Festina Lente2

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誰を招きどこへ行く

カボチャのランプはハロウィンに付きもの。
どうしてカボチャなのか知らないけれど、ジャック・オー・ランタン。
そんな呼び名を知ったのは、数年前のこと。
大体、私の子供時代、青春時代、学生時代、
ハロウィンなんて行事は特に馴染みのある物でも何でもなく、
最近の盛り上がり方の異常さに付いていけないほどなのだ。


カボチャをかわいらしく細工する講座、工芸用園芸用変わりカボチャ。
仮装用の衣装、インテリアグッズ、むろんハロウィン仕様のお菓子。
よくもまあ、これだけ力を入れられるものだ。
その「売らんかな精神」に則った商売にも呆れるが、
バレンタインに続き、こんな行事まで日本に定着して、
そしてクリスマス戦線になだれ込み、お正月って・・・。
やめてくれよ・・・と思う私。


カボチャの顔は一つだけじゃない。
カボチャの顔は笑っているわけではない。
泣いているわけでもない。
表と裏、違うデザインで彫り込むことが出来る。
ハロウィン。
天国にも行けない。
地獄にも行けない。
そんなジャックの明かりを灯して、人はどこへ行こうというのか。


元々カブで出来ていたランプがカボチャに。
確かにカブよりもインパクトはあるかな。
派手なことが好きなアメリカ仕込みのカボチャランタン。
その模様があちらこちらに出回って、眼がチカチカする。
誰を招きどこへ行くのか、何のための灯りか。
善霊を招き悪霊を遠ざけるというけれど、
ジャック自身は一体どこへ行こうというのか。


灯りは人をどこへ導こうというのか。
誰を迷わないように導こうというのか。
カボチャ頭は相手によってくるりくるりと顔を変える。
要領よく立ち回らなければ行けない死後の世界、
霊魂の世界、そんな世界を垣間見させる。
精霊の世界、霊の世界でも大変なハロウィン。
そんなことが頭によぎる。


「フリーズ」と言われてわからなかった、あの子。
異国の行事にうち興じただけなのに、命を落とした留学生の事件。
どうも、ハロウィンと聞いても楽しいイメージが浮かばない。
そんな今年のハロウィン。あっという間に終わっていく10月。
転勤して半年、プラス一ヶ月。
慌ただしく、毎日が過ぎていく。
私はどこへ行こうとしているのか、何をしようとしているのか。
幾つになっても迷ってばかりいる。


自分のドテカボチャ頭を頼りに、道を照らすことが出来るだろうか。
どこへ行き何をしようとしているのか、幾つになっても不安ばかり。
考えないように避けているぼんくら頭を抱えて、
どこへ行き、何をしようとしているのか。

ハロウィンのランプ (キラキラえほん)

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10月はたそがれの国 (創元SF文庫)

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