Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

算数の授業参観

土曜日とはいえ給食がある登校日。そう、今日は休日授業参観日。
そしてPTA総会の日。例年4月だったものが、諸般の事情で変更。
家人には午前中に来て貰い、小雨交じりの中、2人で3年の教室へ。
よくわからないが、2年の時と同じ階、同じ教室で3年生。
毎年生徒の教室が変わるのは、学年によってクラス数が違うせい。


4月の授業参観では、作文を読ませるだけで終わった担任。
今回は算数。割り算の文章題に何と1時間。
栗が12個あります。1人に3個ずつ分けると何人に分けられるでしょう。
まず、問題文をノートに写して、大事な所に線を引きなさいと指示。
なるほど。・・・みんな答えを出すのは簡単。すぐ退屈してお喋り。
ところが先生はマジックボードを渡して、説明付きで書くよう指示。
式と答えだけでは駄目らしい。


何人か次々とボードを黒板に貼り付けに行くのに、
窓際にいる娘は、せっせと書いていて仕上がる様子が無い。
何だか不安になってきて、見守る。漸く前に提出に行った。
早いのがいいとは限らないが、どうしたんだろう?
あれ? 何と娘のボードにはお皿に3個ずつ栗の絵が。
そうか、式以外にこれを描いていたから時間が掛かったのか。
偉い偉い、具体的にわかりやすくイメージしていたんだね。

ドラえもんの国語おもしろ攻略 じょうずに話せ、発表できる (ドラえもんの学習シリーズ)

ドラえもんの国語おもしろ攻略 じょうずに話せ、発表できる (ドラえもんの学習シリーズ)


できた人から前に出て、指示棒を持って説明するように言われる。
でも、みんなは「お天気おじさんは嫌」「お天気お姉さんの真似」
そんなことを言ってふざけてなかなか説明しようとしない。
12枚のパネルが出ているのに、娘を含めて言葉で説明したのは4人。
あとは、前の人と一緒とか、言うのが恥ずかしいなんて言って、
沈黙していたり、笑ったままだったり。


なるほどねえ。単に計算させるだけではなくて、国語ではないけれど、
「表現」の授業も兼ねて、発表の仕方を実践させているわけだ。
「どの人の説明がわかりやすかったですか」と質問。
娘ともう1人女の子のパネルが残った。男子全滅。
結局絵が描かれていたのは娘のだけだった。
かーちゃんは算数が苦手だったので、我が事のように嬉しい。


「割り算は掛け算の反対」と書く子もあれば、
「3の段を調べて考える」「九九の3の段を使って答えを出す」
色々言い方があるよね。あれ、「4人」の答えが「4個」の人も。
単位を間違えている。うっかりミスもいるね。
みんなが書いたボードを見ると、それぞれ個性豊かな字。
様々な説明。間違い方も色々。


最後に先生は、掛け算を復習して「かけられる数」「かける数」
割り算のまとめに「割られる数」「割る数」を説明。
なるほど。こういうふうに授業を進めていくわけか。
それにしても、丸々1時間かかってこの問題一つ。
説明・視写・計算・整理・発表、それなりに教える側の工夫の跡。
しかし娘は・・・? それにみんなは?


家人は呟く。「ありえない。うるさすぎる。」まあ、ね。
私達の小学校時代と比べたら、考えられないほどのうるささ、
騒がしさ。立ち歩かないだけでもまし? 好き勝手な私語。
おまけに終礼時、挨拶をする前にランドセルを背負い帽子を被っている。
私にしても、目が点だ。挨拶の前に私物を手に持ったり、
着帽で礼に臨むなど、けじめがついていない。
おまけに礼などせずに、適当に声だけ出してみんな走り去っていく。


家人が担任と話している。「とても小学校の先生にはなれません。
こんなうるさい中で説明しようと思っても何を話していいか」
今時の子供の集団のに免疫の無い家人にとっては、
この授業参観、随分ショックだったよう。
「企業だったら考えられない」
・・・子供たちは訓練されたサラリーマンじゃないよ。
お馬鹿なゆとり教育は、個性とやらを尊重して、
軍国主義はよくないと極端な自由を尊重して、
礼儀作法も道理も何もあったもんじゃない、授業風景。


それぞれに意見を出し合う、ブレインストーミングのような
発展的な意見のやり取りが出来るという幻想。
それ以前に規律やルールが無くて、口々、好き勝手にしゃべる。
声の大きい者勝ちで、クラスの雰囲気を左右する。
担任の注意や戸惑い、注意を引き出して勉強時間を少なくし、
「自由」を貪る方法で遊ぶ輩は既に芽吹いている。
落ち着いて勉強がだんだん出来なくなっていく、小学校中学年。


それにしても学校で好き放題に騒ぎ、塾に通って能力別に分けられ、
静かに競争しながら勉強することを「きちんと」学ぶのだとすれば、
なんだか馬鹿馬鹿しい話ではある。学校はまとも勉強する所ではない。
好き放題出来る場所だとして、この先、4年5年6年と続くのならば、
とんでもない話だ。・・・そう、娘を始め、何人かは明らかに退屈していた。
昨年の担任に、塾に行くなら3年からと言われ・・・。


9歳の壁は既に学校で解決することではなく、塾任せ?
基礎を鍛えるのも、応用力を伸ばすのも塾任せなのか?
学校は、一体誰の何を伸ばして行くというのだろう。
なのに、大阪府はお馬鹿な知事のお陰で35人学級をやめるという。
高校は義務教育じゃない、所得に応じて進学しろと言う。
経済力が学力を決めると世間で言われて久しい。
塾代も無ければ、学力を伸ばすのが難しい時代。


知事が明言したように、経済力が人を集める。
大阪府の職員試験に集まった人数は昨年より4割減。
彼の元で働きたいとは思う者は少ない。
常識のある人間ならば、能力を下回る評価で、少ない給料で
働きたいとは思わない。好転する兆しもない大阪の目立ちたがり。
どこぞのネタの遣い回しでは無いが、机上の空論に振り回され、
使い回され、搾取されて、使い捨てにされるのがわかっている、
史上最低の公務員になんか、誰がなりたいものか。
特に、今時の若者が?


小学校3年の授業参観。担任にもよるだろうが、
1・2年生の教室の華やかな賑わいとは対照的な、
この先どうなっていくのだろうと心配になる、教室の風景。
娘の未来。子供たちの将来。これからの学校教育。
親がどこまで関わればいいのか。
守るためには学校に不信感を抱きつつ、よそで学ばせるしかないのか。
かーちゃんととーちゃんは、複雑な心境。

子供のための「発表力」トレーニング・プリント

子供のための「発表力」トレーニング・プリント