病み上がりの雛祭り

娘共々インフルエンザに倒れてしまい、昨年のようにお飾りを出す元気も無く、
雛祭りの当日がやってきてしまった。
当然のことながら、今年は甘酒も雛あられも何もない。
殺風景なことこの上ないこの日に、重い体を押して、
いや、引きずって結婚式に行く。天気は晴天。
この上なく素晴らしい､春らしからぬ青空が広がる。

よろよろ女装する。いや、女装というと誤解されそう。
久しぶりにスカートというか、礼服を着る。
病み上がりのぼーっとした顔に化粧を施しても、
化け損なった狸のような心許ない気持ちばかりがこみ上げる。
何とも場違いな所に来てしまった。しかし、招かれて非礼はならぬ。
体調は回復傾向にあるものの、100人から居並ぶ式場で、
どうにもこうにも寛ぐことなど出来そうにない。
ああ、全くもって。

同じテーブルには、非礼ならずとも心ないことばかりを訊いてくる輩。
恨みは抱きたくないが、何とも心なき話題ばかりに終始、心折れまくり。
逢いたくはない人、顔を見るのも嫌な人、声を聞くのも腹立たしい人、
そんな中にあって、浮き世の義理を果たさねばならぬ。
ただただ、花嫁の幸福を願う。されど、集う人への思いは別だ。
世の付き合いは、ままならぬ。
若き二人の門出を祝う気持ちはある。
しかし、式の挨拶には頭痛を催す内容も少なくはなく。

それでも雛祭りにちなんで、二人が入刀するケーキは菱形。
ひな人形が飾られている･･･。

会社の序列と個人情報がないまぜになった盛大な式に圧倒され、
かくも見事に晴れ渡った空の下、まだ2次会があるという若人たちから離れ、
何とか戦線離脱の状態で、式場を後にする。

夕刻、重い体を引きずって勉強会へ。
礼服から普段着に着替えたものの、いつもよりめかし込んでいるので肩が凝る。
勉強会の夕刻、夜は疲れはあるものの、頭は興味関心優先。
しかし、立ったり座ったりすると、目眩がしそう。
昼間豪華な昼食を頂いたが、夕食抜きではさすがに22時前疲れが・・・。
新しくできたエスニックな店で、とりあえずお腹を満たそう･･･。