Festina Lente2

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上機嫌でいることが作法

娘のDSソフト『トモダチコレクション』のMii達は、
流行のツィッターの呟きではないけれど、何かとのたまう。
単なる独り言、呟きの時もあれば、こちらへの問いかけも結構ある。
「今が良ければいいと思いませんか」
「はっきりいって自分が好きです」
「寒いので出来るだけ外に出たくないです」
なんてぶつぶつ言っているのを見ると笑えるのだが、
「あなたは人の成功を喜べる人ですか」なんて問いかけられると、
思わずドキッとしてしまう。


似たような問いかけに「人の幸せを喜べる人ですか」もある。
これに関しては、小心者でジェットコースタームービーならぬ、
ジェットコースター気分の日常生活を送る私としては、
いつもイエスとは言えないから複雑な気持ちになる。
若い頃よりも人を羨む気持ちは減ったし、「羨ましいなあ、
いいなあ」と呟いてみても、苦いしこりになって沈む頻度がましになった。
もっとも心に残った苦い思い出、傷、トラウマと呼ばれる次元に近いものは、
消えて無くなるものではないので、記憶のレコードが回り続ける限り、
音飛び・雑音、ノイズ付きの思い出をご丁寧にも再生してくれて、
アナログ人間の融通の利かなさを、これでもかと思い知らされる。


そういう忘れてもいい事、忘れたい事はしっかり長期記憶に残っているのに、
肝心なこと、予定表に書き込んでいることを忘れたり、読んでいてもスルー。
シロがいなくなって1週間、人と会う約束は忘れる、逢うつもりで出かければ1週間後、
変更したパスワードを1日で忘れて職場のパソコンが開けない、
こんなつまらない(いや、つまらなくはないのだが)ボケボケ度忘れが続く。
日常生活に亀裂がというような大げさなものではなく、
誤って漂白剤が飛んで色落ちした着古したTシャツの如き、脳内曼荼羅
記憶と思考と理性が途切れ途切れになっているよう。


心と体は連動しているので、噛み噛みが出来るようになってきたと思ったら、
歩けないほどのかかとの痛みは頻発。夕方が近づくにつれ、
左右の足の長さがどうも違う。ほんの僅かな差かもしれないが、
姿勢からか骨盤の位置がずれてきて、うまく「着地」できない。
かすかなバランスの狂いが、足を引きずる痛みにまでになる。
やれやれ、肩凝りと言い、足の痛みといい、からだの左側は鬼門。
そんな今日、ふと目にした金田一秀穂へのインタビュー記事。
なかなかさらりと言えない事を、言ってくれる。

上機嫌の作法 (角川oneテーマ21)

上機嫌の作法 (角川oneテーマ21)



クイズ番組でよく見かける先生。いわずと知れた国語学金田一、一族。
その先生が、インタビューに答えているのだが、
当たり前の要でなかなか人には出来ないことを、さらりと言ってのける。
さすが金田一先生、といえばいいのか、何というか。
例えば、「大人になれば若い頃の悩みなんて何でもなくなるし、
解決方法も知っている。力も経験もあるし、曖昧だって楽しむことができる。
(中略)世の中には解決の出来ない問題というものが山積みにされていて、
それをわざと解かずに持っておくことのほうが、ずっと大切だったりもするんです。
それに耐える力があり、曖昧を楽しむことができるのが「成熟」。
大人だからこそできるんですよ。」


なるほどねえ、曖昧さを楽しむこと、か。
しかし、こと痛みに関していうと、「痛みと付き合う」こと、
自分の不全感満ち満ちた身体性を受け入れて生活を維持するという事は、辛い。
一見、何の不具合もない健常者の如く、にこやかに過ごすというのは。
仕事で抱え込んだ、2次被害、2次障害のような物を溜め込む事が続くと。


そして、金田一先生は続けてのたまう。
「みんな同じように苦しみを抱えているんです。
 でも、それを上手に隠しているだけ。
 もう少し『機嫌のいい』ことをマナーとして確立すべきだと思うんですよ」
なるほど、言ってくれるわー。


若い頃とは異なり、運の良し悪しに限らずそれぞれが抱えている問題。
家族、個人的なこと、仕事、公の席でのこと。
自分が世界、世界が自分のように感じる時代は去った。
だからこそ大切なマナー。機嫌よく過ごすということ。
口でいうのは簡単だけれど、なかなか、そうそう出来ることではない。
ほんわかムードの漂う金田一先生、言ってくれる。


何気ない一言。けれど、今日はいつもに増して心に響く。

気持ちにそぐう言葉たち

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Dr.金田一&柴田理恵のことば診療所

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てっちゃんの家人からの何気ない、こんなメールも今日は嬉しい。


「読売新聞のサイトを見ていたら
 阿武隈急行電鉄(旧国鉄丸森線)で「GO!角田切符」が売れまくっているらしい。
 JR四国徳島線の「学」駅の入場券5枚セットが「ご入学」ということで
 この季節になると良く売れているのと同じだね。
 南海高野線の「学文路」駅の入場券も良く売れるらしいです。」


宮城県角田市は両親の故郷だ。世知辛いご時世、
宮城県人2世のルーツが、縁起のいい話題になっているのが嬉しい。
こんな話題でちょっぴり元気付けられる自分が哀しい。
そんな今日。

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