Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

白髪を染めて

染めます、巻きます。
染めて巻いて、黒いウェーブ。
年々髪が少なく薄くなる。
娘は模擬テストがあるのだとか言って、出かけてしまった午後。
朝から部屋を片付けて、日常生活、
ルーティンワークだけで時間がどんどん過ぎて、
やっと美容室に辿り着き髪の毛を染めに行けば、高いのなんのって。
染めてパーマを掛けて、いや逆か、染めて巻くんだったか。
どっちが先だったかも思い出せない。


何しろ馴染みの美容室の気安さで、寝た寝た、
とにかく椅子に座ってじっとしている時間、
なんて貴重な休み時間、休息タイム。思いっきり爆睡。
その間に傷んでいる髪はカットされ、
白髪交じりだった「おつむり」を、
せめて4月の間は元気に見せかけられるよう、
自然な黒と柔らかなウェーブに仕上げて貰い。


何だかあっという間の一週間。
転勤1週目、上手く自分を振り返ることが出来ない。
輪郭はあるのに中味がないような、逆に中味はあるのに
人に認めて貰うための輪郭を失ってしまったような、不思議な気分。


明日から本格的に始動。お試し期間終了、そんな心持ち。
転勤2週目に入る。右も左も分かりませんに近いが、
それでも何とか動かねばならない。
行事予定というか、やらねばならぬスケジュールに押し流されて、
そのうちに何とか形が付いてくるというのはわかっていても、
どう象られていくのか、自分で思うような形になるのか、
そこそこ不安ではある。


しかし、子どもではないのだし、そこはそこ割り切って。
おまけに人に何か言われて自分のスタイルを変えられる、
そんな年齢でも仕事内容でもあるまいに。
そうは思いつつも、やっぱり外見、型からだよね。


花嫁は何色にでも染まります、今までの自分を捨ててということで、
死装束と同義の純白の白無垢を着るけれど、
今更純白の花嫁衣装を着るわけではない、転勤。
気持ちの上で少しく似た部分が無いでは無いが。
こちらは白髪を隠して日々の疲れと老いを幾分減らして、
若返ったつもりになって自分を追い込んで、敵地、
いや、いわば戦場へ出陣準備に近いなあ。


そういえば昔のとある武士は、討ち死に、
首を取られた時に白髪を見つけられたんだっけ。
白髪丸見えで手加減されては武士の名折れと染めて出陣、
そういう気高き心がけにはほど遠いが、髪を染めて、
服装を整えて・・・。
4月の最初はいつも新年度、新年度と思うけれど、
今年の4月は転勤と重なり格別の思い。


花吹雪とまでは行かないまでも、散り始めた桜の下(もと)、
髪を染め、上り坂、歩く自分を想定内に収める。
これから新しい職場に染まらねばならぬ自分を、
あれこれと思い描く、日曜日。

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黒髪と美女の日本史

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