期待してはいけない
世間様と離れた所で、仕事をしていると感覚が狂ってくる。
落ち込みは○倍増し、喜びも同様。ほどほどはどこに行った?
些細なことでどん底になり、あっという間に引き戻される。
そんな行ったり来たりを仕事や家庭の中で味わい続けると、
コマ切れの時間、断片化した自分、固定観念で縛られて、
我儘や期待が「どうしてなのよー?」と渦巻いていたりする。
距離を置いてみるとなかなか面白い構図だが、
当事者は自分であるだけに、客観視したあと、
ほんの少し、崖の下を覗いている気分になる。
お上の要請による出張。ある事柄に対する予防策が、
色んな角度から書かれているのだが、それは既に出版されている
その手の本から抜粋された、ミニマニュアル本のようなものだ。
要は、その本にある内容を換骨奪胎して
職場の実情に合わせて用いることで、活性化、事故防止を
目的とする、というか、そうして欲しいという要請。
お上よ、期待するな。こんなマニュアル本で研修するのは、
この仕事に就いて幾ばくも経たないペーペーだぞ。
責任者を呼びつけて、するべきことは別ではないか?
研修の内容を履き違えて一律「伝達」したことで、
アリバイ工作をしているのではあるまいな?
(とここまで書いて、膝の上の違和感に手を遣れば、
なんと小さなムカデを素手で摑んでいてちょっとひるんだ。
ムカデよ、お前はお上のスパイか)
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確かに短い時間の中でするべきことは限られているから、
あれもこれも盛り込みたくなるのはわかる。
研修を主催する側を経験もすれば、人手をかき集めて打ち合わせし、
準備して滞りなく進めることが、どれだけ大変か、
じゅうじゅうわかっている。それでも・・・
少子化なのに少人数制のクラス編成ができずに、
粗悪な教育環境しか用意できないお役所仕事と同様の
無茶な研修をすることで、何の前進があるのか疑問だ。
それや焦点の合っていないプレパラートを1人5秒しか見せずに
今見たものをスケッチしなさい、レポートに書けという
無理難題と大差ない、中身の無い研修だ。
60人弱に3人付いてワークショップ、それは無理だ。
6人グループで2分で話し合ってください。
タイムアウト。逆の立場ならこれでOK?
文書購読の時間ではないので、外国の資料を横流し、
日本の実情にそのまま合わせることはできない。
行政区、担当部署では受け入れ年齢も環境も異なる。
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トップダウンで下ろすのであれば、体験型学習が一番だと
過信しているのでは無いだろうか?
それとも、モデルタイプの圧縮版を御経験下さい?
現場の人間はワークショップの内容以上のものを
既に日常積んでいる。既に現場に合う形に変えて、ね。
お上よ、それを体験させなければと思っているそちらが、
既に遅れているのだということが、何故わからない。
私たち現場を預かるものは、やはりズレがある、
理解されていない、お上はアリバイ作りの形だけの冊子と
研修内容で今から行うことを知っておけと
目に物見せたかっただけなのか、という感覚を
助長しただけではなかったかと思う。
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お上よ、私たちに期待するな。私達も期待しない。
期待してはならない。
予防しても、事故は起こるべくして起こる。
意外なところから起こる。知らない形で起こる。
普段から気を付けましょうと予防教育をしたとしても、
人権・安全面から教育的指導を施したとしても、
感情や感覚、価値観や認識の違いは、
常識的なものをあっさりと乗り越えていく。
理不尽で、不信に満ちた、心身傷付け合い、
下手をすれば未来も命もないがしろにするような、
今から思えばあれがそうだったのかというサインさえも
なかなか見えず読み取れはしない。
気付いた時点でのフォローさえも届かない所で、
摩擦や隠れた陰湿なやり取りが継続されて、
あらゆる場所で攻撃は行われ、仕掛けられ、
露呈する。噴出する。
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当事者が誰も助けてくれなかった、理解してくれなかったと
心の傷を抱え続けていても、医療が介入することはまだ少ない。
教育の現場で、心理的に支えるということが、
胡散臭い格好をつけたおまじないの様に、
「心の居場所」は軟弱者・はみだしっ子の特権のように、
誤解されている部分が今だに大きい。
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だから、実は色んな複雑な要因が絡まっているものでも、
起きない時は起きない。
病変そのものが自然消滅する時もある。
防ごうとしても突発で起こるもの、ナマモノは変化する。
社会的ジレンマ―「環境破壊」から「いじめ」まで (PHP新書)
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1本の苗木が植える場所によって成長が、樹形が異なるように。
私たちに必要なのは、その成長に必要な様々なことであって
剪定・追肥・散水という言葉や単語では無い。
すぐにどう動くか、どのタイミングで何に注意して、
現実に、どうアフターケアすればいいか。具体的なものだ。
欲しいのは、即対応する技術・心構え、対応を支える組織だ。
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期待してはいけない。しかし、希望を失ってはならない。
やりっぱなしでアフターケアもフォローアップも無い、
お上の研修に対して、自衛しなければならないのはこちらだ。
こちら側の世界なのだから。
期待しすぎてはいけない。期待を押し付けないで欲しい。
こういう研修を、継続してできるかどうかの方が、
ずっと問題なのだから。
私達はそれで、日々すったもんだしているのだから。
ちゃんと泣ける子に育てよう 親には子どもの感情を育てる義務がある
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