Festina Lente2

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万能治療薬が欲しい

心が痛む話題が続いた今日。この数日、痛い話題が多い。
とにもかくにも、配慮が必要という事に関して、
結局は他人事なので、周囲の反応のばらつきがこたえる日々。
出てくる意見の無知・無理解・偏見。お役所仕事の書類上の手続き。
同じ部署にいながら「それはないでしょう」と頭を抱えたくなる。


たとえば、「鬱病なんて薬を3ヶ月も飲んだら治るのに、
きちんとした生活をしていない者にどうやって配慮するのか」
かなり乱暴な発言が担当者から為されると、少々凹む。
配慮が必要だと会議を持ったからとて、上の会議にメンバーがいない。
何の為に話し合うのか時間の無駄だ、とか。
・・・そのための方策を練って、進まなければならない。
この、徒労にも似た話し合いを蜘蛛の巣からガーゼに、
包帯に、添え木に、安定した状態に持っていくために。


昨年のメンバーの時は、「高次脳機能障害」について勉強会をして、
配慮の仕方を考える機会を何度も持つことができたのだが。
毎年何の計画性も無しに入れ替わるメンバーでは、
継続した話し合いや一定の配慮が確保できない。
需要はあれど、安定した供給が保証できない組織では困る。
言った者勝ちで、特権や特別待遇、配慮が得られるような組織では困る。
・・・と思うのだが、実際は温度差があって、ありすぎて苦慮する場面が多い。


システムエラー、不安定な心、その様相、その精神状態の背景、環境、
組織としての疲労困憊、行き詰まり、自他共に壊れている、
傷ついている、ボロボロにはがれている、そんな何かを継ぎはぎして、
何とか形を保っているような毎日。
組織の在り方にも、運営する人の心の綻びにも、
持ち込まれる話題の中心の心の問題にも、受け取る側の心の痛みにも、
万能薬のように修復できるものがあればいいのに。
http://tomochans.exblog.jp/6470880/#6470880_1 でも取り上げられていた
万能細胞が、万能の修復薬が、修復「役」があればいいのに。

エスカルコ゛・サイエンス 再生医療のしくみ (エスカルゴ・サイエンス)

エスカルコ゛・サイエンス 再生医療のしくみ (エスカルゴ・サイエンス)


「再生委員会」という組織もあるのだが、誰かが
「再生と言う限りは、もう死んでいるんだよね」と横槍を入れるように、
組織の壊死を象徴しているような言葉では、あるな・・・。
それでも、その痛みを引きずりながら、ある意味、
痛みを感じる暇を許してもらえないような状態で、
仕事をしている人も多いというのに、ね。


少し前に話題になった、京都大学の開発した画期的な万能細胞。
ごく普通の皮膚から再生医療への道。
特別なES細胞が無くても、拒絶反応無しに治療が可能に?
そんなものが、組織にも人の心にもあればいいのにね。
目に見えない心や組織の隙間、隠れたカリキュラムは、
どうにもこうにもフォローのしようが無い、
DNAの中の自滅因子でしか無いのだろうかと、うんざりする前に
修復機能が本体の一部から自動的に働くといいのに。


心にも組織にも必要なのは、アポトーシス (apoptosis)、
ネクローシス(necrosis)じゃないんだよ。
沈み込んでいくような、徒労感・疲労感の漂う毎日の中で思う。

セルプロセッシング工学―抗体医薬から再生医療まで

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ラーニング組織の再生―蓄積・学習する組織VS流動・学習しない組織

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そんなさなか。とあるお題に沿って話し合う研修・勉強会。
これも全く痛い話の連続で、切磋琢磨の場でなければ、
単なる隣人として聞いていたら、相手を蹴ってしまいそう。
哀しさ・虚しさを通り越して、リアルタイムのリアルな憤り、
怒りが沸騰してくるのを抑えるのが難しい。
憤りを感じ、自分を無にすることのできない未熟さが哀しい。
ニュートラルにできない事が。


もっとも、自分やグループの中に何が湧き上がり、
どんな展開があって、どう流れていくか自他共に観察するための
厳しい時間ではあるのだが、これもまたメンバーに温度差があるから、
機能することもあり、機能しない部分もありで・・・疲れる。
例えば、全く閉じている虚数空間のような状態でも、
豊かで賑やかだと表現する人の感性や感覚を
ありのままに受け止めるだけではなく、
共同作業をしなければならないとしたら、・・・。
同じ言語を話している人間なのだろうかと思うくらい、
意思の疎通に困難さを感じるから。


やっとの思いで駅にたどり着き、車を走らせると渋滞中。
どうやら幹線道路なのに、工事中だ。22時を過ぎたので、真夜中扱いか。
この時間に帰宅する人間も沢山いるのに・・・。ということで、
心の中とシンクロするように、外の世界も工事渋滞。
やれやれ、全く、もう、深夜帰宅。
掛かってくる電話は、心が擦り切れたビジネスマンの話題。


重なる。こういう時は職場も、研修も、家でも話題が重なる。
心に痛い思い話ばかり続く。直接被害を蒙る訳でもなく、
怪我をする訳ではなくても、私の心も疼く。体も辛い。
対処の仕方を知っていても、その振動を感じて揺れる。
引き込まれないようにしながらも、この期間集中する話題に
知らず知らず、または意識して、いや心ならずも身構えてしまう。
手紙、電話、職場の会議、相談事、申し送り、配慮、サポート、
どうして、みんな一気にシンクロするのか見事なほどだ。


まるで、どうにかこうにか押さえていた結界が破られるかのよう。
娘お気に入りの漫画じゃないけれど、様々な事態の収拾に、
呪文を唱えて結界を張る事ができれば、どれほど楽だろう。
どれほど、安全に作業ができるだろう。
心の、体の、組織の、目に見えない決壊を押しとどめるための、結界。
決壊を防ぐための結界。
そんな強力な万能治療薬が欲しい。

臨床心理学 心の再生と修復への援助

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