Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

妙心寺展と新日吉(いまひえ)神宮

本当は家族全員で見たかったんだけれど、妙心寺展
どちらかというと禅宗が好きなのは家人。
実家はどちらも曹洞宗なのだけれど、妙心寺臨済宗
けれども名前は知っていても訪れたことはない妙心寺
美術の教科書に出てくるような絵があることぐらい。
あれだけ派手に宣伝されたら見たくなる妙心寺展。
各駅に貼られたポスター、地下鉄も阪急・京阪沿線も、
どこでも見かけた妙心寺展。なのに、最終日まで行く機会がなかった。


家人と娘はスタンプラリーで駅を歩いて回っても、観光はしない。
美術館にも博物館にも余り寄らない。私には、そんなお出かけはちょっと。
せっかく全員で見ようと思っていたのに、家人はばて気味。
娘に付き合い、家族旅行を仕切り、ゆっくりしたいというのが本音。
けれども、家人の家からは1時間余りで京都。
どうしても行きたい。どうしても見たい。
ブランチを食べ、昼過ぎの電車でのんびり出かけることに。


私から風邪が伝染ったとぼやく彼を一人残し、
かーちゃんは娘を京都に連れ出した。
鞍馬貴船は別の機会に。今日は川原町から京阪祇園四条を経て七条へ。
半ばてっちゃん、鉄子の娘は京阪の2階建て電車、
テレビカーに興奮。やれやれ・・・。


勝手知ったる駅近所のタバコ屋で前売り券を買い、
チケット売り場が混んでいても並ばず入れるように準備。
あれ? 思いのほか空いている。お寺関係の展示は人気が無いのか?
常設展示展も無い特別展示だと、見に来ない?
最終日に混むと思ってみんな敬遠している?
どうしたんだろう・・・。


「看よ 看よ これぞ禅の真骨頂
 知られざる名宝 一挙公開!
 開山無相大師650年遠諱記念」
なかなか難しいキャッチフレーズ。
詳しい解説はこちらへ。 →


娘はさすがに音声ガイドは要らない、好きに見て回ると行って、
先に先に進んでいく。解説も仏教関係の言葉が連なり面白くないか・・・。
それにしても、仏具インテリアとはいえ瑠璃の天蓋のモダンなこと。
デザインも光沢も今めかしい輝きを放つ。保存・復元の賜物だ。
仏教に、師に対する思い、寺の存続へ、禅宗を広めるために、
様々な教え、出来事、争乱、諍い、思惑。


有名な禅師の足跡、襖絵、屏風絵 掛け軸、関わった天皇、大名、僧尼。
娘と目を丸くしてみた、豊臣秀吉の遺児が乗って遊んだという
大きな金箔の船のおもちゃ。かわいらしい鎧兜具足の一式。短い刀。
二つ三つのかわいい盛りに夭折した子への、募る思いがうかがえる似姿。
葬儀を行った妙心寺に伝わるゆかりの品々。
有名な竜虎図以外の新しい発見と魅力が驚きがあった。



驚きと発見と言えば、出口のお土産コーナーで、
熱心に本を読んでいる娘。「意外と面白い」のだそう。
何が? え? これ読んでいたの?
いや、知っているよ。出た当初かーちゃんも読んだことがある。
続編は知らなかったけれど、え? これが面白いの。
いや、まさに娘の興味関心ってどこに向いているの?
(ちなみに後日親馬鹿かーちゃんはアマゾンで購入、
 娘にプレゼントした)

ほっとする禅語70

ほっとする禅語70

続 ほっとする禅語70

続 ほっとする禅語70

しかし、気が付くと2時間以上も鑑賞していたので疲れ、
博物館内の喫茶室で遅めのランチ。
予想以上のボリュームに、またまたアップアップ。
暑い日でクーラーの掛かった室内で長めに寛いだ。
15時半を過ぎても客足は途絶えずという感じで、
混雑とまではいわないものの、穏やかな盛況という楽日。


16時も過ぎに駅へ向かう。出口を出ればすぐに三十三間堂が見える。
娘をここに連れてくるのはまた別の機会に。
あれ、パトカーがやってくる。随分ゆっくりと。
何かあったかな・・・? あれ、行列? 行列の先導。
お祭りの行列だ! 

 

 


駅に向かって一路大阪へ帰宅と思っていた矢先、夕方の日差しの中を、
坂を上ってきたのはお祭りの行列。しかし、今日は何の祭りの日?
隣にいた地元の人が、新日吉(いまひえ)神宮の祭礼ですよと教えてくれる。
そういえば博物館に歩いてくる途中に、お神酒云々という張り紙があった。
あれはこのお祭りに関することだったのか・・・。


  
  


昔の衣装に身を包み、来週の葵祭を連想させるような小さな行列。
あれ、娘に列から一人の若者が近づいて、榊を一枝分けてくれた。
おまけにお獅子がお獅子が、近づいてきたかと思うと、
歩道から見ていた娘の頭をパクリ。やったー! ラッキー。
お獅子に噛まれると賢くてかわいい子になるんだよ。
やったー。ばんざーい。あっという間に通り過ぎて行って、
興奮して見ていたかーちゃん、写真も取れなかった。

 

 


娘のデジカメの方がちゃんとお獅子が撮れていた。
思わぬ行幸。帰る時間帯に、神社に戻る行列に遭遇したらしい。
HPを持たない「新日吉(いまひえ)神宮」に関する記事は、
こちらを参考にされたい。 

 

「新日吉神宮 小五月会(こさきのまつり)
 神幸祭御献酒 新日吉講」の張り紙。
強固の日に来なければ目にすることもできなかった祭り。
沢山の自社と伝統行事が日常茶飯事の京都。
こんな形で遭遇するとは思いもしなかったので、まさに僥倖。
今日と滞在時間3時間半の旅で、妙心寺展のご利益。
ちょっとした僥倖。地元のお祭りに遭遇して帰宅。


頂いた榊、小枝は家人宅に持って帰って花瓶に生けた。
とっても得した気分。(昨日までの落ち込みも消え)
今日は母の日。何も貰えなかったけれど、
神様からは素敵な偶然のお祭りに遭遇するプレゼント。
こんな午後の一日もいいね。
とあるブログの「決めのせりふ」を思い出す。
今日もスマイル。