Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

醒めてきた自分

またこのパターンなんだな、と醒めてきた自分。
勉強するのは楽しいけれど、仲間と過ごすのは有意義だけれど、
勉強も仲間と過ごす時間も、自分の毎日からやりくりする時間。
そして、参加することに意義があるとはいえ、
研修や合宿のお知らせがあるたびに、ビックリする。
如何してこんなものに参加することが出来るだろうかと。


たかだか1泊2日の研修にひと月の給料の3分の1を注ぎ込んで、
どうやって生活していけば?
無論だてに年を取っているわけじゃないから、
決して払えないというわけじゃない。
キャリアアップの資格や起業に必要な知識を身につけるためと
せっつかれたり、より実力をつけるために
先進的なアメリカのプログラムを取り入れてと促されたり。
それは分かる。大切なのは分かる。
しかし、頭ごなしに宣伝されても素直にお値打ちとは思えない、
余りにも高価。
直接アメリカに出向いて勉強するよりも、お値打ちなのかもしれないが。


要は受験塾と同じで客商売。無料公開テストで呼び込み、
いつの間にか前向きな塾生に仕立て上げるのと同じ要領。
いつもどこでも、同じ内容を同じレベルで学べるわけではない。
あの手この手で次々にハードルを高くして、情報を小出しにして、
今はこれが、次はこれが主流だ新しい考え方だ、
栄養プログラムだコーチングだ、NLPだと吹っかけられる。
やるかやらないかはあなたの選択。
そう迫られて、やらなければ今しかないと思わされるのは当たり前。


結婚や出産、色んなことが重なって勉強をやめ、学会をやめ、
子育てだけに専念しようと思ったかつての自分が馬鹿だったのだ。
居場所を持たずに引退しようと、何故思ったのか。
余りにも高年齢出産だったから?
子育てに自信が無かったから?
家人が半年も入院したから?
親が認知症になったから?
自分の外に原因を求めるのはたやすい。


でも、金銭的に厳しくなってきている今、
これが自分のための先行投資になるのか、全く先行き不明だ。
何故なら、私には店開きなど出来るはずもなく。
家と職場の往復の中で、仕事の精度を上げるために、
自分に納得できる形で仕事が出来るように、
折れた翼を鍛え直す時間を捻出するのがやっと。


思い切った自己投資と積極的に学ぶ意欲が無いのは、
自分に見切りをつけているからと言われれば、確かにそう。
自分のミッションを納得できていないからといわれれば、
ぐうの音も出ない。反論は出来ない。
何事も中途半端なまま、
プロとしての域に達していないじゃないかと言われれば。


でも、私は醒めている。お得よ、と渡される奨学金チケット。
無いよりはましかもしれない。特典があるということは、
学ぶ気持ちに火をつける、引き金を引く、ジャンプ台になる。
でも、それでまんまと引き寄せられてしまうのが、
何となく後味が悪くて、学ぶ気持ちに純粋になれない。

人を巻き込む、商売としての学びの組織は、
遣り甲斐や生きがいは金銭と引き換え。
普段私が時折参加するようなボランティアではない。
人の生き血を吸うような計算された「あくどさ」が見えている。
それが、見え隠れしているので、私には付いて行けなくなる。
もっと知りたいという気持ちがあるにしても。
もっと学びたいという気持ちがあるにしても、
収入をついばむ投資には、消極的にならざるを得ない。


私は既に醒めている。
ここから動けないでいることに。

復活の力―絶望を栄光にかえたアスリート (新潮新書)

復活の力―絶望を栄光にかえたアスリート (新潮新書)

勇気がもらえる145の言葉 トップアスリート22人はそのとき……

勇気がもらえる145の言葉 トップアスリート22人はそのとき……