Festina Lente2

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キャッチコピーが欲しい

我々はどこから来たのか
我々は何者か
我々はどこへ行くのか

ゴーギャン展 東京国立近代美術館 (2009年7月)


最近の美術館のキャッチコピーはかっこいい。
詩的でロマンチックで、刺激的だ。


「迷子になろうよ、いっしょに」
2001年にオープンした「三鷹の森美術館」のキャッチコピー。
まだ行ったことが無いので、まだまだ迷子になり損ねている。



「すべてのものは 自分の表現」
生誕120年記 念河井寛次郎
島根県立美術館 2010
そんな風に言い切ってみたい。自分の存在も、文章も、仕事も。
自分の全てはそれほどの量でも質でも無いけれど、
大手を振って言い切ってみたい。青空に向けて、嵐に向かって、
目に見えない運命に抗って、「すべてのものは自分の表現」


ルノワール - 伝統と革新』展 見ルノ、知ルノ、感じルノ。
そう、見て触って感じる。知ることは世界を広げる。
五感を通して感じる世界、知る世界、自分だけの世界。
人が見ているものが、自分と同じとは限らない。
見えるものが、全てとは限らない。

キャッチコピー力の基本

キャッチコピー力の基本

時代を映したキャッチフレーズ事典

時代を映したキャッチフレーズ事典



十五夜お月様の出ない15日。満月は来週。
丸々太りつつある右弦の月。
期待に満ちた、心晴れやかな思いが広がる。
青い月も赤い月も、丸くなるにつれて優しい。
黄色い月は尚更のこと、美味しそうに空に輝く。


竹取の姫君よりも、ウサギのつく餅が欲しい。
不老長寿の伝説がある、月の桂の泉の水が。
届かない、月には届かない。
太陽はもとより、月にも届かない。
大志を抱けない。大志は抱かない。
小市民的なささやかな野望が、希望でもなく、
願望でもなく、淡々と生きる強さだけを望んでいる。


一本足の案山子の立ちん棒が、疲れた足を休めることもできず、
仰ぎ見る月のさやけさ。
キャッチコピーの雨は降ってこないか、
自分にぴったりの、心にねじを巻く、火花が散るような、
月の世界が裏返ったところに、
ほら隠れている。


月は丸々と太り始めて、私の心に孟宗竹を生やす。
妄想竹を生やす。竹、竹、竹が生える。
さらさらと、さやさやと、自分を表す言葉を捜す。
展示するほどのこともなく、見せるほどの事も無い。
それでも、何かをしたくてたまらなくなる、そんな夜。
言葉で包み込んで、包装してみたくなる、
別の形、異なる衣装、奇抜な意匠、思い付きで、
今年の自分を、今の自分を、これからの自分を、
キャッチコピーで見てみたい。


私はどこから来たのか
私は何者か
私はどこへ行くのか

アメリカキャッチフレーズ傑作選

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月ノうた

月ノうた