Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

乃木神社と飛天の美

(写真は全て大きくなります)

もうすぐお正月、神社はみんな大忙し。
年神様をお迎えする準備は勿論、御祭神にも掃き清められた、
いつもにも増して清らかな清庭(サニワ)と社殿。
でも、この神社に祭られているのはお馴染みの神様ではなく、
滅多にお目に掛かることのない神様が祭られている。
その名も乃木希典、歴史の教科書で習った乃木大将。
高校生の時、夏目漱石の「こころ」を読んで以来、覚えた名前。


  


  


  


  


この乃木神社が普通の神社とどう違うと言われても、上手く答えられない。
ただ、乃木大将の一生を見る限りでは幸せというより、波乱の一生。
明治の激動期を生き、国内外を戦い、戦地で2人の息子を亡くし、
「その分、我が子と思って教育せよ」との明治天皇の仰せで、
学習院の院長に就任。その建物が明治村にあったのではないかな。
孫の昭和天皇の教育のためと聞いたが。
いずれにせよ、殉死という形で妻女共々この世を去った、
私からすれば、歴史上の人物だ。


  


  


  


よもや彼は、自分がこんな風に日本の各地に祭られようとは
思いもよらなかったのだろうが、ここで結婚式を挙げる人も多いのだとか。
そりゃあ、神社だものね。武運長久にあやかる? のかどうかはともかく、
信奉する人も多いのだそうだが、頃は年末、慌ただしい時期。
晦日でも元旦でもない今頃、お参りする人は滅多にいない。
新年の準備に余念が無い巷を、ウロウロしていていいものか、
そんな気持ちにもさせられる。


  


  


  


世間様は新年を迎える準備に忙しいのに、家族3人は、
普段訪れることのない所、家族で行って見たい場所に出かけている。
この神社は、家人のお薦めで来た。
確かに坂の多い一角にある。
東京は坂の多い街だ。


  


  


  


彼の自宅が神社の隣にある。勿論入ることは出来ないが。
そして、乃木公園と神社の隣の一角は公園。
そのまま歩いて、六本木、東京ミッドタウンランチ。
静かな住宅地からあっという間に大都会の真ん中、サントリー美術館へ。
ここもお正月を迎える仕様に飾り付け、珍しい異国の風景を見るよう。
「九頭馬」とはいかなる縁起物ぞ。


  


  


そして、大好きな場所。美術館。
娘が小さい頃に見せた、宇治の平等院の飛天に再会。
とはいえ、真夏の日の宇治を思い出して懐かしいのは両親ばかり。
娘の記憶には残っていなかったようだ。
鳳凰堂と言っても、これまた歴史の教科書の中の建物。



薄暗い中で見る天女達とは異なる趣の、明るい中で見る飛天。
一体一体の様々に意匠を凝らした姿態の、えも言われる美しさ。
風を受け、楽を奏で、空の高みに舞い踊る。
正月を前に控えて、心が浄められるような爽やかさ。


  
そして、一服ティータイム。本日はここまで。
結構、足が疲れました。
明治の精神、平安の心に触れた年末の一日。


  


乃木希典―高貴なる明治

乃木希典―高貴なる明治

  
平等院鳳凰堂―よみがえる平安の色彩美

平等院鳳凰堂―よみがえる平安の色彩美