Festina Lente2

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裏方に徹する

この忙しい時期にとは思うけれど、大体物事は重なる。
研修計画を立ててきたこの5年間、裏方に徹して
講師に出来るだけ話しやすいように、いい所を持っていって貰う、
そういう技も出来るようになってきた。何もわからない頃は、
ベテラン講師にあれこれお願いし、こちらの要求内容を伝え、
題材を料理して貰って、みんなで賞味させて頂く・・・、
そこまでの過程が結構大変。何もかも初めてだしね。
ある程度まで知られた完成品なので、まあまあお口に合いますか知らん・・・。
しかし、肝心の研修担当シェフが新人で、初めて人前で料理するとなると話は別。


お膳立て経験をある程度まで積んでいることのいい所は、
それこそ一から会を練り上げ、構想を立てて、プレゼンを作っていけること。
初めての講師に初めての経験をして貰う上で、低くかがんで高く飛んで貰う、
その踏み台になることが出来るようになったということは、我ながらめでたい。
研修の計画は創り上げるのに苦労はするが、ひとたび形を作ると応用が利く。
どんな風にパワーポイントを使うか。何の説明に何分ぐらい掛けるか。
どんな資料を配るか、そのタイミング。人を当てるか当てないか。
指名する場合の心得。話題の持って行き方。


何だか教育実習生を持って居るみたいだな。
修論のレジメ発表会みたいだ。
そんな雰囲気を思い出しながら、何も出来なかった昔。
多少心臓に毛が生えて、色々お手津台出来るようになった今、
もう少し早く、こういう事に慣れていたらもう少しどうにかなったか、
仕事を振り返りながら、年を取るのも悪くない。
後輩の指導を、育成をする仕事も悪くないと思える、
数少ない貴重な一瞬。本日は本番。
頑張ってね。


うまくいかない自分から抜け出す方法

うまくいかない自分から抜け出す方法

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裏方に徹する。どんなに発言したくても、私が説明したり、
補足を入れたりしたら何にもならない。
知らない振りを全面的にするのは難しいが、それが大事。
人の反応を見、流れを読んで、合いの手を入れるように、
一対多の研修の場、人に向かって話をするとはどういう事か、
おいおい慣れていって貰わなければならない。
専門家の集まりの学会でもない、ポスター発表でもない、
何も知らないことを前提に、興味を喚起し、思い当たることを連想させ、
実生活の中でどのように取り入れていくか示唆し、
自分で調べて活用できるような道筋を残しておく、それが肝要。


こんなふうに、「人を育てる仕事」をしたかったのかも知れないな。
そんなふうに感じた今日。もっとも、専門的な内容だからこそ、
今まで自分が学んできたことも役に立つし、双方の立場がわかるからこそ、
アドバイスも出来る、流れを読むことも、予測を立てることも。
もっとこんな仕事ばかりだったら楽しいかしらん。
いやいや、今回はたまたま上手くいっただけ。
行かない場合もあるし、講師と相性が悪いとスムーズに交渉もままならない。


ファシリテーター・トレーニング―自己実現を促す教育ファシリテーションへのアプローチ

ファシリテーター・トレーニング―自己実現を促す教育ファシリテーションへのアプローチ


話し合いの中で一つのものを創り上げて、いい形で提供できる。
それが小さな火種となって、どこかで静かに燃え続けていってくれれば、
嬉しいのだけれど、なかなか若い人には根付きがたい。
必要だと知る頃には、新しいやり方を学ぶのに億劫になり、
ボロを出さないように保守的になったり、知ったかぶりをしたり、
自分には必要ないと思い込んでみたり突っ張ったりしてしまう。


知らないことを知るに遅くはないのだが、一国一城の主を決め込むと、
なかなか専門から離れることも出来ず、知らないことを知る意欲がないことへの
言い訳探しばかりが上手になっていってしまう。
何歳になってもどんな立場におかれても、知らないことを知るのは、
繋がりを持つこと、作ること、視野が広がること、楽しいことだ。
無条件に何もかもいいことばかりではないのは当たり前だが、
将来役に立つとわかっていることを、将来まで取っておくのではなく
今、身につけておかなくてはならないということを、
人は忘れがち。自分で望んだ研修ではない、職場の研修だとサボりを決め込む。
自腹を切らない人間は、それが外部で有料だとどれくらいの価値のあるものなのか、
深く考えようとはしない。与えられた立場で満足してしまう。
というか、手一杯だと決め込んで動かない。


自分が犯してきた失敗が、今の自分を作っている。
でも、出来れば、同じような失敗を後輩達にはして欲しくない。
時代が違うからといっても、学ぶこと、知ることの基本は謙虚に試すこと、
その場に臨むこと、見て聞いて話してやってみるしかないのだということを、
実感して欲しい。だからこその研修企画、研修の場。
自分が矢面に立たなくてはならに時は苦しいが、黒子は思いのほか楽だった今年。
もしかしたら年々、そうなるのか。


しかし、見守るのは難しい。実践の場で、口を出さず、見守り続けることは。
改めて、今振り返ると自分は何と無知だったのだろうと赤面の至り。
それでも黒子に徹するのも楽しい。やりがいのある裏方は楽しい。

エゴグラム実践マニュアル-自己成長エゴグラム(SGE)と対処行動エゴグラム(CB-E)-

エゴグラム実践マニュアル-自己成長エゴグラム(SGE)と対処行動エゴグラム(CB-E)-

プロ研修講師の教える技術

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