Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

受診疲れ、付き添い疲れ

大学病院という所は、これが当たり前なのかもしれないけれど、
待たされる。予約時間なんかあって無きが如しの混雑。
待合が狭くて、受付からぐるっと見渡せる範囲ならばともかく、
一体どこで待つのやら・・・という一人場所では大変。
トイレが遠くても大変。何かあった時連絡する電話も・・・。
とにかく、やたらと広いと単に待っているだけでも大変。
目の前の人が全部いなくならなければ、自分の番がやって来ない。
正直そういうふうに暗に言われているようで、圧迫感大。


我が家は家族3人が、それぞれ大学病院に定期的に通っている。
私と家人はいいが、母に関しては送り迎え、付き添いが必要。
今の所、福祉タクシーなどに頼めない。
もともと他人と接触したがらない母、
この病気特有の診察時だけ優等生ぶりっ子する母、
プライドだけは高くて、だから傷つけたくは無いけれど、
でも、段々あやふやな世界で生活している母。
まだら模様の心の中で、何を考えているのかわからない。


もっとも、そういう頼りない訳のわからない部分を曝け出すのは、
気心知れた人間に対してだと言われている。
警戒心を抱く時は、当たり障りの無い返事だけして、
おとなしくちょこんと自分の世界にこもりきりになったり、
昔取った杵柄の世界を披露したり、体の不調のみ訴えたり、
自分があやふやなことを上手に隠してカモフラージュして、
その場をやり過ごすことが増えて来ている。


それでも、昔のままの母の面影が見え隠れするので、
安心できる部分と哀しくなる部分とない交ぜになって、
複雑な心境になりながら、見守るしかないのだが。
まだまだ、動けるので良しと思って、
守ってくれているご先祖様に感謝の日々。
本日通院日。仕事の折り合いを付けて、予約時間に賭け付ける。
主治医と会うために・・・だが、先々月でお別れとなり、
新しい主治医に会うために、駆けつけたのだが・・・。

神経内科 待合室の絵

神経内科 待合室の絵

精神科の待合室 (中公文庫)

精神科の待合室 (中公文庫)


私が到着するまでに、病院に連れてこられて座っている母。
既に1時間待ち。私が来てから1時間半待ち。
予約時間から1時間以上経っても診て貰えないのは、
この科では珍しい。だって、3分間診療じゃ無理なのに。
おまけに、どういうわけか今日は混み混み。
神経内科超混雑。
移られた先生の患者を他の先生に振り分けたから?
それとも、他に引き受ける先生がいなくて誰かの所に集中?
新しい先生着任すること無しに、患者だけが増え続けている?


昼食抜きで駆けつけた私は、当分順番が回ってこないのを見定め、
売店ダッシュ。でも、殆ど食べられるモノは無かった。
パンもおにぎりもお弁当類も殆ど何にも無い。お菓子類のみ。
食堂があるのだが、母を一人で放って置く訳には行かない。
おまけに、母は待ち時間と診察時間、会計後薬を貰うまでと、
ほぼ4時間以上、石のようにお地蔵さんで、トイレにも行こうとしない。
大丈夫なのか? 


そんな母が気がかりに思っていること。
孫である私の娘が帰宅するまでに、間に合わずに病院にいること。
そう、母親である私が母と病院にいる限り、娘は家の中に入れない。
現在、娘を鍵っ子にしていない私。
されど、保育園時代と違って19時半までみてくれる訳ではない学童。
これが痛い。働く母親はみんな、このやりくりに悩まされている。
おまけにこの市は小学校3年までしか学童は無い。
学童の代わりは塾だという。塾に通わせる=親の安心?


そんなこんなで、自動支払機で会計を済ませ、薬の順番待ち。
母はどうしてすぐに帰られないのかとごねる。
どうして薬を貰って着てくれないのかと不機嫌。
まだ、出来上がって来ていないんだよと言ってもわからない。
何度も同じ会話の繰り返しになる・・・。
既に会計の窓口は閉まり、事務員は帰り支度。でも私達は。
いつもなら、どんなに遅くても16時半には帰れるはずなのに、
もうすぐ18時だ。・・・娘は? 小雨降る中どこに?
物置に電気を付けて雨をしのいでいた。やれやれ。


新しく変わった先生は悪い人ではなかったけれど、
今日一日だけではわからない。母は先生が変わったことさえ、
気付いていないようで、待たされていた分堰を切ったように、
急にあれこれしゃべりだし、先生かなり困惑。
今日の患者数を「さばく」だけで終わっているだろうに
今までのカルテに目を通すことなく、また一からでは先が思いやられる。


おまけに、すぐに新しい薬を使用することを進められ・・・。
それは前医との間で様子を見ようと止めていたもの。
ああ、これから先が思いやられる。
手遅れにならないうちにこの薬を投与と言われても、
効果があるかどうか保障はないというのに。
出来るだけ普通の生活をさせるためにも、
両親の側で、仕事を続けてきたのに。
投薬後で一気に症状が進行した人を知っているだけに、
私はその選択が出来ないのだ。


老人と共に過ごしたことの無い、
自分の親が老いて行く姿しか見たことのない自分と異なり、
娘がどんなふうに祖母を姿を見ているか。
超高齢出産の母親に対し、思う事も増えてきたのだろう。
「みんなのお母さんよりも老けているから、微妙」なんて発言も。
これを、私に当てはめれば
「みんなのお母さんよりも認知に問題があるので、微妙」


待たされて待たされて、おばあちゃんも、娘も、そして私もお疲れ。
今日は一日の予定が狂ってしまって、大変だったね。
ご免、これからかーちゃん職場に戻って仕事しなきゃ。
明日は休日出勤日。その準備もまだまだだし。
待たされて待たされて、だからあちこちにほころび。
でも、これは世間様の色んなことに比べれば小さなこと。


でも、祖母と二人きりにされた娘の負担は大きい。
私が経験したことの無いプレッシャーの中で、娘は育つ。
でも、それは、我が家では当たり前のこと。
世間のお友達の家とは違っていても、当たり前のこと。
週末家族である事も。平日は、祖父母を守って暮らす事も。
守られながら守っている。この関係の中で大きくなって、
強くなってもらわなければ、家族が成り立たないことを。


母はいつもより長く外出して興奮? 帰宅が遅れ食事もずれ込んだせい?
いつも横になる19時過ぎに就寝できず。
一仕事片付けて20時前に戻って来ても起きていた。あれあれ。
一人で遅い夕食。明日が出勤なのが痛い。
もう一人自分が欲しい。家事専用の。あ、家事が下手で駄目か・・・。
花金にはほど遠い、疲労感。体が沈む。

最強の老人介護 (介護ライブラリー)

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母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き

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