Festina Lente2

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初めての夏期講習

娘が初めての夏期講習に出かける。入塾した訳ではない。
お試しで感触がまあまあ良かったのと、
一人っ子で「井の中の蛙」にならない為に、
まあ何事も経験させるがよかろうということで放り込んだ。
実際、3年生で学童は終わってしまい子どもをどこに行かせるか、
親としては悩ましい所。家で好きなことをさせていればいいじゃんという、
のんびりした時代ではないし、だらだら無計画に夏休みを過ごしても、ねえ。


そう、私が子どもの頃はだらだら過ごしていた。
親の故郷にもたまには里帰りして行ったものの、
そこにはそこの家庭の日常生活がある。
従兄弟達は自分達の友達と遊び、女の子を相手になんかしない。
血の繋がりはあれど、何年かに一度会うか会わないかの相手に、
小学生が気を遣うわけでなし。


祖母と共に桑摘みをした桑畑の思い出、
蚕棚の世話、鶏の餌やり、卵の回収、
背丈よりも高い蝉の抜け殻だらけの玉蜀黍畑でのかくれんぼ、
ポンプやつるべで汲む井戸水、おくどさんで炊くご飯、
囲炉裏端のある生活、今から思えば貴重な体験の数々、
親の後を付いて回った親戚巡りでは訳のわからない昔話、
それはそれで楽しい思い出だが、毎日のことではない。


私は田舎での生活に退屈して、マンガが読みたかった。
しかし、都会よりも1週間遅れで入ってくる本屋。
土地勘がないのでどこにも行けず、田舎の生活を満喫することが出来ない、
あの時代の都会の子でしかなかった私。
町育ちの自覚はなかったけれど、田畑を持たぬ人間は所詮、
本当の田舎の暮らしなどわかるはずもなく、
居場所が無いままの田舎暮らし。
親にとっては実家で懐かしかったのかもしれないが、
娘の私は真に居心地が良かったとはいえない。
子供心なりに、居候気分を味わっていた。


今から思えばありがたくも懐かしい思い出だが、
娘にその田舎を与える事はできない。
どこにも行く当ても無く、親もいない家でだらだらはまずい。
勢い、世間様の例に漏れず、週に2回午後から3時間、
夏期講習というものに放り込むことにしたのだ。
親の身勝手と我侭な期待としか言いようがない。
中学受験の当ても無いのに。

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しかし、娘は初日上機嫌で帰ってきた。
何でも国語は思いのほか易しく、小テストが上位だったのだとか。
おまけに、みんな通塾生で飛び入り参加の夏期講習だけという生徒は、
娘1人だったらしい。あれまあ、世間様はそんなものか。
まあ、同僚は中学受験のため月に10万も払って子どもが塾通い。
家のローンどころではない教育費の高さ。
私にはそんな事はできない。
夏期講習でやっと。おまけに水泳と音楽教室もある。


音楽教室の月謝も馬鹿にならず、グループレッスンだから一人が抜けると困る。
他のお母さん方はいつ辞めるか、相談しながらタイミングを見計らっているらしい。
何もピアニストになる為に練習しているわけではない。
淑女の為の教養という時代でもない。
でも、楽器の一つや二つ演奏できなくてどうするの時代。
自己流で得難いものは、ある一定の期間習わなくては進めない。
好きだから習うではなく、必要最低限だから、
みんなやっているから、お友達がそこにいるから・・・。



それにしても、私の時代ではどうだったか。
コンクールだ演奏会だと、何事も経験と言うが、
からしたら子どもを疲れさせているだけではないかと思える。
歌、楽器、ピアノやエレクトーン。色んな形でのコンクール参加。
機会を与える重要さと、指導力の賜物として指導者の点数向上のための
半ば強制的とも思える参加状況では・・・。
グループの中で仲間外れになると後々大変なので、
みんな持ちつ持たれつで参加しているが、
そういう参加状況に、親も子どももうんざりして来ている。


それに比べて、この夏期講習はどうなのか。
今日始まったばかりの夏期講習。明日は算数。
親子揃って苦手な算数。
水泳と違って、タイムが良い生徒だけを試合に出すではない、
音楽教室の各種紺コンクールや演奏会。
毎回毎回小テスト・確認テストで順位が付く塾。
娘はどんな反応を示すのか。


そして親はどんなふうに見守ればいいのか。
放り込んでおきながらも、気が気ではないかーちゃん。
なかなかに小心者、どーんと受け止められないまま、
既に明日の心配をしている。
青少年センターでのお料理教室は、あれ以来、喧嘩も無く順調。
毎回毎回メンバーが変わるのが幸いした。


考えてみれば、毎日遊ぶ相手が近所にいないまま、
習い事先やイベント先でしかお付き合いがない小学生。
私の時代とは余りにも違う、小学生の世界。
娘を通じて感じる私の違和感。
親にとっても何事も経験のうちなのか。
今の経験が何に結びつくのか、碇を投げる事も無く
船を走らせるだけではどこに流れ着くのかわからない。


日々の生活の延長線上、微妙に複雑、やっぱり複雑、
何ともいえない気持ちが続く。
指の痒みのように疼く。
親として、ただただこの状況、心が痛い。
娘本人はどのように受け止めているのかわからないが。

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