Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

大山崎春茶会「福建」

大山崎春の茶会。
1年ぶりの大山崎は昨年と同じように緑に覆われて美しかった。
しかし、昨年20回を記念した大盛況の大賑わいとは異なり、
打って変わって人が少なく、これが本来の姿かとびっくりしたほど。
昨年の秋、病に伏せって来ることが出来なかったので、娘と1年ぶり。
(去年の秋のお知らせはこちら
今年の春のお知らせはこちら
いや、去年の春は家族3人で来たのだ。


  

  


それでもお茶室『彩月庵』に入るには整理券が必要で、30分余り並ぶ。
まあ、これくらいの人出が私たちには丁度と言えば丁度か。
娘と2人並んでいて、係の人が顔を覚えていてくれていたでびっくり。
「昨年も来てましたよね」と。
やはり子ども連れは目立ったのか。
(昨年の記事はこちら→http://d.hatena.ne.jp/neimu/20120513
           http://d.hatena.ne.jp/neimu/20120514


  

    


でも、去年と違うのは、側にいてくれた家人がいないこと。
娘は私の写真なんぞ撮ってはくれない。
こっちが一生懸命あれこれ撮っていてもね。
これが家人が一緒であれば、お互い撮りっこするんだけれどね。
そういうことが出来たんだけれどね。「こっち向いて!」と言って。
当たり前の様なそんなことが出来ない、それも淋しかった。


    

    

    

  


家人が転勤する前は、土日を過ごすことが出来る贅沢があった。
毎日一緒に過ごせなくても、家族で過ごせる時間があった。
なのに、今はそれが出来ない。たったそれだけのことが心に淋しい。
当たり前に淋しい。そんな中で大山崎の緑陰に囲まれて中国茶会。
景色は同じ、季節は同じ。けれど大事な人が側にいない。


  

  

  

  


少し沈んだ気持ちとは反対に、青い空。緑の風。ここは牡丹席。
席の名にちなんで牡丹の生け花、牡丹の団扇。飾り付けも楽しい。
今回の参加証代わりのばっぢの模様が皿の中央に描かれている。
縁起の良い文字を好む中国のデザイン。
白牡丹と称するお茶は軽く爽やかな味わいだった。


  

  


点翠席 (庭園にて)。
今回は今まで訪れた場所とは異なる庭の中に仕掛けというか、お茶席がある。
最も驚いたのはこちら。溶けていく氷で入れる冷たいお茶、水出し茶というか、
氷り出し茶というか、冷茶。こんな形で頂くのは初めてでびっくり。
娘はこのお茶が一番気に入ったようだ。
味も仕掛けも初夏を思わせる日差しにぴったり。
この穴の開いた丸い石は、お伊勢さんの方に向かっているのだそう。


  

  


お茶は茶器から注ぐとばかり思っていたら、こんな風に茶葉を入れた水盆から
掬って飲むことも可能なんだねと認識を新たにした。
氷は上に入れてもしたに入れてもいいかなと思ったけれど、
この銀のボールからキラキラ滴るのが一興なんだね。


  

  

問俗録―福建・台湾の民俗と社会 (東洋文庫)

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薬になる中国茶図鑑 茶のチカラ

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