Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

大雨後晴れの研修日

初めての場所に行くのに、余りの雨に打ちひしがれ、
少々暗澹たる気分になったのだが、幸い今日の研修は充実していた。
謙虚で物腰柔らかな講師の気遣いや自己開示にほっとした午前中。
いつの間にか、自分が意見を取りまとめる形になって発言。
こんな芸当ができるようになっているとは。
午後は、今まで知ってはいたけれど、新しい形で学び直し。
何十年も前にやっていたことを系統立てて、別の視点から観ると、
そういえばそうだったのねと、思い当たることのなんと多いことか。


多くのキーワード。普段使っていて知っていても、
自分がきちんと人に説明できるかどうかとなると、別。
改めて資料を貰ったり、目を通したりすると、
普段思っていることを別の人の口から聞かされたりすると、
思い当たることが多々あったり、正論なのに違和感を感じたり、
予想外の意見に出会ったり、さもありなんと頷く事もあり・・・。


午後は新進気鋭の研究者と思しき人の、丁寧なプレゼンテーション。
会話も巧みで指示も的確、事例の紹介も抜かりなく、
ビジュアルな資料から、自己開示を含めた例示、緩急自在に進む。
こういう講義に参加しながら目と耳と心をフル回転させていると、
自分が賢くなったような気がする。
エネルギッシュに何でも勉強できるような。
気分が高揚するってこういうことか、そんな感じ。


もっとも、内容としては明るい話題ばかりではなく、
結構シビアな話題が多いのだが、それでも明るい気持ち、
前向きな気持ちになれ、自己嫌悪に陥ることなく
これからの仕事のプラスにするヒントを得ることが出来る。
これは、この講座を引っ張った人の力量、影響力だろう。

丸1日降り続いた雨もようやっと上がった。
夕刻、3日ぶりに娘に逢う事が出来る。
そう思いながら、家路を辿る。
3日間で今日が一番まともな一日。
お上からの仰せではなく、自分で選んで学ぶ内容に満足。

癒しと励ましの臨床教育学

癒しと励ましの臨床教育学


初めて来る場所。
かなり広い施設のようで、じっくり観て回る余裕もない。
卒業生に今話題の作品『告白』の作者がいるのか、
宣伝も兼ねてディスプレイがある。
しかし、図書館を覗く時間さえない。
びっしり研修では仕方が無いことなのだが、やはり残念。
それにしても、広いなあ。当たり前か。

  


大きなウワモノに慣れていない生活なので、
こういうところに久しぶりに来ると、迷子になった気分。
贅沢な空間がどれだけ活用されているのか、今ひとつ疑問だが、
実際これくらいの余裕があって初めて生まれるものもあることを
知っているだけに、学びの場の環境は必要だろうが・・・。
今時の若者がどれだけそれを認識しているだろうか。

  


何気なく階段で寛ぐ姿、緑の木陰、具象抽象の彫刻。
そういうものを目にしながら、実生活では意識しない所に目が行く、
これが出張や研修の醍醐味だなあと3日間を振り返る。
お上は即効の成果を求めるが、ソフトウエアに当たる人間の、
精神的な環境を察して欲しいよなあ・・・。
擦り切れたハードと不安定なソフトが一緒になっているような、
そんな毎日では、何かが剥落していくばかり。


だからこそ・・・。
綱渡りのような毎日だからこそ、モビールのような日々だからこそ、
束縛されずに学ぶ時間を確保したいのに、
首に縄を付けられて、毎日を過ごさなければならない。
「したい・やりたい・やってみたい」ではなく、
「決められ・やらされ・させられ」感から脱却したい。
そう思いつつ、家路を辿る。
考えたことや感じたことが「こなれる」までの時間が欲しい。
ひたすら、そう願いながら。