Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

自由研究って?

本日は長月の七日。
よくよく考えてみると、9月最初の月曜日。
幸か不幸か娘はとっくに給食が始まっていて、6時間授業。
先週も給食はあったけれど、午前中短縮授業。
午後は体育館などで夏休みの作品展示会があったらしい。
見に行きたくても行けないのが、働いている親の辛いところ。
自由研究優秀賞の発表もあります、らしいのだが。


同じ市に住む同僚からも先月も尋ねられた。
「夏休みの宿題の出し方がおかしくないか」と。
彼曰く、宿題というものは、例えば国語の漢字ドリル、
算数の計算ドリル、理科の観察日記、社会の見学体験記、
図画工作の絵1枚、もしくは工作一つ。
低学年では絵日記、中高学年では読書感想文。
こういうものが定番の夏休みの宿題だろうと。


なのに、小学校からのプリントでは、
絵・工作・自由研究・読書感想文いずれかを仕上げること。
となっていたので、どれか一つさえすればいいという事になる。
もっとも、国語と算数のドリル宿題はあったらしいが。
子どもの側からすると、最低限の宿題で済まそうと思えば、
絵を一枚描くことらしい。楽、ということか。
しかし、それではいかんだろうと不満顔の同僚。
息子が怠けて夏休みだらだらすごすことになるという。


私が疑問に思ったのは、低学年は宿題が少なくてもいいと思っていたが、
中・高学年でも同じような傾向なのが気になった。
それに自由研究というのは、その名のとおり自由研究なのだから、
何を調べても研究してもまあ、いいわけだ。
絶対理科をしなければならない、実験に基づくデータを必要とする、
そんな縛り、制限、定義はないわけだが・・・。
体育館で優秀作品として展示されていたのは、理科関係ばかりだったらしい。


その話を聞いて、何だか違和感。
それならば、理科以外の勉強や体験、そういうものの扱いは?
夏休みにしかできない体験は、理科的なものとは限らない。
それなのに、評価の対象で優劣がつけられる自由研究は、
ほとんどが理科だったと聞いて、嫌な気分に。
それなら最初から宿題に明記すればいいものを、
何も書かずに提出させておいて、どうして優劣を付ける?

自由研究図鑑―身近なふしぎを探検しよう (Do!図鑑シリーズ)

自由研究図鑑―身近なふしぎを探検しよう (Do!図鑑シリーズ)

小学生の自由研究 科学編―実験・観察・工作

小学生の自由研究 科学編―実験・観察・工作



市内で市民文化祭、市内小中学校理科展、新年書道展、
何だかんだと色々な催しがあるが、どのようなルートで開催されているか、
学校任せ、市民団体任せでちっともわかっていないかーちゃん。
大体にして、こういうものは指導する側の熱意によるものだから、
どのように支持してヒントを出して、モチベーションを持たせ、
取り組む下地を作っておくかどうかで、子どもたちの反応は変わる。
理科的な取り組みというのをお仕着せでやっても、興味を伸ばすことは難しい。
発達年齢に応じて、身近な工夫の斬新さ、発表方法の形式、
指導の仕方で、子どもは素直に前向きに取り組むものだ。


今年から展示が始まったのか、以前からあったのかわからない。
とにもかくにも、作品展示に関して娘からあれこれ聞いたのは初めて。
娘の言い方で言うならば、「努力賞が貰えただけでもまし、
いい研究だなと思った理科の発表でも何も貰えない子もいるもの」とのこと。
理科的な研究をしてきた子達は、いったい何を?
その何例かを聞いてみると・・・。


抜けた自分の歯を数本使って、ジュース類に漬けてどんな風に変化するか、
(溶けていくか)観察したもの。
食パンに色んな食べ物の汁をつけて、どれが一番早くカビが生えるか。
プチトマトやひょうたん、糸瓜の観察日記など。
なるほどねえ・・・。
高学年の子の研究はもっと複雑だと言って、あまり解説してくれなかった。


思うに1学年6クラスもあると、展示品を選抜するだけでも担任は大変。
どの子も1点ずつとなると、絵や工作は適当に選びやすいけれど、
理科的なものは優劣がはっきりしやすい。
社会や国語などは研究の形にならないものが多い。
感想や体験記レベルは、自由研究の主流ではないから。
でも、理科的なものに取り組ませたいのならば、はっきりと明記して、
ハードルを設定してやればいいのに。
なぜそれがいけないのだろう。


巷には実験キットやお手本グッズが沢山売っている。
それに頼らず何かを工夫してくれば、それなりに評価。
それでいいとは思うけれど、抜き打ちのように何も書かず、
「理科」的自由研究だけ特別扱いは、腑に落ちない。
かといって、隣の市のように夏休みなのに硬筆も毛筆も作品提出。
これもハードだなあとは思うけれど。


宿題とは関係ない生活を送っている大人だけれど、
毎日が目に見えない宿題のプレッシャーに追われている、
そんなかーちゃんのちょっとした雑感。
え? 娘の自由研究の万博公園パビリオンスクラッチ
最近の教科書では世界の国々を教えない。
地理も地理らしいことをやらない。
これだけグローバルだ、インターネットだというのに。


だから、意識して地球儀の上から飛び出して、
広い世界を意識させたい。その手始めが、万博。
仮想空間に町を立てる、作るというゲームよりも、
現実の世界には何があるのか、どんな国があるのか、
山が川が海があるのか、意識させることが必要だと感じている。
自由研究は、夏休みだけじゃない。
毎日が、家の中の毎日が本当は自由研究じゃないと、
ね。


理科だけが自由研究じゃないと思うのは、
自分が文系出身だから? 
聞き取り、テープ起こし、分析の仕方は人それぞれ、
エスノグラフィー、写真の羅列、定点観測、
いや、だから、何でもいいけれど、
よくよく考えてみたのだけれど、曖昧に宿題出すなら、
「理科」って限定しないで、夏休みの自由研究。

お父さんが教える 自由研究の書きかた

お父さんが教える 自由研究の書きかた

おとなの自由研究

おとなの自由研究