夜の光と009
体調が不安定なのも相まって、仕事からの逃避傾向強し。
おまけに歯が痛いというか、絶対ばい菌が入ったというか、
親知らずのクラウンを外したまま、様子見って、
歯が割れているのに? このまま?
この違和感、どんどん募ってきているから受診したのに、
不安が一杯。
『夜の光』坂木司を読む。なかなか好みの作品だった。
『和菓子のあん』に引き続き、この作家二作目読了。
今の生活から脱却すること、「明日」を夢見る高校生は、
隠密の如きしなやかさで本心を隠しつつ、
親や教師、同級生をやり過ごして真の自分を守らねばならぬ。
そんな青臭くも懐かしい切羽詰まった心境と
仲間意識に溢れる作品、切なくも共感できるものが詰まった
味わいのある楽しい作品だった。読後感も爽やか。
それに比べて、本日アニメの中で永遠の高校生、
孤独な戦いを続ける彼の暗さと来たらどうだ。
常にメンテナンスと心の支えだった科学者の、
老いたのか、迷ったのか、信じられない行動は・・・。
煙に巻かれたまま、終わってしまったこの映画は、
日本のSF名作アニメの金字塔を何処に持っていこうとしているのだろう。
- 作者: 坂木司
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/10
- メディア: 単行本
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (39件) を見る
- 作者: 坂木司
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/04/20
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 44回
- この商品を含むブログ (67件) を見る
意を決して見に行ったレイトショー。『サイボーグ009』。
憧れの少年は憂い深く、憧れの女性は熟女過ぎるなまめかしさ。
友情に厚い天翔る青年は敵となり、沈着冷静で頼りになる存在は、
いつの間にか姿を消し、誰が見方で誰が敵なのか、
分からないまま異次元に飲み込まれていく、この展開。
全く従来のキャラクターデザインとは異なる今風の世界に
失望するのはわかっていたし、覚悟もしていたけれど、
かくも無残にぶち壊されているとは・・・。
参った。
アニメオタクのディティールこだわりまくり、
重箱の隅ほじくったあげく全体像大ぼかしみたいな
「駄作」に仕上がっていて、ただただ唖然。
今の世代にはこういう雰囲気が受けるのだろうか。
個性あるそれぞれのキャラクターが、今風に解釈されると、
こんな風に肉付けされてしまうのだろうか。
余りにも違いすぎる。
デフォルメではなく、リアルになった人物像というが、
そうだろうか、どうだろうか?
でも、見ないでおこうと思っていても、
小学生の頃から憧れていた世界にどうしても未練、
毒を食らわば皿まで。
そんな心境で見てしまった、よ。
ああ、空しいなあ。
009 RE:CYBORG(1) (ビッグガンガンコミックススーパー)
- 作者: 麻生我等,石ノ森章太郎,神山健治,Production I.G,サンジゲン
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2012/10/25
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
- アーティスト: 川井憲次
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2012/10/24
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 19回
- この商品を含むブログ (9件) を見る