Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

依水園の秋

写真と描いたものの、実際に本日は写真がない。
私のカメラは壊れており、娘はカメラを持ってくるのを忘れたという哀しさ。
せっかくの秋の行楽に記念写真を撮る道具がないとは。



正倉院展の出口付近、予想通りお弁当販売。
初めてあったとは思えない気さくな方と、お昼を共にし、
鹿を眺めながら東大寺南大門を過ぎて、左手に折れていくと、
初めて見る庭園、依水園に到着。
奈良は寺社ばかりのイメージがあるが、優れた庭園もあったのね。



回遊式の庭園は、紅葉にはまだちょっと早かった。
けれどもドウダンツツジだけがひときわ赤くなり、
その場所、鮮やかな自然の色は何とも人目を引く。
お茶室、お稲荷様、池、そして・・・庭園で紅葉以上に
自己主張していたものは桜とキノコ。


何でもこれから春先まで次々に蕾が付いては咲くという、
寒桜の一種がドウダンツツジの陰になる側で 健気に咲いていた。
これといって大きな花が植えられているわけはないから、
小さな花も目立つ目立つ。
それに数種類の形大きさそれぞれ異なるキノコ達。
ああ、秋の風情はキノコにもあったのか。



チケットで一緒に観ることの出来る小さな寧楽美術館
青銅器の展示は白鶴美術館を思い出させる。
さすがに足が疲れてきて夕方、ここで一服と地元で有名な葛専門店、
天玉堂本店でお茶をする。できたてほやほや葛餅、あったかい。
抹茶と相まってほっこり落ち着く。



駅までの通りをひやかして、ちょっとしたお土産を買い、
あちらこちら案内して貰いながら女性の楽しみ。
京都とはまた異なる品々、鄙びた味わい。
小物、雑貨、目にしたもの、珍しいもの、心引かれるものを
手に取り、買い求め、無駄遣いの楽しみ。
駄菓子、昔懐かしいお菓子など手に取るのも楽しい。
そのまま、つけ麺のつゆで雑炊が出来る店へ。
プチ女子会と化して続く四方山話。



お土産に頂いたナカコの醤油と醪は、大事に使おう。
奈良に来て、仏像ではなく、寺社でも無く、
庭園と美術館、お土産巡りで過ごした午後。
娘が駕籠に乗った猿沢の池も懐かしかったが、
思えば遠くに来たもんだの心境になり、
その寂しさが普段は歩かない通りに足を向かせたのかも。


不思議なご縁で奈良で夜の9時過ぎまで。
さようなら、ありがとう。またいつかお目に掛かる日を。