Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

間欠泉シンドローム

哀しいことに、保育園時代と違って娘に「怒る」ことが増えてきた。
教育的配慮のもとに、冷静に「叱る」であれば、
自己嫌悪に陥らなくても済むのであるが、日々「怒る」である。
何がって、それはもう些細なことなのだが、結局「子は親の鏡」
自分が至らないから、子供もそうなる。悪い所は似るものだ。
いい所ばかりが似てくれれば問題ないのだけれど、
「生活習慣」においては、劣性遺伝が優勢。
習うより慣れろの世界では、実に当たり前。


連休も終わりを迎えた夜の8時過ぎ。
そろそろ娘のおやすみなさいの準備をせねば・・・。
研修をかろうじて終えて、熱と寝不足でふらふらのかーちゃんが
夕飯を食べる元気もなく、へたり込んでいる炬燵の横に
娘が何やらノートを抱えてやってくる。
宿題。それも、一時間そこらでは出来そうにもない量の宿題。
単純に出来そうにもない宿題。
親に訊かないと、絶対に出来ない内容の宿題。
何故、今頃持ってくる?


金曜の晩にも時間はあった。土曜の晩にも時間はあった。
日曜日は1日中時間があった。月曜は午前中時間があった。
土曜の午後からは、とーちゃんもいた。
なのに、何故、今頃宿題を、全く白紙の宿題を持ってくる?
そもそも、宿題があったなんて、何で今頃、言ってくる?


ただでさえ、体調が悪い。ただでさえ、疲れが溜まっている。
虱騒動以来、グルーミングでくっついている娘と距離を取りたいくらい。
とーちゃんは自転車・映画・外食と、いいとこ取りだけして、
躾やピアノの練習や宿題はかーちゃんだけの仕事かい?
叱る役目、見張る役目、憎まれ役は、全部かーちゃんの仕事なのか?!
何で、今頃、宿題があるなんて、言い出すんだ?

パーフェクトペアレント

パーフェクトペアレント


かーちゃん切れました。間欠泉の如く、瞬間湯沸かし器の如く、
暴発した銃の如く、爆竹の如く、爆発。
体調が良くて、お腹も空いていなくて、研修も順調にこなして、
とーちゃんがある程度まで見ていてくれて、
「仕上げだけごろうじろ」というのならば、ともかく。
最悪のコンディションで、何の引継ぎもなしに、
全部私任せとは、どういうことよ。


そうです、私は二重に怒っています。娘と家人に。
宿題をぎりぎりまでしなかった娘。遊ぶだけ遊び倒して、
後は私に押し付けていった家人に。
家人の言い分は、私が半日研修に行った、でしょう。
でも、掃除・洗濯・食事の用意は全て私がしています。


午前中、「僕は何もすることがなくて退屈だ」という
彼の台詞を聞いた途端、心の中で殴ったのは言うまでもありません。
「じゃ、お布団干してね」(言われなければ、わからんかい)
フルタイムで働いて、家事も完璧という人を私は尊敬します。
私には、とても出来ない。私は片付けものや整理整頓が苦手。
本は積読書(つんどくしょ)。
「立って半畳寝て一畳」の生活が出来ず、
その辺に物を積み上げていく人、なのです。


しかも、欲張り。家族だけで毎日を過ごすことはできない。
家人が病気になった時から、私はかつて諦めた勉強を再開し、
本業とは別の世界を広げて縫い合わせ、大きな袋に風をためて
いつかは空を飛ぼう、違う景色を見に行こうと決心してしまったのです。
だから、休日だから家の片付けだけ
    家族と過ごすだけでは満足できない、
我侭で、欲張り、なのです。


そして、私だけに「育児や生活の負担がかかっている」と感じさせる
家人に対する様々な感情を、今日という今日は抑えられなかったのです。
娘が「自分にかまってくれ、るかーちゃんの時間が少ない」と感じていて
意図する意図しないに関わらず、くっついてくるのを
私が「娘にきちんとかまっているだろうかどうだろうか、虱事件も含めて」と
自分を責めて落ち込んでいるいないに関わらず、


「することがなく退屈」と呟き
「金にもならない勉強をやめろ」と口に出し、
おやすみなさいの時間に「宿題」を持ってくる娘に対する
「ぷっつん」した怒りを抑えられなかったのです。


哀れなのは、たった一人、能天気な味方もいないまま
白紙のノートを手にうろうろする娘。
家人は私に娘を渡し、自分のアジトへ帰っていきました。
切れに切れても、宿題をさせないわけにも行かず、
気まずい重い空気の中、空白を埋める作業が続きます。
食欲もなく、熱もあって私は意識も朦朧。
おまけに、こんなふうにぎりぎりに宿題を切り出すような娘に
育ててしまった自分に対しても、自己嫌悪がこみ上げてきます。


あたしの躾け方が悪かったんだ。
あたしの育て方が悪かったんだ。
あたしが半日家を空けたから、きちんと見てあげる時間が足りなかったんだ。
あたしがきちんと自己主張できる子供に育てられなかったんだ。
あたしがちゃんと自立した生活が出来るように仕立てられなかったんだ。
あたしが連絡帳を隅から隅まで点検していなかったから悪かったんだ。
あたしが遊びに行く前にしつこく「宿題はもう出来たの?」と点検しなかったから、
あたしがDSで百マス計算なんかにうつつを抜かさせたから、
あたしがピアノの練習だけを見て、宿題を娘任せにしていたから
あたしがきちんと家人に「宿題を見るように」頼まなかったから
あたしが・・・


かーちゃん、限界です。咳は出る。熱はある。気分は悪い。頭痛はする。
自分の仕事は仕上がりどころか、
アイディアも浮かばず締め切りに間に合うかどうか、
こういう情けない自分の状態と娘の状態がカブって、更に逆上。
とめどもなく、間欠泉の夜。
怒りと自己嫌悪と情けなさの源は尽きる所がありません。
煮えたぎった湯にまみれてズル剥けになっていくのは、
一体誰だというのでしょうか?
身も心も休まることのない、間欠泉の夜。

キレないための上手な「怒り方」―怒りたいのに怒れない、怒ると人を傷つけてしまうあなたに

キレないための上手な「怒り方」―怒りたいのに怒れない、怒ると人を傷つけてしまうあなたに

  • 作者: クリスティンデンテマロ,レイチェルクランツ,Christine Dentemaro,Rachel Krantz,ニキリンコ
  • 出版社/メーカー: 花風社
  • 発売日: 2000/12
  • メディア: 単行本
  • クリック: 2回
  • この商品を含むブログ (5件) を見る
キレない心を育てる!

キレない心を育てる!