Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

昼休みの東寺

研修で京都に来ている。
大阪から京都は近いと思っている人もいるかもしれない。
そんなことは無い。京都は広いし、大阪だって狭いようで広い。
縦長の大阪の端っこから京都の中央までは結構ある。
京都は観光都市として偉大過ぎて、複雑すぎる。
JR・近鉄・京阪・阪急、様々な路線が入り組んでいる。
地下鉄もバスもある。大阪とて同じかもしれないが、
馴染みの無い土地に沢山の交通手段があり、
普段行ったことが無い場所に研修に行くのは、
かなりのエネルギーを要する。
それも、二日間続きの研修となると。


よって、同じく大阪から出向いた知り合いなどは宿泊している。
満員の通勤電車の乗り継ぎで、普段とは異なる道中、
疲れ果てては研修中、身が持たないということだろう。
私だってお財布が許せばそういうこともしたいし、
ちょっと贅沢を味わってもみたい。
しかし、のっけから旅行気分に浸れない。
まず、朝から娘をキャンプに送り出す。これが一大事。
久しぶりの4泊5日。連休中に泊まった所と同じで、
娘はやる気満々の大はしゃぎ。大学生のリーダーに預け、
踵を取って返し、一路京都へ。


スルットkansaiを有効に使おうと、少し冒険してみた。
滑り込んできた地下鉄にそのまま乗り込み、終点生駒まで。
西大寺経由で京都へ。奈良行きとは異なる初近鉄路線を堪能。
そして地下鉄で目的地へ。一反電車に乗れば日焼けせずに済むが、
地下鉄を出てから会場までの距離が、何と遠く感じることか。
そして、場内よりはどちらかというとロビーの方がはっきり聞き取れる、
講演内容。まあ、仕方が無い、こういうこともあるか。


社会学者、山田昌弘氏の話、予想よりも遥かに軽く、
何だか肩透かしを食わされた。それで終わりなの?
面白い語りよりも、もう少し違う内容を期待していたのに。
笑いを取る工夫が為され過ぎて、芸人感覚のしゃべくりだ。
パラサイトシングルや婚活という言葉を生み出した人だが、
研究者というよりも話の上手な人、特別の語句に意味を持たせて、
印象付けるのが上手な人という以外、感銘は受けなかった。
だからどうするのか、問題解決に至る方法論を検討するのではなく、
事象をある側面から切って見せているだけ、そんな感じ。
だから話を聞いていると、so what? で終わってしまった。

ワーキングプア時代

ワーキングプア時代

「婚活」現象の社会学 日本の配偶者選択のいま

「婚活」現象の社会学 日本の配偶者選択のいま


昼休みが2時間あった。向こうに五重の塔が見える。
東寺だ。冬に家人と京都を歩いた際、見ることが叶わなかった。
思わず歩いていく。見えているのに意外と遠い。
門まで辿り着き、拝観しようとすると俄か雨に降られて、
入り口の小さなお社で雨宿りする羽目に。
結局外側からだけぐるりと見て周り、じっくり拝観は今度に。

 


お盆を控えて夏らしいお供え物が目立つ。南瓜や西瓜がでんと置かれ、
何とも骨太な親しみやすさ。街中のお寺さんの感じとはこういうものか。


それに祈りに欠かせない線香や蝋燭は見慣れていたが、
この寺ではこういう蝋燭を使うのだろうか、
それともお盆の季節だから蓮なのか、
初めて見るこんな蝋燭。

 


さすがに雨がやむと観光客がどっと増えた。外人さんも多い。
もう少し雨が降った方が庭園はしっとりし風情になったか。
猛暑で乾燥した葉色の木々が気になる。
池の亀は悠長に泳いで日向ぼっこをしていたが、暑くは無いのか。


逆向きから回って見学したので、冬に辿り着いた入り口に最期に着き、
ぐるりと大回りして会場に戻ることになった。
もっと時間が欲しかったが仕方が無い。昼食タイム兼東寺観光。
息は良い良い帰りは怖い。帰り道は早く感じたものの、
距離は結構あって、戻るのに疲れてしまった。

 

午後は精神科医岡田尊司氏の話。スライド活用と話のバランスがよく、
初心者でもわかりやすい内容となっていた。
例示、具体例の展開、キーワード、対処法、淀みない穏やかな話し振り、
なかなか臨床の場、現場に即した内容で、良かった。
何冊かの参考資料を買い重たくなった鞄をえっちらおっちら。
会場の像、道筋にある京都らしい作品に目を向けながら、地下鉄へ。

 

まだ日は高い。というか、夏の日は長い。せっかくの京都。
夕べを楽しむのはこれからだ。

パーソナリティ障害―いかに接し、どう克服するか (PHP新書)

パーソナリティ障害―いかに接し、どう克服するか (PHP新書)

社会脳 人生のカギをにぎるもの (PHP新書)

社会脳 人生のカギをにぎるもの (PHP新書)