Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

駆け抜ける昨日今日

慌しく過ぎていく昨日今日。
昨日ラッキーだったのは、母の通院の付き添い。
仕事を午前中で切り上げ予約時間に車を走らせれば、
思いがけなく病院は空いていて、娘の音楽教室まで自由時間が出来た。
衝動的というか、レディスデーのシネコンに飛び込み、T4を観る。
こういうのを神様からのご褒美。予定外の自由時間。


実は昨日ラッキーな事はまだあった。
病院に向かう途中、NHKの「スタジオパークからこんにちは」を聞く。
ラジオから淡々と語られる話、それは悲しく切なく凄まじい話。
夫の鬱病、闘病中の彼が後追い自殺しないように、
入院していた義母の死を伏せて、二人の間を行ったり来たり。
息子達とのやり取り、ほっとする間もなく、疲労困憊、
とうとう自分まで鬱病になりかけて・・・。


これがかつて幸せなおしどり夫婦、息子達にも恵まれ、
庶民が憧れた芸能人夫婦の老後の物語だった。
誰もが逃げることの出来ない老いと病。
彼女も例外なく、老いと病と闘い続けていた。
夫を支え、義母を世話し、よき母であろうと奮闘し、
そして気が付けば自分自身までも・・・。
しかし、健気一途の辛い日々を乗り越えて、今は夫と二人。
フリオ・イグレシアスの追っかけをしながら毎日を楽しんでいるという。


会話の途中に混じる関西弁、そう、寿美花代の語りに思わず・・・。
病と老い、家族の一大事、自分自身が後回しになり、
指の隙間から今までの幸せが漏れていく恐怖。
本で読むよりもインタビューから聞こえる声に耳を済ませた。
夜、「試してガッテン」の鬱病特集。ここにも寿美花代の姿。
1日2本の出演? それにしても、人に語って聞かせられるまで、
色々あっただろうなあとしみじみした。
それが昨日。


そして今日、午前中内勤、午後外勤、出張に出向き、
普段会わない人に会い、頭を下げ、夕暮れの町。
友人に遭い、赤ちゃんの顔を見て一服。
日も暮れる頃、ボランティアに出向いてみれば、
思いもかけない光景が・・・。

あなたの大切な人が「うつ」になったら

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家族・支援者のための うつ・自殺予防マニュアル

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部屋の片隅に山と詰まれた雑貨。普段買いたくても買えないエスニック雑貨。
何故か山と箱詰めにされて、どどん。どうしたの?
出張のお陰で、昼食夕食兼でコンビニお握りを頬張りながら訊く。
新居を構え引越した人からの処分品。バザーへの寄付。
それにしても殆どが新品。勿体無くも贅沢な話。
第二の人生を踏み出し、整理するものも多かったのだろうが、
惜しげもなく寄付して下さってありがたい。


そして思いがけない言葉。好きなものを持っていって。
? いいの? お志程度で。使って貰える方が助かるし。
娘の使うもの、私の使うもの。お洒落な布、スカーフ。小物。
雑貨屋巡りの時間もなく土日は家族の日と過ごしてきたけれど、
まさかこんな僥倖に巡り合うとは。
これも神様からのご褒美?


ラジオから流れる声に、語りに、人生の哀歓を感じ、
人生の先輩に学ぶこと多く、職場ではなかなか聞けない話に感じ入る。
仕事のことを話はしても、プライベートのことで話し合う事は少ない。
しかし、教えて欲しいこと知りたいこと、不安な事は沢山ある。
老親を、病身を、夫を、子供を、家族を、
何もかも自分に繋がる多くの事柄を、自分だけで解決していく事はできない。
ヒントが欲しい、知恵が欲しい。でも、誰も何も言わず、
仕事人の毎日、乾いた会話。
成果主義を導入されて、余裕のない毎日がひび割れていく。


なのに、不意に天の声のように人の話が耳に届き、
人の顔を観る機会が与えられ、消息を知ることができる。
いきなり自由な時間ができる。一気に現実逃避の気分転換。
娘を、家族を、自分を、一気に仕事モードから家モード。
その合間にご褒美。欲しかったもの、買いたかったものが、
ぽんと提供される。欲が深いと笑われそうだけれど、
こういうものは幾つあってもいいのよ、だって好きなんですもの。


見知らぬ土地、出張、1時間に1本のバス、初めて乗る電車、
初めての道、地図を辿り、名刺を交わし、話をして、
そんな仕事と、友人知人とのささやかな再会。
人から与えられる贅沢、人から学ぶことの出来る贅沢、
時間やモノが、労せずして得ることの出来る贅沢。
昨日今日と仕事とプライベート、ボランティアと家を行ったり来たり。
そんな中で、ふとエアポケットにはまったように、
一息つく時間がやってくる。
ありがたいこと。

手ぬいでつくるアジアン雑貨

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