50回目のファースト・キス

映画館で見たいと思っていて見逃した作品。
本日BSで期せずして見ることができた。
ハワイに行ったこともないし、『E・T』の子役で一世を風靡した
ドリュー・バリモアのファンでもないけれど、
彼女のかわいらしさが際立つ映画であることは確か。
喜劇役者のアダム・サンドラーのどたばたも、
まあ、アメリカナイズされたストーリーだから許されるか。

記憶が1日しか持たない、1日寝たら丸一日の出来事を忘れてしまう。
そんな生活って、人生ってどういうものだろうと。
どんな描かれ方をするのだろうという興味の方が先行。
でも、やっぱりアメリカの楽天的な作品。
明るい風土の中、絵が好きで歌が好きで、家族思いの女性。
気が強くて優しくて強くて、ユーモアがあって。
そんな彼女を取り巻く人間関係も、善意に満ちていて。

彼女に恋する元女垂らしの獣医の主人公が、
あれこれと気を引こうと必死になり、悪戦苦闘。
彼女の家族と共に一生懸命、「人生」を取り戻し、築くために、
人を真剣に愛するとはどういうことか、
自分の人生を犠牲にせず、夢を諦めず、彼女を支えるために、
どうすればいいか「行動」するところに、この映画のよさがある。

『博士の愛した数式』の80分しか記憶が続かない人に比べれば、
遙かに遙かに恵まれていて、家族面でも恋愛面でも恵まれていて、
日本的な展開に比べれば、アクティブでハッピーエンドの映画。
題名『50回目のファーストキス』（50 First Dates）
これがまあ、人目を引いたのだろうけれど、
最初のデートでファースト・キスは、今時の感覚？
私の年齢ではちょっとついていけないか・・・。

毎日が片方にとっては新鮮。でも、片方にとってはそうじゃない。
本当に愛情と感動は続くものなのか。
生々しい日々の積み重ねから遠く隔たったメルヘンに浸った。
映画だから、楽しく鑑賞できる作品。
現実だったら厳し過ぎる。