Festina Lente2

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娘はピアノの練習中

今、娘がピアノの練習をしています。曲名は「ベニスの謝肉祭」
昔、子供の頃翻訳童話や小説を読んでいた時、
この「謝肉祭」という言葉の意味がよく理解できませんでした。
何しろ、肉に感謝するってどういう事よ? です。
カーニバルなんて単語を知ったのは、小学校高学年か、それ以上。


一生懸命練習しているものの、まだ音符が上手に読めていない。(怒)
模範で弾いてやっても、しばらくすると楽譜が読めないので手が停まる。
この繰り返しです。だんだんかーちゃん苛々してきます。
どうして右手と左手と別々に練習しないのか、
どうして声を出して歌えないのか、
どうして、楽譜を暗譜するのに、楽譜は読めないのか
もう習い始めてほぼ丸3年になろうとしているのに??


という訳で、娘にとっては謝肉祭の曲の練習は、
キリストの難行苦行とまでは行かなくても、
いつもより、ご機嫌斜めのかーちゃんに付き添われて、
緊張の時間となります。自分がサボり倒して平日過ごしていた事が
ばればれの恐怖の時間になってしまうからです。
(練習が出来ていれば、ビクビクしなくてもいいのですけれどね)

ピアノ弾き語り ゆうがたクインテット ピアノアルバム

ピアノ弾き語り ゆうがたクインテット ピアノアルバム



自分自身は聴音が苦手で、なぜ和音が聞き取れないかと
幼い頃、母親に随分叱られたものでした。
音の名前と響きとが一対一対応に認識できて、
きちんと答えられるような利発な幼稚園児ではなかったのです。
絶対音感だなんて、とんでもない世界です。
かろうじて長調短調の違いは明確にわかっていましたが。


ただ、指使いの通りに弾けば音は広がり、
いつの間にか様々なメロディになる面白さで、
ピアノを弾く楽しさは増していった様に記憶しています。
それでもバッハのインベンションには泣かされたものでした。
私にとっては中学生になっても、四苦八苦の難行苦行でした。
曲は好きなのに弾けない弾きこなせないというのが、傷つくんです。


そうです、ピアノは体育会系の指の動きを必要とします。
感性で音を聞き分けられたり、曲の雰囲気を摑んでも何にもならない。
楽譜通りに、次に自分が感じた通りに弾きこなしていかなければ、
曲は自分のものにはならないのです。
たとえ、それがどんなに短くて簡単な曲であろうとも。


訓練の賜物で指は動くし、一瞬で楽譜を読み取れるようになるし、
更に才能があれば初見で弾く事ができたり、
長い曲も暗譜OKという事が可能になるのです。
沢山の曲を聴き、実際に指で弾き、体に叩き込まなければ、
自由自在に弾けて楽しい音楽の世界は、広がらないのです。
ピアノ用の運動神経というものに最初から恵まれている人は
本当に羨ましい・・・。
                            

さて、いわゆる分散和音が難しいのか、
右手と左手の練習が別々に出来ても、
なかなか上手く合わせる事ができません。
もはやかーちゃんに怒鳴られて、半泣き状態です。
何故、こんなに厳しく練習させているかって?
明日がレッスン日だからです。
厳密に言うと、横に張り付いていないと練習しないから。


大好きな自転車の練習や、(乗れるようになったばかりで楽しい)
大好きな水泳、読書、縄跳び、剣玉、自分からできるもの。
しかし、CDを聴きながら歌を歌ったり、
自分から振付けてダンスをする割には、ピアノは今一つです。
大好きだった教室の先生が産休でお休みに入ってからは、
ますます練習に身が入らなくなってしまいました。



あんまり口うるさくいうのは好きではありませんが、
この頃、サボり癖が目に余るようになってきたので、
嫌でも強権発動で、「お稽古の時間」を作らなくてはなりません。
仕事が忙しかった期間、子供のことですから
「お母さんがいなくても練習したよ」と自己申告で済んできたのが、
どの程度の練習だったか、言わずもがなの「でき」。


ここで、かーちゃんが仕事から早く帰って来られなかったから
練習不足は仕方が無いから甘めに見るべきなのか、
しつけの問題で、もう少しきちんとスモールステップの目標を
良心的にこまめに設定するべきなのか、
まだまだ小さいのだから仕方がないと諦めるべきなのか。


               
え、もちろん娘をピアニストにしようなんて、考えている訳ありません。
そんな無謀な大それた考えを持っていたら、
近所の音楽教室なんかに入れないでしょうね。
勉強を付きっ切りで教えるなんて芸当も出来ないし、
そんな時間もありません。


たまに早く帰って来れた時に、娘にとって恐怖の大魔王のような
(好きでこうなりたい訳ではありませんが、
 優しいお姉さんにはなりようがありません)
ピアノの先生になる月曜日です。

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