Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

宿泊人間ドック2日目

夜明けどころか早朝覚醒。丑三つ時も過ぎてから、
TVはグッチ雄三のお料理教室、ボーっとホテルのベッドの上。
少し転寝したら眠れない、本を読む気にもならない。
結局仕事をして、6時過ぎに30分ほど仮眠。
7時に起きてシャワー。BSで『ちりとてちん』。
そうか、やっぱりそういう「落ち」で来たか。
仕事を続けることは困難。男社会では。結局母親回帰か。
私としては、仕事を辞めずに母親になって欲しかったのだが。


9時検査開始。糖負荷の1時間おきの採血、婦人科検診、胃カメラ
何故か今日はパジャマに着替えず。服のままうろうろ。
で、昨日も今日もドクターとの相談という時間があるのだが・・・。
さくじつのドクターは、30代なるかならないか、若手。
穏やかな物腰、落ち着いた雰囲気。ほっそり優しげな先生。
丁寧に一つ一つ解説したり、質問に答えたり。模範生。
この場合は○○科受診の方がとわかり易い。


本日のドクター。何だか、いかにも1日だけ派遣バイトです、みたいな。
というか、たった今休暇から帰ってきましたみたいな・・・。
ちりちりパーマ頭、ぼさぼさ髭、サーファーのような日焼け。
そりゃ外見で判断したら失礼かもしれないけれど、
昨日のドクターと年恰好は似ていても、違いすぎる・・・。


検査結果とCT結果を前に、「一言で言えば問題ありません」
人間ドックに来ている者は、それだけ訊きたい訳ではないんだけれど。
何を訊いても、「特に問題ない」「いじらない方がいい」
「大して関係ない」「気にしなくて構わない」という答え。
ことごとく説明は無かった。別にマニアックな説明でなくても、
もう少し「解説」が欲しい。
めんどくさい説明抜きで「次の人早く回して」的な態度モロ。
マグロと一緒で傷んでいるかいないか、ハイ次、みたいな。


婦人科検診と胃カメラの前の看護師さんのインテイクが優しくて丁寧。
婦人科の先生は去年と同じ老先生。この方は常勤なのかしらん。
胃カメラは眼鏡をとって下さいの指示があったが、
一緒に見たいのでそのまま。経鼻管ではなく不通の太い方。
でも先生は上手で痛くないし、つつき回さない。
時々早く終わらそうと凄い勢いで動かす先生がいて、
お腹が気持ち悪くなるんだけれど、それもない。
でも、今日のお腹の中は・・・。


素人目に見ても食道から胃にかけて入り口、荒れていて白い。
中はいつもより充血しているというか、赤い。
あ、出血している。ひえー。あ、変な形に盛り上がっている。
「空気を入れた時のショックで出血することがあります。
 水掛けて流してみましょうね」え? そうなの?
まあ、胃の中が洗い流されているのが見える。
「深い傷じゃないから、大丈夫ですね」そうなのか。


「この盛り上がっている所、つついてみましょうね。
 ・・・下が固くないみたいだから、多分大丈夫でしょう」
そういうものなのか? 瘢痕後、薄くなった胃壁、
今日の画像は素人目にも鮮明。うん、夏より荒れてる。
仕事でやけ食いしたり、胃がきりきり痛くなったり、
胸焼けして胃液が上がってきたりしたから、
まあ、予想はしていたけれど・・・。


「来年もカメラは続けてくださいね。」球部の変形はX線では無理。
どっちにしろ半年に1度の胃カメラ。慣れたくないが慣れている。
それにしても今日の先生は今までぴかいち、説明も上手。
声掛けも器具の扱いもソフトで患者側としては楽。
しかし、私の方ではこの後、思いも寄らぬ事件が・・・。

経鼻内視鏡実践Q&A

経鼻内視鏡実践Q&A

薬を買う前に読む本

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宿泊ドックは朝は絶飲食の代わり、昼食券も付いている。
胃カメラの喉麻酔も切れてきて、飲み食いOKと思ってお店へ。
何だか柔らかいメニューのはずが、違和感。
う?ん? 歯が、火曜日に見てもらったばかりの歯が、
ブリッジの仮歯が・・・、取れた。今まで何度も取れているが、
よりによって、・・・。次の診察まで1週間あるのに。


おそらく前歯の仮歯は衝撃に弱い。口をすぼめたり、
イー! の口をすると歯肉と唇の動きに影響される感じ。
そして、強く噛めない。硬いものは噛めない。
しかし先ほどの胃カメラで、管を通すスペース確保の
マウスピースを噛んでいたからね・・・。
無意識のうちに強く前歯で噛んだんだろうな・・・。


検診クリニックの同じ階に、インプラント・一般保険診療可の歯科。
レストラン階から取って返し、付けて貰いました。
これが・・・、哀しいことにはっきりわかる。仮歯の付け方。
明らかに病院の先生よりも、この年配の先生の方が上手。
それは噛んだ時にわかる。同じ仮止め用のセメントでも、
噛んだ歯が揺れない。舌で押しても歯の裏側に違和感が無い。
付ける時のちょっとしたコツがあるのだろう。


100円10分のネット接続でちょっとだけアップ。
そのまま車で道沿いのシネコンへ。
ポイント有効利用、昼間から無料鑑賞。
カンヌでオープニングを飾ったという作品。
『マイ・ブルベリー・ナイツ』を見る。
男性受けはしないかもしれない、この作品。
でも、『ノーカントリー』よりも青少年に見せたい映画。
主人公は女性だから、女の子向けだけれど、
失恋のショックから立ち直るのに、他人の恋愛や親子関係、
二つの「死」と出会い。これはある意味再生には死の代償という、
お決まりの図式とは言え、わかり易い構図。


誰にも選ばれない、売れ残り。認めてもらえない。
自尊感情の低下。やりきれなさ、孤独感、抑うつ感。
考えたり思い出したりするのは辛い。
昼夜働くことで体を使うことで、無理やり自分を動かす。
生活のために、生きるために。
そして、いつの間にか他人を見つめる目を養い、
人に寄り添うことができるようになり、
自分自身に向き合う力を取り戻していく。


自分が生きていることに、過去を捨てることに、
まだ歩いていけることに自信を持って、
希望を取り戻して、再びニューヨークに戻る。
様々な恋、愛の形、行方、終わり、そして始まり。
そういう映画を見て、再び私は車を運転。
職場に置き忘れたものを取りに戻り、帰宅。
仕事場から仕事場へ。検診の間も職場にサンドイッチされる。
ふう。


そして、今日のBSは『サイボーグ009』の特集。
リアルタイムで読んで育った私には、何とも言えない感慨。
映画は白戸三平の『ワタリ』(実写版)と抱き合わせの2本立て。
親に連れて行ってもらって見たんだっけ。
全く高度成長期の漫画世代の私。009は何のために戦った?
何のために誰のために戦う?
戦いを仕事に置き換えて考えてしまう私。
やれやれ。距離が取れているんだか、いないんだか。

2012 009 conclusion GOD’S WAR―サイボーグ009完結編〈1(first)〉

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サイボーグ009―素顔の戦士たち

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