Festina Lente2

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夜の光と009

体調が不安定なのも相まって、仕事からの逃避傾向強し。
おまけに歯が痛いというか、絶対ばい菌が入ったというか、
親知らずのクラウンを外したまま、様子見って、
歯が割れているのに? このまま?
この違和感、どんどん募ってきているから受診したのに、
不安が一杯。


『夜の光』坂木司を読む。なかなか好みの作品だった。
『和菓子のあん』に引き続き、この作家二作目読了。
今の生活から脱却すること、「明日」を夢見る高校生は、
隠密の如きしなやかさで本心を隠しつつ、
親や教師、同級生をやり過ごして真の自分を守らねばならぬ。
そんな青臭くも懐かしい切羽詰まった心境と
仲間意識に溢れる作品、切なくも共感できるものが詰まった
味わいのある楽しい作品だった。読後感も爽やか。


それに比べて、本日アニメの中で永遠の高校生、
孤独な戦いを続ける彼の暗さと来たらどうだ。
常にメンテナンスと心の支えだった科学者の、
老いたのか、迷ったのか、信じられない行動は・・・。
煙に巻かれたまま、終わってしまったこの映画は、
日本のSF名作アニメの金字塔を何処に持っていこうとしているのだろう。


夜の光

夜の光

和菓子のアン

和菓子のアン


意を決して見に行ったレイトショー。『サイボーグ009』。
憧れの少年は憂い深く、憧れの女性は熟女過ぎるなまめかしさ。
友情に厚い天翔る青年は敵となり、沈着冷静で頼りになる存在は、
いつの間にか姿を消し、誰が見方で誰が敵なのか、
分からないまま異次元に飲み込まれていく、この展開。


全く従来のキャラクターデザインとは異なる今風の世界に
失望するのはわかっていたし、覚悟もしていたけれど、
かくも無残にぶち壊されているとは・・・。
参った。
アニメオタクのディティールこだわりまくり、
重箱の隅ほじくったあげく全体像大ぼかしみたいな
「駄作」に仕上がっていて、ただただ唖然。


今の世代にはこういう雰囲気が受けるのだろうか。
個性あるそれぞれのキャラクターが、今風に解釈されると、
こんな風に肉付けされてしまうのだろうか。
余りにも違いすぎる。
デフォルメではなく、リアルになった人物像というが、
そうだろうか、どうだろうか?


でも、見ないでおこうと思っていても、
小学生の頃から憧れていた世界にどうしても未練、
毒を食らわば皿まで。
そんな心境で見てしまった、よ。
ああ、空しいなあ。

SOUND OF 009 RE:CYBORG

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