Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

霜月を噛みながら

パソコンに「噛まない」と書いて貼っておくようにと、
歯科医に言われた私。・・・いやはや。
さすがにそれは実行していないが、「噛んではいけない」、
「噛み締めてはいけない」「歯と歯をかちかち噛み合わせてはいけない」
絶えず心の中で意識していないと、無意識に噛み締めてしまうことが多いのは確か。
それがストレスというものなのだろう、無くて七癖。


噛みます、噛みません、噛む、噛む時、噛めば、噛め。
いやいや、こんなことを言っている場合ではない。
頬の内側にくっきり入っているこの線を少しでも薄く小さく、
ずきずきする噛んだ瞬間の痛みをどうにかせねば。
そう思いつつ、1ヶ月近く経つ歯科治療の甲斐があったのか、
一昨日、家人が持って来てくれた少彦名神社(すくなひこなじんじゃ)、
道修町の神農さんの新しい笹の葉飾りが霊験あらたかだったのか、
ほんの少し痛みがましになってきたような。
(以前神農さんにお参りした記事はこちら→http://d.hatena.ne.jp/neimu/20091123/1259771055


いや、仕事、電話、書類、娘のピアノの発表会、企画研修だ、
何だかんだと予定が立て込んでいたのが、日にち薬同様、
予定を消化して、ほっとしたからなのか、
噛み締めないように噛み締め過ぎないように意識したせいか、
痛みが少なくなってきて重畳重畳、気持ちが幾分和らいでくる。


頑張れかーちゃん、師走は目の前。ますます忙しさ倍増。
けれども、やらねばなららぬ事は、やらねばならぬ。
年末どころか年度末に向けて、今が助走の時なのだ。
だからこそ、噛み締めすぎてはならぬ。噛んではならぬ。
自分に言い聞かせつつ、霜月11月は暮れていく。
師走に向けて晩秋の色を濃くして行く。


職場の桜も紅葉して散り始めた。
通勤路の公孫樹はこの気候のせいか、いまだ散り遅れている。
家族揃って紅葉狩りということもなく、過ぎゆく季節。
それぞれの予定や、それぞれの思惑が折り重なる。
家族の歴史は季節を紡ぐのに似ている。
その折々の移り変わりの中で、食い縛り、噛み締め、
はたまた疼く痛みに痛み止めを煽り、
時として、マウスピースを必要とするかも知れない今。


思い出を噛み締め過ぎないよう、歯を食い縛り過ぎぬよう、
時間をやり過ごす、世間を、仕事を、諸々の事を、
移ろい行く全てを、受け入れ難いことを、受け容れ易いことを、
様々な出来事を、そして最も御しがたい自分自身を。
そんな秋の日の週末。
来週の今頃はもう12月。

十一月の扉 (講談社青い鳥文庫)

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記憶の小瓶

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