タイムマシンがあったなら

冷え込む朝、目覚ましできちんと起きてきた。偉い。
お気に入りのキティちゃんの長袖を着込んだ娘。
でも、襟ぐりが延びていて、下着のシャツがチラリと見える。
もう一つのお気に入り、コロコロくりりんの柄に着替えるが、
やはり、襟元が。ちょっと残念そうな娘。
新しい長袖出してきて着せてやる。

こっちは学校じゃなくて、お家の中で着ようね。
まだまだ着られるから、大事に着ようね。
畳んだ長袖を頬擦りして仕舞おうとしたら、
娘が尋ねた。「お母さん、このお洋服好き？」
―かわいいお洋服だもの、好きよ。

「お母さんが子どもの頃、こんな服無かった？」
そう、かーちゃんはキティちゃんが誕生する前に、
小学校時代を過ごしたからね。トシなんです。
「うん、残念ながら今の時代みたいに
　かわいいデザインのお洋服は無かったねえ。」
（それに、小学校から制服だったの、公立なのに）

「あのね、もしもタイムマシンがあったら、
　お母さんの小さい時に戻って、このお洋服
　プレゼントしてあげられるのにね。
　いっぱいかわいいお洋服あるし、
　着られなくなったのも、もったいないしね」

かーちゃん、思わず朝からウルウルしました。
優しい娘に育ってくれたものです。（親バカ入ってます）
一人っ子だけれど、人様のお下がりを頂いて、
やりくりして着せてきた甲斐がありました。
物を大切にできる子、お母さん思いの子に育ってくれました。

なんでも魔女商会 (1) お洋服リフォーム支店 (おはなしガーデン)

おんなのこのワードローブ

その後、食卓で、今朝の読売新聞の編集手帳にも
泣けました。全文掲載します。

　川柳作家の麻生路郎（じろう）に、
「湯ざめするまでお前と話そ夢に来（こ）よ」という一句がある。
亡くなった小学生の長男に語りかけた１周忌の作という

◆病床で静かに命を終えた子にも、残された親が
「お前と話そ」と言えるようになるには１年という時間がかかる。
胸と腹を刺されて死んだわが子に夢のなかで逢（あ）い、
何を話せるだろう。抱きしめて、泣くばかりに違いない

◆兵庫県加古川市の小学２年、
鵜瀬柚希（うのせ・ゆずき）ちゃん（７）が自宅の玄関前で
何者かに刃物で刺された。救急車のなかで意識を失う前、
犯人が「大人の男」であることを救急隊員に告げている

◆同じ７歳、２年前に吉田有希ちゃんが刺殺された
栃木県の事件も解決していない。一刻も早い犯人逮捕こそが
同種の凶行を許さない手始めであり、
たった７年で人生を断ち切られた幼き者の無念を
少しでも晴らす道である

◆有希ちゃんのご両親が四十九日の法要を終えて
公表した談話のなかに、犯人に向けた言葉があったのを覚えている。
娘は天国に行っても、空のかなたから昼も夜も犯人を見続けている。
「忘れないでほしい」と

◆柚希ちゃんも空の上から犯人を見つめているだろう。
お母さんが見るだろう悲しい夢の中で、
思い出したくはないだろうけれど救急隊員のおじさんに
言いかけた続きを、そっとお話ししてごらん。柚希ちゃん。
　　　　　　　（2007年10月19日1時32分 読売新聞）

犯罪被害者の心の傷

ただただ、哀しくて、泣けました。
８歳になったばかりの一人娘を持つ母としては、
もしも何かあれば、人ごとではない世界です。
保育園時代から続き、小学校でも不審者情報の連絡は、
ひっきりなしに入ります。
いったい、こんな時代に子育てしなくてはならないとは。

タイムマシンがあったなら、お母さんは娘さんを守りに、
いえいえ、家から出さずにずっと抱きしめていることでしょう。
何があっても離さない。決して離しはしないと。
タイムマシンがあったなら、元気な娘を取り戻したい、
元気な我が子を取り戻したいと、幾千万回思うでしょう。

夢の中の子どもに、語りかけることさえ辛い。
元気に笑っている姿だけを思い出したい。
タイムマシンがあったなら。
ただただ、娘と同学年のお嬢さんの冥福を祈るばかりです。

このニュースがテレビから流れるたびに、
娘に聞かせたくない思いで一杯になる。
事件のあった小学校では、子ども達にも影響が出ているとのこと。
御近所だって、不安で不安で仕方ないだろう。
そう思うと、哀しくてたまらない。
世の中を、人を疑い、不安の中で登下校しなければならない、
そんな中で、子育てしなくてはならないなんて。
一刻も早く犯人逮捕できるように。
せめて少しでも安心できるように。
親御さんは、それでも、辛いばかりだろうけれど･･･。

今日は朝から泣けました。

殺された側の論理 -犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」

犯罪被害者の声が聞こえますか