Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

合羽橋で七夕の泥鰌鍋 

夕涼みと洒落込む。浴衣ではないが、久しぶりに二人でそぞろ歩く夕方の街、
西浅草になる下町、合羽橋商店街の人通りは熱気に溢れ、
様々な催し、丁度今はおわら風の盆、静かな盆踊りと
スカイツリーを背景にした七夕飾りはシュールそのもの。

    

    

    


かつての赴任地、徳島での盆踊り、
つまり賑やかな阿波踊りを見慣れている目には、
何とも不思議で静か過ぎる踊りの世界。
名前だけは知っていたが、こんな風に踊るものとは。
優雅といえば優雅、趣のあるものではあるのだが、
慣れぬメロディと振りと一瞬制止するその瞬間にドキリ。


    

    

    


カメラを向けているうちに、向かいの通りに気になる店が。
ふと目にとまった由緒ありげな看板。乾物屋さんらしい。
もっとも、乾物屋は今の21世紀の食生活にあっては、
それだけの商いでは生き残れないらしく、
どう見ても土産物屋にも、珍しいものやにも近い品揃え。
若い世代には乾物とはなんぞや? だろうから。


    

    

    


幾つか気に入った物を選ぶ古びた風情の店内も楽し。
こだわりのある品揃えも楽し。
ここの奥さんが書いた乾物料理の本もお買い上げ。
地元の七夕祭りを盛り上げるちょっとした出店、手作り総菜、
願い事を結ぶ短冊に笹飾り。


    

    

    


ひょうきんな河童が、それもどこかで見たことのあるキャラクターが
商店街の通りにちなんであちらこちらに見え隠れ。
何とも愛らしい、お茶目な演出。
さて、小腹も空いたまだ西の空が微かに明るい夕暮れ。
先ほどから気になっていたお店に入ることに。


    

    

    


大阪ではとんと見かけることのない泥鰌(どぜう)の看板。
前に草加に住んでいた時はスーパーでビニール袋に入った泥鰌が売られ、
隣市では鯰料理専門店があり驚いたものだが、
せっかく1年前に西と東に再び別れ、超距離単身赴任生活、
15年間続くの別居結婚もベテラン組とはいえ、
この日ばかりは七夕様にあやかって二人でつつくのが泥鰌鍋でも、
いいじゃありませんかの世界。


    

    

    


朝顔市の花の鉢を持ったまま上がり込んでいる人、
訳あり風の二人連れ、賑やかな若者の集まり、
家族友人、思い思いに集って食べる泥鰌の味は如何なもの。
でも差し向かいで食べる食卓に二人して思うのは、
祖父母宅で1学期の期末テストを控えた娘の顔ばかり。
とーちゃんかーちゃんのささやかな逢瀬を許してくれる、
娘の鷹揚さに甘えて食べる泥鰌の味は・・・。
今度は来よう、年末の休みには熱々の鍋を囲みに、
3人で家族揃って食べに来ようと誓う夜。


    


この後、浅草へ参り、思いがけず飲み直すはしご酒。
医者に止められれば止められるほど暴走する夜は続く。

老舗乾物問屋 浅草・萬藤の 乾物上手レシピ

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