Festina Lente2

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散る桜は促す

家族と花見をすることもなく、桜が散っていく。
今年の桜は散るのが早い。4月早々どころか3月晦日には満開。
誰かが「地球温暖化のせい」と呟いていたが、本当にそうなのか。
やっと土曜日。どこかに出かけてのんびりしたい。
そう、家の中にいると何だか気が滅入る。
戦場さながらの引っ越しの余韻が、あちらこちらに荷物の小山を作る。


9年も慣れ親しんだ根城から異動してみれば、机が1つ。
そこからスタート、再スタート、一体荷物はどこに置けば?
途方に暮れる四次元ポケット欲しき日々。
運んでは隙間に収め、運んでは諦めて捨て、運んでは・・・。
仕事内容は似たり寄ったりの部分が大きいのに、資料は・・・。
本当にこの資料だけでみんな仕事を? 高望みもいい所。
この環境、あり得ない。これでは新人は育つまい。
そんなふうに思う自分は、やっぱり年なのか。


ふと気付けば比較・対照・揶揄・ため息の嵐。
いかんなあ。いかんよ。
せめて家にいる時ぐらいは何も考えず、おさんどんだけ。
頭を動かし、体を動かし、自分を空っぽにしてしまいたい。
捨てようとしているプリントを見ると、
「一生懸命すれば知恵が出る、中途半端だと愚痴が出る、
いい加減だと言い訳が出る」と書かれている。


はぁー、よくまあ片付け物の最中にこんなプリント、
一枚ひらりと出てくるねえ。
皮肉だこと。
どこかで神様は見ているらしい。
いい加減、いい加減?


桜便りは例年より1週間も早く、私の心の切り替えを迫るが如く。
ウォーミングアップ期間は終わった、正念場の来週を控えて、
輪郭の定まらぬ演じきれないキャラを、
大根役者、いえいえ、これが素なのよと
図々しくアピールしていくしかない、その覚悟を固めて。


散る桜は促す、咲くからには散るものと、思い定めて。
咲くよりも散ることに思い定めて。
遡ってスタート、再スタートの今を思い描けと。

暮らしのさじ加減―ていねいでゆっくりな自分にちょうどいい生活 (講談社+α文庫)

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いい加減よい加減

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