Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

期待してはいけない

世間様と離れた所で、仕事をしていると感覚が狂ってくる。
落ち込みは○倍増し、喜びも同様。ほどほどはどこに行った?
些細なことでどん底になり、あっという間に引き戻される。
そんな行ったり来たりを仕事や家庭の中で味わい続けると、
コマ切れの時間、断片化した自分、固定観念で縛られて、
我儘や期待が「どうしてなのよー?」と渦巻いていたりする。
距離を置いてみるとなかなか面白い構図だが、
当事者は自分であるだけに、客観視したあと、
ほんの少し、崖の下を覗いている気分になる。


お上の要請による出張。ある事柄に対する予防策が、
色んな角度から書かれているのだが、それは既に出版されている
その手の本から抜粋された、ミニマニュアル本のようなものだ。
要は、その本にある内容を換骨奪胎して
職場の実情に合わせて用いることで、活性化、事故防止を
目的とする、というか、そうして欲しいという要請。


お上よ、期待するな。こんなマニュアル本で研修するのは、
この仕事に就いて幾ばくも経たないペーペーだぞ。
責任者を呼びつけて、するべきことは別ではないか?
研修の内容を履き違えて一律「伝達」したことで、
アリバイ工作をしているのではあるまいな?


(とここまで書いて、膝の上の違和感に手を遣れば、
 なんと小さなムカデを素手で摑んでいてちょっとひるんだ。
 ムカデよ、お前はお上のスパイか)

知らずに他人を傷つける人たち (ベスト新書)

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モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられない

モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられない

確かに短い時間の中でするべきことは限られているから、
あれもこれも盛り込みたくなるのはわかる。
研修を主催する側を経験もすれば、人手をかき集めて打ち合わせし、
準備して滞りなく進めることが、どれだけ大変か、
じゅうじゅうわかっている。それでも・・・


少子化なのに少人数制のクラス編成ができずに、
粗悪な教育環境しか用意できないお役所仕事と同様の
無茶な研修をすることで、何の前進があるのか疑問だ。
それや焦点の合っていないプレパラートを1人5秒しか見せずに
今見たものをスケッチしなさい、レポートに書けという
無理難題と大差ない、中身の無い研修だ。


60人弱に3人付いてワークショップ、それは無理だ。
6人グループで2分で話し合ってください。
タイムアウト。逆の立場ならこれでOK?
文書購読の時間ではないので、外国の資料を横流し
日本の実情にそのまま合わせることはできない。
行政区、担当部署では受け入れ年齢も環境も異なる。

あなたは変われる―言葉や態度に傷つけられた心を救う本

あなたは変われる―言葉や態度に傷つけられた心を救う本

トップダウンで下ろすのであれば、体験型学習が一番だと
過信しているのでは無いだろうか?
それとも、モデルタイプの圧縮版を御経験下さい?
現場の人間はワークショップの内容以上のものを
既に日常積んでいる。既に現場に合う形に変えて、ね。
お上よ、それを体験させなければと思っているそちらが、
既に遅れているのだということが、何故わからない。


私たち現場を預かるものは、やはりズレがある、
理解されていない、お上はアリバイ作りの形だけの冊子と
研修内容で今から行うことを知っておけと
目に物見せたかっただけなのか、という感覚を
助長しただけではなかったかと思う。

良心をもたない人たち―25人に1人という恐怖

良心をもたない人たち―25人に1人という恐怖

お上よ、私たちに期待するな。私達も期待しない。
期待してはならない。
予防しても、事故は起こるべくして起こる。
意外なところから起こる。知らない形で起こる。
普段から気を付けましょうと予防教育をしたとしても、
人権・安全面から教育的指導を施したとしても、
感情や感覚、価値観や認識の違いは、
常識的なものをあっさりと乗り越えていく。


理不尽で、不信に満ちた、心身傷付け合い、
下手をすれば未来も命もないがしろにするような、
今から思えばあれがそうだったのかというサインさえも
なかなか見えず読み取れはしない。
気付いた時点でのフォローさえも届かない所で、
摩擦や隠れた陰湿なやり取りが継続されて、
あらゆる場所で攻撃は行われ、仕掛けられ、
露呈する。噴出する。

教室の悪魔 見えない「いじめ」を解決するために

教室の悪魔 見えない「いじめ」を解決するために

当事者が誰も助けてくれなかった、理解してくれなかったと
心の傷を抱え続けていても、医療が介入することはまだ少ない。
教育の現場で、心理的に支えるということが、
胡散臭い格好をつけたおまじないの様に、
「心の居場所」は軟弱者・はみだしっ子の特権のように、
誤解されている部分が今だに大きい。

ひきこもれ―ひとりの時間をもつということ (だいわ文庫)

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いじめの構造 (新潮新書)

いじめの構造 (新潮新書)

だから、実は色んな複雑な要因が絡まっているものでも、
起きない時は起きない。
病変そのものが自然消滅する時もある。
防ごうとしても突発で起こるもの、ナマモノは変化する。

社会的ジレンマ―「環境破壊」から「いじめ」まで (PHP新書)

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1本の苗木が植える場所によって成長が、樹形が異なるように。
私たちに必要なのは、その成長に必要な様々なことであって
剪定・追肥・散水という言葉や単語では無い。
すぐにどう動くか、どのタイミングで何に注意して、
現実に、どうアフターケアすればいいか。具体的なものだ。
欲しいのは、即対応する技術・心構え、対応を支える組織だ。

「いじめ」は必ず解決できる―現場で闘う教師たちの実践

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期待してはいけない。しかし、希望を失ってはならない。
やりっぱなしでアフターケアもフォローアップも無い、
お上の研修に対して、自衛しなければならないのはこちらだ。
こちら側の世界なのだから。
期待しすぎてはいけない。期待を押し付けないで欲しい。
こういう研修を、継続してできるかどうかの方が、
ずっと問題なのだから。
私達はそれで、日々すったもんだしているのだから。

ちゃんと泣ける子に育てよう 親には子どもの感情を育てる義務がある

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いじめ問題を見過ごさない10のポイント!!

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