Festina Lente2

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雨の松葉杖

心配していた通り、この日、朝から雨が降った。
というよりも、夜から降り続いた雨は朝になってもやまず、
雨足もなかなか落ちないまま、降り続くことになってしまった。
大体嫌な予感というのは当たるものだ。
せっかく退院した日は雪も降らず、いい天気。
昨日、単身赴任先に送っていった日も、いい天気。
なのに、首を繋ぐために診断書よりも早く出勤する心意気も虚しく、
朝から雨、雨なのだ。


タクシーぐらいは呼んだだろうか。
無理せず贅沢してくれればいいのだが。
両松葉杖で久しぶりの出勤、それでも仕事が出来る、
自由に(かなり不自由でも)出かけられる日常を取り戻したことは、
家人にとってはとても嬉しいことなのだろう。


長期入院、怪我に手術に自宅療養に、小さい頃から病気慣れ、
怪我慣れしている家人とその家族の神経に、
少々理解に苦しみ、付いて行けないことが多い私たちだが、
縁があって一緒になってしまったのだから仕方がない。
半ば呆れ、半ば諦めながら好きなようにすればいいさの心境。
されど、本当に出勤した途端に滑って転んで二次災害、
再び骨折するのだけはやめてよ、頭は打たないでよ、
そう祈っている私の気持ちは通じたのだろうか。

雨の名前

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さすがに朝からの雨にタクシーを呼んだそうだが、
一台も捕まらなかったらしい。
というよりも、どれぐらいの時間に呼ぼうとしたのか、
たたき起こされない限り起きない休日の家人、
時々単身赴任中寝過ごさずに仕事をしているのだろうかと、
不安になったことも一度や二度ではない。
案の定、こんな不首尾で出勤は雨の中両松葉杖で、
駅までとぼとぼ歩いて行ったという。OH MY GOD!


なのに、部長が席を取ってくれて傘を差してくれて、
ランチを奢ってくれた余などと嬉しそう。
おまけに会社の行事に出掛けて、タクシーに相乗りで帰って来たと。
やれやれ、こちらの心配も知らずに本人は(不)自由を謳歌
心配しただけ損したような気持ちにさえなってしまう。


いやいや、こういう家人だからこそ、
神様は私にお与え下さったのだろう。
同じように気に病み落ち込みへたれるような夫婦では、
にっちもさっちも行かないと、割れ鍋に綴じ蓋、
これくらいが丁度いいと娶せたのだろう。
そう思うしかない。


朝から雨が降っていた。
世間では「雨降って地固まる」という。
地面でなくて、早くくっついて欲しいのは、
家人の大腿骨転子部。
こけるなよ、松葉杖の雨の月曜日。
再スタートの月曜日。

何をそんなに心配しているのかね?

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