Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

氷解待たるる

古来、東風解凍(はるかぜ こおりを とく)といわれた立春
しかし、今朝方も寒かった。節分の夜からの大雨、
春の雨と思えばいいのかもしれないが、朝方は冷え込み、
体は絶不調。この間まで殆ど何も感じてなかったのに、
冷えて冷えて仕方が無い。
立春とは名ばかりで、最も寒さ厳しい2月。
旧暦とのずれが、はなはだしい2月。
何かと年度末に向かって気忙しく、心せかされる2月。


家人の会社では明日「新年会」だそうで、怒りのメールが。
何で今頃新年会なんだ、松の内春節も節分も終わってから、
どうして新年会なんだー、だそうで。ネーミングを変えれば、
宴会の中身が変わるというものでも無いけれど、
「如月の集い」や、「立春パーティ」にして欲しかったのかな。
先週であれば、春節宴会で良かったのにね。


古今集紀貫之の和歌に曰く、
「袖ひぢて結びし水のこほれるを 春立つけふの風やとくらむ」
係り結びだけのシンプルな歌だが、観念的で3つも季節を読み込み、
技巧的な歌と高校時代に習った和歌。確かに、貴族の遊び心満載。
実感を前面に押し出す万葉調とは異なり、思い出を思い返して想像、
記憶を掘り起こして反芻、そういうふわふわとした希薄な物思い、
よく言えば理知的、悪く言えば説明的な和歌。


平安時代は今よりもずっとずっと寒かった季節。旧暦の時代。
暦の上での立春、春の風が氷を溶かすのを夢見るのは、
貴族の夢想ではなく下働きのリアルな願望だったかも。
用意していた水が凍ってしまうなんてことは、屋敷内でも当たり前。
暖かい綿布団など無い頃、お互いの衣を被って眠っていた時代。
当時の人々はどれだけ寒さに強かったのだろうと、逆に感心してしまう。
何事も「慣れ」とはいえ、手あぶりの火鉢だけが暖房設備。
「ぬるくなりゆるびもていけば 白き灰がちになりてわろし」という、
毅然とした美意識のもとでは、朝寒くて冷え性でお腹の調子が・・・
なんて会話は出来ませんね。


それこそ後朝の別れのムードがぶち壊しになってしまいます。
寒くても、「今日の春の風が氷を溶かし始めているよ」なんて囁いて、
世間話の一つもするのが、貴族のたしなみ、日常会話、
優雅で洗練された季節の推移を愛でる朝の一こまだったでしょうか。
私なんぞは地球温暖化が懸念されている日本のど真ん中、
雪も降らず積もらずの大阪にいて、流氷に囲まれた気分で生活。
寒くて寒くて仕方が無いのですが・・・。

日本の古典をよむ(5) 古今和歌集 新古今和歌集

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暦に見る日本人の知恵 (生活人新書)

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今も今とて、からだが氷のように冷たい。
夜明け方いつも目が覚めてしまって、朝まで熟睡できない。
今週、人間ドック以降不調です。ドック以前から始まっていた膀胱炎? 
それともやっぱり婦人科関連? 今まで体の芯が暖かかったのに、
2月に入ってから急に燃え尽きた蝋燭のように、寒くてたまらない。 
先月の娘の看病疲れというわけでも無いのに、ちょっと体がふわふわ。
人間ドックで色々言われた土曜の夜から、毎日お腹を壊している。
登校拒否の子供のように、「お腹が痛い」状態。
お腹に来る風邪? 吐き気や頭痛は無いけれど、
体の全てが自信を失くしている、そんな感じ。脱力。


本日「ためしてガッテン」の生放送、緊急番組。
熱の出ないインフルエンザがあると知って、びっくり。それも、
中高年から高齢者にかけて多い、熱無しインフルエンザ。
高齢者では実に半数がこのタイプとか。
おまけに、体力が無いから熱が出ないのですと。
丈夫で体調がいいから、高熱も出ずに回復するわけではないんだ。
うーむ。高齢者と免疫疾患、消化器疾患を抱えるうちには、
有難くないことだ。


幸い歯磨きで防げると、口腔ケアの重要性を説いている。
ふむふむ。確か肺炎の予防、美味しく食事を噛んで食べる為にも、
最近の口腔ケアは著しく進歩、活躍中・・・と思いながら、
TVを見ていた矢先、娘と食後のおやつを食べていた。
板チョコ、半分こ。その途端、歯内治療科で診て貰っている、
奥歯の詰め物、仮歯が取れた。先週末に義歯を失くし、
今週は仮歯が外れ、まさに何も食べるな、カロリー摂取禁、
内外から叩かれているような状況。
この2、3日は体が冷え切り熟睡できず・・・。


内科で貰った膀胱炎のお薬の副作用なのか何なのか、
風邪か冷えか、とにかく食欲は余り無く、
お腹は調子悪く、朝の寒さが心にも体にも響く感じ。
明日も二つ会議、明後日は出張と予定ばかりが気になって仕方が無い。
年度末、会議を開く、別の会議の報告、案件をまとめて更に持ち帰り、
その行ったり来たりが、資料をどう展開するか胃が痛くてたまらない。


頭のいい人は考えても考えなくても、会議の結果は同じだから、
悩まないで寝ているのだそう。
最初から一緒に考えたりする気はなくて、形式的にスルー。
しかしその一つの会議に持っていくために、陰でどれだけの処理を、
プレ会議を、資料作りが必要か。・・・ため息。
こういう時、何も考えずただの兵隊だったら楽か? 
なんて夢想してしまう。逃避モードに陥ってしまう。


ああ、夜明け。春立つ今日の風よ。溶かして欲しいのは、
解消して欲しいのは、流氷に囲まれた気分の私の気持ち。
不安定な体調。痛い下半身、腹痛、冷たく、痺れる足、
食べることに苦痛や罪悪感を感じる、今の状態、
歯の具合。口の中の故障。
頑ななる母の心。
滞りがちな仕事。
エトセトラエトセトラ。

暦に見る日本人の知恵 (生活人新書)

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