1月は行く、2月は逃げる、3月は去る。
この時期はあっという間に過ぎていく。
だから、家族の時間はやたらと長く感じるようで、すぐに終わってしまう。
こんな生活を結婚以来ずっと続けている。
これもある意味、心の中に虎を飼う生活ではあるな。
ちなみに、家人は寅年、ははは。
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