Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

竹内栖鳳展

源氏物語の講座が土曜日の午後からあった、11月30日。
実は、非常に無理をして朝早く(でもないか)から京都に出かけ、
竹内栖鳳展を見てきた。
かねてからずっと観に行きたいと思いながらも、なかなか京都は遠く、
大阪に出かける用事が午後からならばと、午前中から足を伸ばし、
本来ならば丸々半日掛けてじっくり鑑賞すべき作品群を、
申し訳なくも勿体なくも駆け足で鑑賞。



京都市美術館開館80周年記念、近代日本画の巨匠。
その竹内栖鳳の作品を、若い頃から晩年まで、
一気に見ることが出来る素晴らしい展覧会。
明治期の西欧遊学体験を踏まえた経験が、それまでの画風に
どんな影響を与え、どんな作品を生み出していったか。



以前に高島屋関連の美術展を観に行った時に、
当時の名だたる日本画家の下絵から、織物を創り上げたという、
その作品が展示されていて、1枚の絵画としかいいようのない織物に、
ただただ驚かされたのだが、並み居る日本画家の中に、
もちろん竹内栖鳳は群を抜いて活躍していた。



写生を重視したという作品に現れる動物は、活き活きと
こちらに向かってくる獅子や虎、象。
もしくは愛猫家が手元に置きたい猫。
侘び寂びを好む人々が好む飛ぶ鳥の姿。
静かな佇まいの民家。
その画風の中に懐かしい日本の景色を見出し、
美術界を背負っていた気概と精神力に圧倒され、
瞬く間に時間は過ぎた。



この京都市美術館の設立にも深く関わったという、
彼の作品およそ150点を観て、その感動さめやらぬまま、
大阪にとって返しての枕草子の勉強会。
この展覧会は、昨日12月1日までだったので、
娘のピアノの発表会と重なっていて身動きの取れない私には、
一大決心で出向いた京都、だった。



もちろん観て満足、出向いて満足の展覧会。
もっともっと時間が取れればという恨みよりも、
観られて良かった出会えて良かったという満足感が大きい。
さて、月曜日。本格的に12月が始まった。



別冊太陽211 竹内栖鳳 (別冊太陽 日本のこころ 211)

別冊太陽211 竹内栖鳳 (別冊太陽 日本のこころ 211)

竹内栖鳳

竹内栖鳳