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手縫いの靴 

仕事関連で知った場所。3年前までは降りたこともなかった芦原橋
ここいら一体は皮産業の盛んだった場所、靴や太鼓や、
そういったものを作る土地だったらしい。
大阪市が歴史的な資料を展示する部屋を撤収してしまったためm
貴重な資料が散逸しないように、一般の人々が展示室を作って、
本日オープンのお披露目なのだとか。
だから、賑やかに鳴り物入り三河万歳?
(正式には伊勢漫才というのだそう)

  

  


下ネタも存分に含まれていたようだが、お祝いを寿ぐ背景には、
子孫繁栄を意味する関係で、そういう言い回しが為されるらしい。
笑いを誘い空気を揺るがし、眠っている生命力を呼び覚ますのが、
本来の寿ぎなのだから、言葉や行為で笑いを取る業(わざ)としては、
当然なのだろう。
家人いわく、昔はこういう人たちが門付けに来たという。
私は、お正月の獅子舞程度しか見たことはないのだが。


浪速人権文化センターにあった展示物を一部のみ展示。
それでも知らないことが一杯。
皮にまつわる様々な製品が色んなところに使われている、
でも、そういうことを知らずに大きくなった。
太鼓の皮を張る職人さんが差別を受けていたなんて、
大人になってから知ったことなのだ。


それも昨年、娘とクリスマスのクラフトを楽しもうと、
豚皮で作るランプ作りに参加して知ったこと。
皮にまつわる話。一つの製品、仕事、産業の背景。
今まで知らなかった歴史的事実に驚かされたのは、去年のこと。
http://d.hatena.ne.jp/neimu/20091212

  


自分が改めて意識しないと見えて来ない歴史の中に埋もれた人々、
産業、役割、作られたイメージ、押し付けられた生業(なりわい)。
靴作りの道具の一つ一つ、太鼓作りの歴史、
消防団のヘルメット、展示品は初めて知ることばかり。
産業や芸能の背景煮に何があったのか、知るようになったのは、
随分大人になってからのこと。
小・中学校の頃、習ったのかもしれないが、
何が問題にされているのか理解していなかった。

  

  


宮城県人2世の私は、生粋の大阪人が当たり前に知っているような
知識や慣習を知る由もなく成長。
ましてや市内の地理や歴史は知らず、
大阪城周辺が軍需工場だったことや、京橋付近が空襲にあったことも、
家人と娘と3人で大阪のあちらこちらを歩き回るようになるまでは、
さっぱりも知らなかったのだ。



今は昔のような丁寧な手仕事をする人が少なくなった。
それは皮産業に限ったことではないが。
その手作りの味を今に残そうとしている靴の店、
アトリエ西濱の店内を見学。
ぐらぐらの私の足を支えている、 いつも履いているごっつい運動靴。
中敷きを入れているばかりではなくて、クッションをきかせたスニーカー。
分厚くて重い靴を見て、「軽い靴を履いてみませんか」と。

  


そこに並べられた靴は、軽い柔らかい靴ばかり。
靴とはこんなに軽かったのか? そんな風に認識新たに。
というのも、体重や衰えた筋力を支えるための靴は、
どちらかというとがっしりした作りのものが多く、
お洒落な人が履いているような華奢なヒールの高い靴は、
全く縁がなくなってから久しい。
妊娠中からその後、ヒールはご無沙汰だ。

  


そんな自分が、手作りの靴の軽さに思わず、
一度これを履いてみようか・・・という気持ちになった。
そして、それからどうなったかは暫くしてからのお楽しみ。
磨いて貰っているのが、私の買った靴。
紐靴ではないデザインを履くのも久しぶり。
(靭帯の緩んだ足を支えるため、履く度にしっかり結んで調整するよう、
 コンフォートシューズのお店で、いつも言われて来たから)


私の生まれて初めての手縫いの靴。
お勉強して貰ってすみません。嬉しいです。
軽く私の足を包んでくれるはずの靴。
靴に足を合わせるのではなく、2、3回履くことで、
靴が足に合って来るという、手縫いの革靴。
この秋から冬の、楽しみが一つ増えました。

くつ―人権総合学習つくって知ろう!かわ・皮・革 (エルくらぶ)

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