Festina Lente2

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女たちはどこにでもいる

WSF2007ナイロビ−ダボス会議のこちら側」と題した
報告会、勉強会に参加した。分厚い冊子、丁寧な報告内容、
100枚を越すスライド、現地のパンフレット。
報告者は すぺーすアライズ 麻鳥澄江さん 鈴木ふみさん。


毎日を仕事に家庭にかまけて、世界なんぞに目が届かない。
のほほんと過ごしている人間にとっては、目からウロコの世界状況。
世界社会フォーラムがナイロビであった、なんてことも知らない生活。
今日のテーマは、「女性の人生と性・堕胎罪のある国をなくしたい」


男女共同参画などという言葉でうやむやにされていても、
世界の富、財産の99%は男性が所有されている。
望まない妊娠の為の堕胎が許されない国は、まだ沢山ある。
妊娠させられた女性が石打ちの刑で死刑になるのに、
妊娠させた男性は鞭打ちのみで、後は咎められない。
(つまり死ななくていい)


宗教や生活習慣から行われる残虐な風習が、
女性の人権どころか、人生そのものを奪っている現実、
それは、知ろうとしなければ知ることができない世界。


教育は、誰の視点から語られているものなのか。
私という存在を作り上げているのは誰だというのか。
医療・保健は何のために強制介入や隔離を必要とするのか。
いつまでどんなふうに生きるかを決めるのは、何だというのか。
人権はまがい物で、自己責任の名の下に選択が強制される。
希望を持って生きるということは、今現在のシステム、
納得できない社会構造に対し、行動を起こす自由があるということ。

女の遺言―わたしの人生を書く

女の遺言―わたしの人生を書く


現場で色々あって、自分の仕事の本分は何なのだろうと思う。
本分にだけ関わっていたい、メインの仕事だけとも思う。
専門職であるはずが、実際には使い回されているだけ。
もはや「死に体」の兵隊の上前をはねるが如く、
管理職は号令だけで部下が動くと思っている。
口先だけの指針を述べるだけで、実践に対するアドバイスも無く
死者累々の上を「大過なく」進んでいると思っている。
それが、現場だ。静かだろうが大荒れだろうが、
私達は、とどのつまり、一兵卒にしか過ぎない。


管理職とその候補者は、「命令を下す」ことが出来る立場になれば、
何かが変えられると思い上がっており、
何をどのように変えるかという具体案を持たない。
それは、現場の兵隊の仕事であり、
自分達は組織の中で命令を出すことが、仕事だと思っている。
昇進すれば、正しい的確な命令を出せると思っていること自体、
大きな誤りだとは思わずに、一兵卒でなくなった自由を満喫するが如く、
机上の空論を繰り出して、非生産的な計画に着手する。
職場にあるということは、勤続で働き続けるということは、
そういう矛盾のやりきれなさを抱えて、
忍の一字で生きていることに似ている。


女性であるが為に、強いられることがある。
女性であるが為に、不可能なことがある。
女性であるが為に、手に入れられないものがある。
女性であるが為に、認められないことがある。
女性であるが為に。


女性で管理職である人は、男性より遥かに持つべきものを持たない。
その確率が高い。もしくは失っている場合が多い。
男女同権といわれている職場でさえも、実際はそうだ。
時間的にも物理的にも、やらねばならぬことの内容に差がありすぎる。
それが、現実。そして、その差は、男女の差。


相談を受ける側も相談をする側も、教育を受ける側も施す側も、
知らないことが多すぎて、知らないでは済まされないので、
手探りで何かを学ばなくてはならない。
私には切実に抱えていることが多すぎる。
職場の中でも、家庭内でも。
仕事内容、自分のやりたいこと、それ以前に、家族の抱える問題。


だから、誰かに、次の誰かに伝えていくために、学ばなくてはならない。
様々な立場や物の考え方があることを。
娘だけではなく、1人でも多くの若い人に伝えていくために、
昔の、以前の、何かで習ったことだけではなく、
今の、現在の、起こっていることを通じて学ばなくてはならない。


修辞の元に、隠されている様々な出来事。
新自由主義、Globalizationという愚弄ばらいぜーしょん。
不可思議な非論理的な反動(バックラッシュ)の背景。
ファンダメンタリズムHIV障がい者、妊産婦の死亡、FGM。
アフリカで起こっていることは、日本には全く関係が無いなんて、
蓋をして隠しておくなんてことはできない。
だから、伝えることができるように、学ばなくてはならない。

ドキュメント 女子割礼 (集英社新書)

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イスラーム世界の女性たち (文春新書)

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学ぶことが多すぎて、未消化で終わっている部分が多い私。
でも、何も知らないでは通り過ぎることができない。
私が、伝えられる時間は限られているから。
知ることができる時に、知っておかなければ次の機会は得られない。


小さな蝶でも集まって群れて飛べば、大きな海も越えられる。
龍になって、飛ぶことができる。だから・・・。

メンデ―奴隷にされた少女

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生きながら火に焼かれて

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あなたが守る あなたの心・あなたのからだ

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