Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

ハリストス正教会にて

大阪ハリストス正教会にて、午後6時からクリスマスの夕べ。
カソリックプロテスタント、様々な教会行事に触れる機会は数あれど、
正教会のクリスマスにまみえるのは、初めての経験。
家人宅から歩いて10分の地の利。珍しくも家人からの誘い。
家族揃って、久方ぶりの祈りの場。


近畿では、大阪・神戸・京都とここしかない正教会
最も有名なのは、東京お茶の水ニコライ堂。次に函館。
大阪はマリア様を祭った聖堂のイコノスタスで有名。
大阪生神女(しょうしんじょ)庇護聖堂。
そして、モスクワで作られ100年の時を経てここにある、イコンの壁。

 


蝋燭を捧げ、薄暗い聖堂の中に佇み聖画を眺め、
喧噪を忘れ、1年を顧みて家族が無事にあることを感謝。
乳香の香り漂う香炉が、鈴の音も高らかに振られて、
時は過ぎ散会後、ささやかな夕べに招かれて会食を共にする。


The Orthodox Church in Osaka
週末家族が、久方ぶりに他の人と食事を共にする珍しい夕べ。
家人が珍しくも自分から、祈りの場へ誘ってくれた夕べ。
物心ついて初めて再び教会という場所に来た娘。
(3つまでの教会でのクリスマスなんて、覚えているはず無いものね)
数多くある、カソリックプロテスタントではなく、
殆ど見ることのできない稀な教会での、家族の祈りの夕べ。
今宵、クリスマス・イヴ。

ニコライ堂遺聞

ニコライ堂遺聞

イコンの道―ビザンティンからロシアへ

イコンの道―ビザンティンからロシアへ

クリスマスの祈りの夕べを、大阪ハリストス正教会にて。
家人宅から歩いていける最も近い教会。
単にそれだけの理由だったのだけれど、久しぶりに教会でクリスマス。
阿南にいた頃は、娘を連れて近くのカソリック教会に出向き、
子供用の「キリスト生誕」の寸劇を楽しみ、
プレゼント交換を楽しんでいたものだけれど、
草加にいた頃は公私共々それどころではなく、
祈りどころか、神をも恨んだ日々。
祈りの場を持つ機会もなく、ばたばたで時間は過ぎていき。


秋に母校を訪れて、Mastery for Service を再び思い返し
来年の自分、来年の抱負、自分にまだできることを思い返し、
胸に刻む日々。されど、日常生活に取り紛れ、押し流され、
うやむやになってしまうことが多い日々。
だからこそ、節目の日にこういう1日、時間が欲しい。


洗礼以前に、信仰が何たるかを知る前に、
娘よ、思い悩み、知恵と知識を照らし合わせるその時に、
人の力ではない何かが、自分を包んでいるのだと思えるようになったら、
自分から祈りの場を求めて生きていけるように。
強制ではなく、ただ、その場に居ることを許される、
瞑想し、祈り、許されることを、そして許すことを、
省み、涙し、また思い返し、祈る時を持つことができるように。


光は東方から。闇の中から、闇を知り、闇を抜け、
光を求め、光を愛し、また闇さえも慈しむことができるように。
娘よ。いつか大きくなった時に、
自分の祈りの場を持つことができるように。
クリスマスは祝うだけではなく、何時如何なる時も、
行事や祭りの陰には、感謝し、祈る日々があることを。
あなたはいつか知るだろう。
きっとあなたは知るだろう。

宣教師ニコライと明治日本 (岩波新書)

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ギリシャ正教 無限の神 (講談社選書メチエ)

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