Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

娘は水泳の試合デビュー

台風が来ていなければ、駅に朝の6時に集合だった。
幸か不幸か、台風のお陰で8時に水泳教室から連絡、
8時半に集合、出発と相成った。
いやあ、かーちゃん朝起きられるかどうか心配だったから、
出発の時間が遅くなって内心ほっとした。
娘がスクールの内輪の大会とはいえ、デビュー戦。
残念ながら研修と重なってしまった。
地下鉄に乗り換える駅でお別れ、頑張ってね。
行ってらっしゃい。


他の選手の子供達と一緒に、電車の座席の娘を見送る。
何だか自分の知らない子供のようだ。
男の子女の子、背の高い子小さい子、
ほっそりした子に、少しふっくらしている色白の娘。
電車の中で手を振る娘を見送る。


コーチやみんなと、どんな時間を過ごすのだろう。
飛び込み台から、どんなふうに水の中に入っていくのだろう。
ちゃんとターンできるかな、50m泳ぎ切れるのかな。
かーちゃんは取り越し苦労なのかもしれない、
心配性なのかもしれない。
でも、娘がどんどん知らない世界に行くのを、
誇らしいような寂しいような。


という訳で、娘は50mの平泳ぎとバタフライに出場するため、
みんなと旅立って行った・・・、ちょっと大げさだけれど、
そんな感じ。水泳の試合ですと・・・。
何とまあ、大きくなったことか。

ことばのパズル もじぴったんDS

ことばのパズル もじぴったんDS


娘の試合を見てくれるように、家人に頼んである。
私はこの日・月どうしても外せないワークショップ。
丸1日試合の会場には付いていられない。
もっとも、選手は1階のプールサイドで観客は2階だから、
行っても声を掛けられるという事は無いらしい。


それぞれの水泳教室で応援合戦やゲームがあったり、
かーちゃんの知らない色々なことを経験して、
どんなに小学校2年生の胸は、わくわくドキドキするんだろう。
練習試合とはいえ、間近に個人メドレーが見られるって、
どんな感じなんだろう・・・。


朝の地下鉄、連休の地下鉄、日曜の地下鉄、
台風の余波か思いの外、人が少ない。
定刻より早めに着けば、会場の準備中。
あらら、少し気負いすぎてしまったか。


台風が逸れて行ってくれて良かった。
大型台風をバックに「喪の仕事」を中心とした、
メモリアルカウンセリングの研修なんて、
ちょっとなあ、今一つ。
自分の心の中にも色々あるから、整理しておかないとね。


今、失われつつあるもの、既に失ってしまったもの、
もはや帰って来ないもの、これから失うであろうもの。
人、物、思い出、時間、経験、環境、ペット、
対象喪失―失う対象は数限りなくある。
喪の儀式、セレモニー無しで消えていくものも、
意識されずに無くなるものも。


けれど、今日、試合に出かける娘と共に、
私の心は、新しい経験新しい未来に「窓口」を持つ。
自分の中の若さの喪失は、娘の成長に繋がる。
永遠に失われるものは、目に見えない何かに、
または目に見える何かに変化していくことを私は知っている。
産み育てる中で、得るもの失うもの。
仕事を続けていく中で得るもの失うもの。
生きて生活していく中で、得るもの失うもの。


日々、刻々と、心と体の「相と次元」の変化の中で、
変転する、移ろう、やるせなさ、切なさ、物悲しさ。
嘆いても帰らぬものを、取り戻せぬものを、
覚悟して見送らねばならないものを、
そして、いつかは自分自身さえも失うことを、
時間の中に刻みながら、その時まで生き続ける。


今、見守る立場も、やがては見守られる立場になる。
諸行無常と諦観するのか、万事塞翁が馬と達観するのか、
どんな生き方を選ぶかは、自分自身の課題なのだが、
もはやこれは臨機応変としか、言えないなあ・・・。
そういうことを考えながら、1日が過ぎる。


一足先に帰宅して待っていると、「ただいま」と元気な声。
年齢別級別に泳いで、3人中3位。ふふふ。
今回は好タイムでの出場というよりも、
進級して試合に出られる級になったお祝い出場。
上のクラスの選手の中で、よく頑張った頑張った。
一人っ子ゆえ、今のうちに色んな経験をして欲しい。
恥ずかしがったり臆する前に、色んな経験を。
かーちゃんの願いは、娘の健やかな成長。


娘に大甘の家人、頑張った娘に感激して、
ご褒美に、DSのソフトを買ってあげたらしい。
サンタが持ってきた「100マス計算」は足し算だけ、
引き算ができていない。「時雨殿」は制覇したようだけれど。
なのに今度は、「もじぴったん」と「読みトレ」ですか。
なんとまあ、親子で夢中になって・・・。


台風が逸れて行った日、
試合で疲れて早く寝てくれるかと思いきや、
夜11時過ぎまで賑わっていた我が家。
やれやれ。


喪うことよりも、得ることの多い日々。
娘といると、そういう気持ちにさせられる。
マイナスに向かいがちな自分の視線、自分の気持ち、
心の水平線を波立たせるものが、
穏やかに凪いで行く、夜更け。
・・・ワークショップは明日も続く。

豊かさとは何か (岩波新書)

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対象喪失―悲しむということ (中公新書 (557))

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