「ふるさと」になれるかしら
今日の「ちりとてちん」、見た?
さすがに今日は休みを取っているので、年賀状の合間に
全部観る事ができたの、最初から最後まで。
いつもは最初の8分ぐらい、車のラジオで聞いているだけ。
飛び飛びだから、肝心な所がわからない。
でも、今日は全部見られてよかった。
でね、感動。草々君がきよみちゃんへの気持ちをね、
部屋の間の壁を蹴破って来て、抱きしめて、言ったの。
「今日からお前が俺の故郷だ」って。
凄い、凄い。こんなのありぃ?
言われてみたいね、誰の故郷になるかは問題だけれど。
実際なれるかどうか、問題だけれど。
くどき文句も様々だけれど、「ふるさと」絡みは、
年末の帰省のキーワードと重なって、キターって感じだったよ。
それにしてもNHKはうまいよね、故郷をキーワードに視聴者をひきつけるのが。
まあ、最近は朝の連ドラが中心だけれど、結局大河ドラマだって、
御当地歴史大巨編、1年間ぶち抜き紹介番組だし、
ローカル局では作れない予算で「ふるさと企画」をやってるみたいなもの。
- 作者: 藤本有紀
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2007/09
- メディア: ムック
- クリック: 50回
- この商品を含むブログ (33件) を見る
- アーティスト: 教材用
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2004/04/21
- メディア: CD
- 購入: 2人 クリック: 29回
- この商品を含むブログ (18件) を見る
私のように単純な人間は、すぐに引っ掛かるドラマ。
民間のようにいい所の途中で宣伝が入ったり、
だるい時間稼ぎの2度送りが少ないNHK.
故郷を話題に視聴率を取るのはお手の物のNHK.
あの、宮田輝を有名にした「ふるさとの歌まつり」
日本各地を富田勲の音楽で届けた「新日本紀行」
連ドラ、忙しい朝の15分。昼の休憩時の15分。
お国自慢や問題提起を散りばめて、観光案内しながら
ストーリーを織り込んでいく巧みな脚本、演出。
ほんの少し現実から離れて、ほっとしたい。
ほんの少しテレビの前に座ってほっとしたい。
そんな心理を突いてくる、「1日15分」は侮れない。
現に娘は「風のハルカ」では、姉妹の関係や離婚再婚、
観光案内業務を楽しんで見ていたし、
「芋たこなんきん」は、田辺聖子ファンの私に倣って、
大阪の今と昔の違いを比較しながら見ていた。
子どもは親の影響を受けるけれど、子どもなりに楽しんで見ている。
「どんど晴れ」では、小田和正の歌に魅了された娘、
「ダイジョウブ」カラオケでも歌えるよと自慢する有様。
地方の老舗旅館を巡る嫁いじめのしごき、人間関係、
買収のっとり騒ぎは最後まで飽きさせない
ジェットコースタームービーみたいたものだった。
- 作者: 大森美香
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2005/09
- メディア: ムック
- クリック: 25回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
- 作者: 小松江里子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2007/03
- メディア: ムック
- クリック: 45回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
故郷を離れ、都会で暮らす人間は多い。
私のような宮城県人2世は、実質本籍ではなく
生まれ育った所が故郷のはずなのに、何故かあいまいだ。
両親から受け継いだ何かが、ジモティとの境目を作っている。
正月のお澄ましの雑煮、普段の赤味噌の味噌汁、
米はササニシキ・コシヒカリ・ひとめぼれの毎日が。
味覚は強烈な故郷志向だから。
「今日からお前は俺の故郷」などと突然言われると、
プロポーズの言葉としては決まっているけれど、
私だったらどうするかな。年明けの放送が楽しみ。
それにしても、教育テレビの「日本語であそぼ」で育った娘。
ちょっとした文章、詩、ことわざ、暗記に強くなった娘。
保育園時代からジュゲムが言える娘。
今回の「ちりとてちん」では落語に引っ張られている。
- 出版社/メーカー: エトワール<ハゴロモ>
- 発売日: 2007/10/08
- メディア: カレンダー
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 出版社/メーカー: エンスカイ(ENSKY)
- メディア: おもちゃ&ホビー
- 購入: 1人 クリック: 53回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
日本文化を知らしめんという、深謀遠慮のTV番組でで育てられた幼児は、
きちんとその路線にのっかって、落語の粗筋を楽しんでいる。
演出のギャグや悲喜こもごも人間模様、逆境からの立ち直り方、
義理人情の世界に触れながら、方言でしゃべる主人公、
落語に嵌っている人々、その世界を楽しんでいる。
「小浜に行ってみたいねえ」なんて言うから、たいしたもの。
故郷を何処に定めることになるのか、娘よ。
育った場所も、覚えた味も、話し言葉も故郷の要素。
そして、落語もその背景の文化も、その文化を支えてきた古典も、
日本文化もお国柄そのものと相まって、ふるさとの様相を呈する。
君の中に、君自身のふるさとは少しずつ形成されつつある。
そのふるさとに、私は私のルーツを見出す。
自分の成長過程を、心のふるさとの原型を、雛形を、思い出を。
私は、「ふるさと」になれるかしら。
誰の「ふるさと」になるのかしら。
どんな「ふるさと」を作るというのかしら。
私達は、ね、娘よ。
そんなことを意識する、年末の一日。
- アーティスト: TVサントラ
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2006/10/25
- メディア: CD
- 購入: 2人 クリック: 29回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
- アーティスト: TVサントラ
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2007/02/21
- メディア: CD
- 購入: 2人 クリック: 22回
- この商品を含むブログ (4件) を見る