Festina Lente2

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思春期は迷路

休日出勤の代休日をボランティアに。買い物して帰宅は夜の11時。
何ともはや、ハードな一日になった。
しかし、学ぼうという気持ち、前向きな人々、自分自身を見つめようとする人と、
共に学び考えあれこれ話し合う時間は楽しい。特に橋のテーマは思春期。
私は思春期どころか、このところずっと思秋期なのだが。
一つの話から次から次へと思春期の思い出、それにまつわる家族、友達、
学校、きょうだい、次々に思い出されるこんなこと、あんなこと。


笑いながら語る人、涙無しには語れないという人、あっけらかんと話す人、
自分自身の体の事を考えているうちに、母は、祖母は、女性は、
一体どんな風に自分の体の変化を見つめ、受け入れ、大人になり、
年老いていくのか・・・。幼少時の自分、子供、少女、娘、女性、
母になる人ならない人、妻になる人ならない人、様々な人生の選択肢。
でも、生まれて死ぬまで自分自身の体と付き合うのは誰しも同じ。
そんな中、どんな思春期を過ごしたか、振り返ってみるのは大事なこと。


自分の思春期しか知らないのが普通、友達から色々聞いていても、
それは同世代の経験。また違う世代の経験を聞くと、
目新しく、考えさせられたり、びっくりしたり、共感したり。
懐かしくも滑稽なこと、思い込み激しい若かりし頃の思い出。
甘酸っぱいのか苦いのか、言えること言えない事、沢山あれど、
自分が通ってきた道、娘がこれから通っていく道。
母として無事に通り過ぎて欲しいと思いつつも、それは迷路。
思春期はトラップ満載の迷路だ。

思春期の子が待っている親のひと言 心が見えてくる魔法のコミュニケーション

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フツーの子の思春期―心理療法の現場から

フツーの子の思春期―心理療法の現場から



心と体の成長がアンバランスなこと。
きょうだいの有無、クラブ活動などの先輩後輩の有無、
友達と何処まで親しくなり秘密を共有できるか、
親からどんな風に知恵や知識を受け継ぐか。
自分がして貰ったこと、して貰いたかったのにして貰えなかったこと、
自分がしたかったこと、したくなかったこと、
知りたかったこと、知りたくなかったこと、
嬉しかったこと悲しかったこと、様々な思春期迷路を行きつ戻りつ、
いつの間にかそれは自分の道になり、未知から既知になり、
積み上げた階段のようでもあり、急な滑り台のようでもあり。


本の中で知ったこと、妄想逞しく想像したこと、現実に打ちひしがれたこと、
予想通りだったこと、何も意識せずに通り過ぎていったこと、
自分にとっては何でもない事が人には大変なことだったり、
冗談は御免と思っていたことが当たり前だったり。
何時、どんな時に、何を思い、何を恥ずかしく、誇らしく、
切なく、苦しく、思ったり感じたりしたのか。
遠い記憶の彼方になってしまった事が、実は周到に目立たず存在する。
毎日の生活の在り方、自分の物事の捉え方、日々の装いに紛れて、
ある時は個性という名の下に、常識という枠組みの中に、
時には家風であったり、青春の思い出だったり。


自分を守る事が、自分を表現することに繋がったり、
自分を素直に出したと思っていた事が、あけすけではすっぱ。
かわいげのあるお洒落のつもりが背伸びした生意気、
何も知らずに奥手でお子様でいた事が、かまとと扱いの憎まれもの。
自分の思いもよらない所で波風を立てていたりする。
膨らんでくる胸ばかりが希望や期待ではちきれるのではなく、
自分の変化をどのように扱い受け入れればいいのか、
誰も何も教えてくれないことに戸惑い、
何を手本に真似をすればいいのか、本の世界や想像とは異なる現実に、
体の変化と心の成長、体の成長と心の変化をすり合わせる作業。


いつの間にか思春期を意識しなくなり、いつの間にか甘苦い時を経て、
今の自分を創り上げて来た、そのどの部分が絡み合った迷路で、
何処からが迷路でなくなったのか。
人生は博打だと誰かが言ったものの、丁か半かで割り切れるような、
そんなあっさり・はっきり・きっぱりしたものではなく、
一色では塗りきれない思いのほか複雑な色合いの思春期。
ある人は晴れやかに笑い、ある人は悩ましげに変えるその姿を眺めながら、
自分を大切にする事の難しさ、思春期迷路を歩き回る気力体力、
抜け出したと思ってトラップに引っかからない知恵。
何処でどんな風に培っていくのだろう、娘は。


自分と同じ辛いこと悲しい事を経験しないか、
自分を大切に周りに流されず、自分自身を受け入れていけるのか。
取り越し苦労かもしれないが、良かれと思ってした事が、
かえって足を引っ張るのではないか、
自分がして貰いたかった事を意識する余り、先回りし、
世話を焼き過ぎ、大切なでこぼこ道坂道回り道をさせずに、
近道ばかりを探させてしまったりしないか。


参加者と共に語り学び考えながら、自分の来し方よりも、
娘の行く末の事を思う。過去よりも未来の事を思う、
あれこれと憂うかーちゃんの昼と夜。
ボランティアの一日は長く、心に残る一日となった。

思春期の「うつ」がよくわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)

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思春期・青年期への精神分析的アプローチ――出会いと心理臨床

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