Festina Lente2

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寄り添えない?

娘は連休2日目。やれやれ、今日は習い事もない。
私が仕事の間、「やったよ」「大丈夫」というだけで、
結局自分の好き勝手ばかりして終わるのだろう。
まあ、だから子供なわけで、大人のように割り切って考えて、
予定を立てて動くことができれば苦労しないのだし。


遠い遠い自分の子供時代を思い出してみて、
自由な時間を何をして過ごしていたか、定かでない。
ただ、娘よりも情報や知識に恵まれていなかった環境の分、
何か一つにこだわったり、深く考えたり、繰り返して読んだり、
それなりに充実していたように思えるのだが・・・。


ああ、こうやって説教臭い親になっていくんだろう。
年寄りじみていくんだろう、なんてあれこれ思いながら、
通勤時間孤独に過ごしている。カーラジオでニュースを聞いたり、
『ウェルかめ』を聞きながら過ごしている。
「ミナミチョウ、ミナミチョウ」と連発されると、
「日和佐」といちいち漢字変換して聞いてしまう天邪鬼の私だが、
登場人物たちの会話を聞く限り、(たどたどしかったりもするが)
かつて聞きなれた徳島の方言に、思わず懐かしさが募る。


さて、こんな風に感情移入できればいいが、
職場に若手が増えれば増えたで、心穏やかではない。
人事に関するヒアリングにうんざりもさることながら、
新人類の年代をとっくに通り越して、自分の子供の世代の
若手相手に、ひやひやどころか、うんざりしてしまうことも。
その度に、かつて私の新人時代はどのように見つめられていたのかと、
はなはだ思い出し赤面してみたり。


もっとも山のように同期はいたから、今ほど注目を浴びながら
仕事の一挙手一投足を眺められいたとは思えない。
比較される対象は沢山いたので、それなりにでこぼこも目立ち、
職場教育を背負わされた世代は、海のものとも山のものともつかない、
ひよこに毛の生えたような有象無象相手に、先輩諸氏も苦労したんだろう。
苦い思いをする度に、そんな風に考えることが多くなった。
この年になってみると振り返ることが多くなり、仕事の合間合間に、
ちょっとした心の隙間に、今までとは異なる思いがさし挟まり、
鬱々と間ではいかないものの、ビミョーに複雑な物思いが募る。

そうこうしているうちに、あっという間に時間が過ぎる。
書類整理や文書作成以外のやっつけ仕事に追われつつ、
終業後大急ぎで帰宅。キャンプ支度の娘をピックアップし、
待ち合わせ場所へ。いつものように家人に娘を頼んで、
勉強会へ向かう。本日は私がケースを提出する日。
仕事が長引いた分、30分遅刻。申し訳ない。

臨床心理スーパーヴィジョン (現代のエスプリ別冊)

臨床心理スーパーヴィジョン (現代のエスプリ別冊)



文章にして、まとめながらの違和感、流れがどこかで、
いや、本筋も何も、何かが違っている。
何かを見落としている。
そもそも、きれいな流れ、まとまりなど期待できない、
期待してはいけないはずの世界なのに、
薄皮を張ったように、オブラートに包まれたように、
自分のレポートの希薄な内容に、納得できない流れに、
どうしたものか、安易な打ち出しにどうしたものか、
不安にさいなまれながら、ケースを提出。


SVを受ける。受けることができるのはありがたい。
自分の弱点がわかる。自分の穴、ほころび、弱さ、
見逃している点、無意識に避けている部分、誤り。
今日の私は、自分が嫌っているもの。
自分が好きになれないもの、
そういうものに対する冷徹な部分、
静かに怒りながら毛嫌いしている事、
受け入れる以前に、寄り添えない部分、
努力して自分を見つめ直さない限り、
どうしても寄り添っていけない部分、
あらかじめ自分が知っておかなくてはならない部分。


そういうものに向かい合うため、仲間と共に学ぶ。
仲間と共に考え、そこで何が起こっているのか、
その時何を感じたのか、今どのように感じるのか、
自分の内部で何が起こっているのか、検討する。
波打ち際に立っている時、波を見るのか、
波を被るのか、波を見送るのか、波を数えるのか。


じたばた日常生活に追われて、仕事に追われて、
気がつけば足元が掬われてしまっている。
基本的なことさえも忘れてしまっている。
一番基本的なことさえも。
・・・この時寄り添えていなかった。
きっと寄り添えていなかったのだろうと。


ただただ受け流し、処理し、ルーティンに沿って片付ける。
あるべき型に流し込んで、当て嵌めて、そういうものだと。
そうやってまた一つ折りたたみ、積み重ね、片付けて、
終わっていくものだと思い込み過ぎていた?
寄り添えず、距離を置いたその原因は何だと?
自分の背景にあるものは何だと?


仲間がいるから勉強は続けられる。
駅を出て、残業で疲れ果てたおっちゃんのように
中華料理屋のカウンター。皿うどんを食べて、帰路に着く。
たった一人でとぼとぼと、歩いて帰る。
23時半に帰宅するかーちゃん、これでいいのか。
娘と家人にこれでいいのかと思いながら、
敷いて貰っていた布団の中に倒れこむ。
明日も明後日も、ただただ自分のために研修が待っている。

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スーパービジョン―誌上事例検討を通して

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