セルフイメージ戦略

化ける装いとはよく言ったもので、「化粧」
女は化けると古来から言われます。あ、祟るの間違いだっけ？
木の芽時、枯れ果てていたかと思われる野山、木々の梢、
変身！　といわんばかりに芽吹き、緑萌え始め、花が咲き、
季節に彩りが蘇り始め、装いも新たに、春。

雑誌もTVも定番企画、春メイク。卒業式・入学式ファッション、
発表会スタイル、就職活動メイク、新入社員の装い。
とにかく、違う自分、今より素晴らしいもう一人の自分を演出。
春の合言葉は新学期なのでリセット、リニューアル、
今までとは違う本当の自分になる。（もしくは隠す、なんでしょうね）
そういう特集が目白押し。毎年の恒例行事なんですが。

「セルフイメージへのアプローチの仕方」というふうに見ると、
高尚な雰囲気が醸し出されるでしょうか。
「見た目をよくするためのお化粧テクニック」なんて、
身も蓋も無い言い方をすると、庶民的過ぎる？
同じ所を目指していると思うのですが。
要は見た目が大事。その人のセルフイメージが、世間とずれていたら、
本質から外れていたら、歪んでいたら、エライことですから、
お化粧一つ侮れない春先、この季節、紫外線からお肌を守りましょう。
いやいや･･･。

で、疲れ果てていつものようにＴＶつけっぱなしの夕食、
そこで見たものは･･･。私の大嫌いな芸能人が並んでいて･･･
個人的に言って、あんまり好きじゃないんだよね、この人達。
お化粧に興味のある、おませな小学生の娘が見ています。
･･･やれやれ。ん？　うわー、顔の右半分と左半分、別人だ。
こんなにお化粧で雰囲気が変わるものなのねと、びっくり。
いつもの「私は女医よ、何か文句ある？」
お高い雰囲気は、どこへやら。かわいい今風、別人28号。

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お化粧したりされたりの2人。カマキャラとたかびー女医です。
世の中どうしてこういう人が毎日のように画面に出るのか、
まともな番組を民放に期待していない私。
でも、こういう企画はよくある番組。変身番組は定番の身近な夢企画。
若く見える、かわいく見える、リッチでセレブな着こなし。
エイジレス、美白、ほっそり小顔。何てったって流行言葉の化粧品業界。

最近ではダメージケアメイクどころか、メンタルケアメイクの世の中。
人生を変えるには見た目から。『人は見た目が9割』という本が出るくらい。
女性にとっては化粧は死活問題・・・な訳で、いまや幼児からバー様まで。
（なかなかそこまで意識して化粧をするのは難しい事ですが）
ほんの少しでも自分を良く見せたいと思っていても、
目的を間違えずに見せるテクニックが難しい。
簡単に会得する人もいれば、なかなか不器用な人間もいる。
セルフイメージが歪んでいるのか、商品としての演出なのか、
芸能人のイメージ戦略、日々過酷。メディアにおける虚実皮膜。

見た目は大事。
仕事中だろうがオフだろうが、ＴＰＯに応じて見た目は大事。
見た目がチャンスや出会いをもたらす。運だって何だって
引き寄せられるものを外見で呼んでくる。
相手に与える印象が望ましくないばかりに、
本来であれば、ごくごく普通のやり取りからもたらされるはずの
「他人からの優しさ」だって、手に入らない場合も。

セルフイメージを自分で勝手に作り上げる前に、
望ましいセルフイメージの型にはまり込んでみる事が、
実は大事。古来日本の武道の様に、「型から入れ」が
実は古くて新しい自分の作り方、見せ方、鍛え方の基本。
柔らかな雰囲気、優しげな印象を与える化粧が周囲の見方を変え、
鏡を覗く自分自身の気持ちをも変え、
その人の立ち居振る舞い・物言いまでも、優しくするならば
それはそれで意味がある。

自由でありたい、素のままで、それはそれで意味がある。
化粧がしたい、上手になりたい、流行に乗りたい。それもけっこう。
でも、自分をよりよく見せる為に若々しく保つ為に
テクニックが、アンチエイジングが必要ですよと言うならば、
心の状態にも元気を保つテクニック、若さを維持する秘訣が必要。
型に嵌りたくない、その前にあらまほしき型、望ましいモデルを、
化粧にも、心にも、幼い時でも大人になっても、示し続ける必要がある。
流行からではなく、自分自身を健康に元気に維持し続ける為に。

そんなことを連想しながらＴＶ画面、あらまあ、女医の目にも涙？
恩師米山公啓を前に、西川史子のこの雰囲気何だ？
「君が心配」「色々な言動、本当の君ではないだろ？」
「お金なんかどうでもいいんじゃ無いの？」こんなふうに言われたら、
「違います、本当の私は良い子でなんかいるの、嫌なんです」とか、
「人様に見せる番組でこういう企画はやめて下さい」とか言えないよね。
ああ、そういうのも全部含んで企画なのかな。

芸能人として単にイメージ戦略的に、本当の私は違うの。
こんなふうに優しくて、脆くて、危なっかしい部分を隠しているの、
でも、そんな自分を芸能界で見せたら「ぶりっこ」なんて言われるから
最初から嫌われキャラでも何でも引き受けられるわよって振りしてたの
･･･何て雰囲気で、ゲストに医者まで読んでカウンセリング場面めいた
雰囲気まで仕立てて、放映ですか。だから、民放嫌いだよ。
ここまで見せて作り上げる、虚実皮膜路線が。

セルフイメージ戦略は、型に嵌る。
今までの自分を無にするところから、
望ましき型を手本にし、模倣する所から。
けっして、「やらせ」からではなく、本心から目指さないと。
そして、何よりも、陰徳を積まなきゃね。
人に見せる前に、言う前に、決心して黙々と実行しなければね。
その型に自分を嵌めて、自分を自分で律する・コントロールする事が、
できるようになった時、人が自然に認めてくれる。
何かで無理にアピールしなくても。

アピールの仕方も戦略だと、何もかもセルフイメージ戦略に仕立てて
心や体を「商売」にする流れにのっかるのは、疲れる。
また、流行に乗るだけになってしまうからね。
メビウスの輪の上のセルフイメージでは困る。
何かから抜け出していかないと･･･。
と、自分に言い聞かせる今日この頃。

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