馴染みの店は - Festina Lente2

転勤となるとランチがてら積もる話をお別れついでにと、
そんな機会も増えるのだが、残念ながら馴染みの店、
行こうと思っていた所は改装されて、
世間では流行っているのかハワイアンホットケーキの店に。
ああ、最近ではパンケーキの店というのだろうか。

それにしても、ハワイ風でもバリ風でも何でもいいが、
「ホットケーキとパンケーキは違います」と、デカデカ。
それほどの違いを挙げることが出来るのかどうか･･･。
大阪でパンケーキ如きのランチに、飲み物も別で、
1000円以上するなどと、この田舎でどんな了見？
と思いたくなるくらい、残念なメニューの数々。
以前のイタリアンレストランの何が悪かったのだろう？
けっこう流行っているように見えていたのだが。

我が家で家族の誕生日のために使っていたレストラン、
焼きたてのパンが食べられることで有名だった店は、
それほど不入りとも見えぬ様子だったのに、
これまたどういう訳かドーナツの店になったのだった。
しかし、予想通り1年もしない間に閉店。
何が嬉しゅうてドーナツなんぞに血道を上げようか。

珍しいから買いもするが、駅まででも何でもなく、
車でないと来られないような場所にドーナツ。
お茶なんて、家でも出来る。
メニューの種類が少ない場所で、食事も出来ず、
こんな不便な田舎の都会では不便極まりない。
余程のことがないと固定客は付かない。

そんなわけで、お手軽価格でランチを楽しめるような場所、
ちょっとディナーでも使いこなせた店が無くなり、
一見華やかで若い人向けだけれど、決して安くはない。
そして料理下手でも分からないバイトでまかなえる、
そんな店が増えてきた。
二極化しているのかな、器も料理の味もそこそこ。
安かろう悪かろうの店、もしくは高そうに見せかけても知れている店。

そんなわけで、閉店改装リニューアルオープンが胡散臭くて、
昔のままの方が良かったと思える飲食店が増えてくる春。
別れの挨拶を交わさなくても、お別れだな、この店。
リピーターでは来られないなと思いながら、
開店祝いの花々を眺める。

製粉会社からの花も飾られている。
社名があちらこちらの花の山。
企業は企業でこういう努力が販促の代わりになると、
分かっていての演出。はぁ･･･。
こんな田舎の所までやって来て、まさかねえ。

遅々として後片付けが終わらない。進まない。
私一人が盛大に気に病んだ所でどうなるものでもない。
それにしても、気が進まないのか
やる気が出ないのか、どうしてこうも片付けが進まないのか。
馴染みの店はどうして春先に去年も今年も消えていくのか。

自分も転勤で消えていく身なのを、
新しい職場で果たしてきちんと持ちこたえることが出来るのかも、
不安になって来ているこの頃。
何と弱気な･･･。
あと1ヶ月すれば誕生日。
年を取るごとに新しい環境に慣れるのに時間が掛かる。
さて、この転勤は吉と出るかどうか。
吉とせねばなるまいになあ。